少し日があいてしまいましたが、町田の平屋上棟しました。
上棟とは、木造住宅の場合、骨組みの柱・梁(水平方向の部材)をあらかじめ加工したものを現場の基礎の上に組み上げ、屋根が載る一歩手前の状態にすることです。木造建築では節目となるイベントでお祝いもしたりします。今回は特にお祝いは無しですが、設計監理者としては気持ちが盛り上がります。とはいえ、出張予定とぶつかっていたため、私は当日は立ち会えず、スマホでの電話、写真等のやり取りでの現場確認でした。
最近の事例の構造部材の加工はほとんどがプレカット工場での機械加工のため、設計図とプレカット加工図の確認にエラーがあると現場で組めないという大惨事になってしまいます。今回はいつも以上に複雑な屋根組だったので現場立ち会いしないのが心残りでしたが、スムーズに上棟出来たのでほっとしました。
屋根組が複雑になったのは、いつもの切妻、片流れ等のシンプルな屋根形状でなく、屋根を一部高くして高窓を設けたたためです。その目的は奥行きの大きな居間の明るさ確保と風通しの確保です。高窓を設けることと内部には耐力壁を設けず、構造柱も2本だけになっていることの両立が屋根組みのテーマでした。
結果、高窓部分は登り梁の上にお神輿(構造的にはしっかり一体)のように載せました。
出来上がりはシンプルにみえますが、通常であれば910mm間隔に入れる登り梁を少しずらしながら、部材同士の接合が複雑にならないようにしています。
屋根はいつも通り登り梁の上にネダノン合板を直に張って屋根面の剛性を確保しています。今回からはその上にネオマフォームを付加断熱して断熱性能の向上と内部結露対策の徹底をはかりました。
その上に一度透湿性のある防水紙を敷き、継ぎ目には防水テープを張ります。複雑な取り合いでシートだけでは防水処理がしきれない部分は伸縮性のあるテープを張って処理しました。
その後垂木を設置しています。垂木が防水紙の外側にありますので万が一屋根面で雨漏りしたときも躯体に雨水が浸入しないようになっています。また、屋根の防水紙と外壁の防水紙がシームレスにつながりますので、屋根と壁の取り合い部分からの雨漏りの発生もほとんどなくなります。