花火、ときどき牛

花火について、またときどき牛について

[48] ヒトコトヌシさまお願いです 【花火】

2017-05-16 | 日記



「私の場合、花は必ず見ごろにあたるんです」

そう豪語したあとだったから、どうかな?と思ったけれど、
昨日、添乗でたずねた奈良・葛城山のヤマツツジは、見事な満開だった。

葛城山に行くのは初めて。

そう思っていたのに、葛城インターチェンジを降りたところで、既視感があった。

「あれ? 私、ここ、前にも来ています」

ドライバーさんに言ったところで、思い出した。

―― 一言(いちごん)さん。

願い事をひとことだけ聞いてくださるという、一言主(ひとことぬし)神社だ。


『ヒトコトヌシさまお願いです』

それが、前に書き上げた作品のタイトルだった。

ヒトコトさん、という登場人物のひとりの呼び名は、
実際に奈良にある、この神社から取った。

まだ結末も終わりも見えなかった去年の秋、
車でひとり、その一言主神社にお詣りにきていたのだった。

名前は、多くを規定する。
今、書きはじめているものも、主人公ふたりの名前は決まった。
ノートにその名を並べて書いたとき、とてもぴったりするように思えた。
ふたりが、勝手に動き出しそうな予感がした。


バスは記憶にある道をたどるうち、前方に、「一言主神社」の看板が見えてきた。
何かを言いたいような気がしたが、今日のツアーの行程にはないから、通りすぎるだけ。

代わりに、願った。

「ひとことだけ」と念を押されなくても、
書いているときの願いはひとつだ。

…これを、完成させられますように。

前に来たときも、同じことを願ったのだった。





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