1972年ミュンヘンオリンピック 男子バレーボール準決勝。
日本はブルガリアと対戦した。
私は中学3年生。
当時テレビの生放送がなく、深夜ラジオのイヤホンで
この試合を聞いていた。
私は絶対に日本が勝つと思っていた。私だけでなく、日本中の
多くの人が日本有利と思っていた。ソ連以外の国が相手なら
日本は負けない。私は単純にそう思っていた。
試合が始まり、第1セットからブルガリアのエースズラタノフの
スパイクが面白いように決まる。そのスパイクは強烈であり、
日本はズラタノフのスパイクを全く止めることができない。
試合はそのままズルズルと進み、日本は2セットを失い、
一気に崖っぷちに立たされた。アナウンサーが、「日本は金メダルを
目標にここまでやってきたはずです。」と悲痛な叫びをあげる。
自分も「あ~、日本負けたな。」と思って涙が出た。
でも、最後までしっかり試合を聞こう、最後まで何が起こるか
わからないから、と食い入るようにラジオを聴き続けた。
第3セットが始まった。ここでもブルガリアが序盤リードを奪った。
冷静さを失い、策を見出せない松平監督。
そのときふとベンチを見ると控え選手に長身でベテランの南がいた。
「南、流れを変えてくれ。流れを変えないとブルガリアに勝てない。」
と松平監督。
「わかりました。」と南。
南が勢いよくベンチを飛び出していく。
南には秘策があった。ずっと試合を見ていてブルガリアの弱点を
見つけていたのだ。
日本の奇跡の大逆転への戦いが、今始まろうとしていた。
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