「こうしたい」と「つくる」の間に 一級建築士事務所アーク・ライフのブログ

東京都町田市の一級建築士事務所アーク・ライフです。住まい手の「こうしたい」と「つくる」の間で要望を共有し一緒に考えます。

町田の平屋上棟しました

2017-03-27 15:32:10 | リノベーション


少し日があいてしまいましたが、町田の平屋上棟しました。
上棟とは、木造住宅の場合、骨組みの柱・梁(水平方向の部材)をあらかじめ加工したものを現場の基礎の上に組み上げ、屋根が載る一歩手前の状態にすることです。木造建築では節目となるイベントでお祝いもしたりします。今回は特にお祝いは無しですが、設計監理者としては気持ちが盛り上がります。とはいえ、出張予定とぶつかっていたため、私は当日は立ち会えず、スマホでの電話、写真等のやり取りでの現場確認でした。

最近の事例の構造部材の加工はほとんどがプレカット工場での機械加工のため、設計図とプレカット加工図の確認にエラーがあると現場で組めないという大惨事になってしまいます。今回はいつも以上に複雑な屋根組だったので現場立ち会いしないのが心残りでしたが、スムーズに上棟出来たのでほっとしました。



屋根組が複雑になったのは、いつもの切妻、片流れ等のシンプルな屋根形状でなく、屋根を一部高くして高窓を設けたたためです。その目的は奥行きの大きな居間の明るさ確保と風通しの確保です。高窓を設けることと内部には耐力壁を設けず、構造柱も2本だけになっていることの両立が屋根組みのテーマでした。


結果、高窓部分は登り梁の上にお神輿(構造的にはしっかり一体)のように載せました。


出来上がりはシンプルにみえますが、通常であれば910mm間隔に入れる登り梁を少しずらしながら、部材同士の接合が複雑にならないようにしています。



屋根はいつも通り登り梁の上にネダノン合板を直に張って屋根面の剛性を確保しています。今回からはその上にネオマフォームを付加断熱して断熱性能の向上と内部結露対策の徹底をはかりました。



その上に一度透湿性のある防水紙を敷き、継ぎ目には防水テープを張ります。複雑な取り合いでシートだけでは防水処理がしきれない部分は伸縮性のあるテープを張って処理しました。



その後垂木を設置しています。垂木が防水紙の外側にありますので万が一屋根面で雨漏りしたときも躯体に雨水が浸入しないようになっています。また、屋根の防水紙と外壁の防水紙がシームレスにつながりますので、屋根と壁の取り合い部分からの雨漏りの発生もほとんどなくなります。

いよいよ土台敷き、の前に、、、

2017-03-13 16:51:43 | 16町田

町田市の平屋の現場、今日はいよいよ土台敷き。
の予定でしたが土台の下に挟む気密用の部材が手違いで届いていないため、工務店さんは午前中急遽部材手配の動きでした。

午後2時の現場確認で無事部材があることを確認し、一安心。建て方時に使う断熱材、土台等も確認しました。


断熱材はこの一山を屋根の上に乗せるのに使います。

明日は現場に来れないので明後日の上棟を楽しみに現場を後にしました。

下地模型でキッチンカウンターの作り方を伝えました

2017-03-10 10:52:18 | リノベーション
町田駅近くビルの1階を、コーヒーショップのために改装中です。
厨房と客席の境につくりつけるカウンターが少し複雑。厨房側からは手洗器、カウンター、一部ステンレスのキッチンカウンターがとりつき、客席側からは収納棚、高さの違うカウンター2段がとりつきます。さらに手洗器の給水・排水の配管スペースを取り回し、排水は厨房の流し下までもっていき合流させます。

図面と、出来上がりのスケッチだけでは大工さんは理解しにくく、つくり間違いが発生。その日の晩、縮尺1/10の下地部分の模型を作って翌日朝に持参。大工さんはこれを見た瞬間に理解。
設計の工夫をあの手この手でなんとか伝え、無事要望通りのものになりそうです。

この写真の中に模型があります。

型枠が外れ基礎コンクリートが現れました

2017-03-06 18:34:14 | リノベーション

1回目のコンクリート打設から21日、2回目のコンクリート打設から10日経ち、型枠外しの日が来ました。コンクリート打ち毎に1週間目の強度を確認してから作業を進めているため基礎工事の期間が長くかかりました。
型枠を外して基礎の様子を見るのは緊張します。私達のする設計・監理の仕事は品質のよい住宅の基礎ができるように図面を描き、現場状況を確認することですが、どうしても現場の作業をする職人さんたちに頼る部分があるからです。精度や仕上がりのきれいさ、設計に間違いがないか等について出来上がりを確認して問題ないことがわかるとホッとします。

今回の基礎屋さんとは初めて一緒に仕事をしましたが、鉄筋組みの段階から仕上がりに期待が持てそうな気がしていましたがその通りでした。見えているコンクリートの面はきれいでツヤツヤ、アンカーボルトもまっすぐで高さも一定、アンカーボルトにコンクリートの飛沫がついて残っているということもありませんでした。実はこの基礎屋さんは中学校の時の同級生、仕事が始まってはじめてわかって、久しぶりの再会にびっくりでした。しかも良い仕事ぶりを見せてくれて嬉しかったです。


今回初の試みは、外周の断熱材の上に白蟻対策の板金を設置したことです。基礎の外側に張っているのは白蟻対策の断熱材ですが、そこを白蟻が上がってきても一度外に出て外部から目視できるところを通らないと土台にたどりつけないようになっています。その板金を玄関部分の基礎が一部下がる部分も連続させました。玄関は白蟻対策の弱点になりやすい場所なのでより安心感が増すと考えています。

このようにきっちり寸法を決めてつくると、間違いがあると大変です。玄関扉がつくときに大慌てにならないように、、、もちろん気をつけています。