ゴールデンウィークが終わろうとしている。
もうはや夏が、春を追い出しにかかっている。
…寂しい。
一週間前は、北海道の松前にいた。
函館から南へ、車で2時間。
最北の藩が置かれた松前城は、桜の城だ。
地元の小学生が毎年植えている卒業記念のオオヤマザクラをはじめ、
ソメイヨシノだけでない、二百種ほどの桜が植わっている。
そのなかに、心惹かれる桜があった。
「雨宿」(あまやどり)という名の桜。
まだほんの咲き始めだったけれど、可憐な白と、名前に惹かれた。
北海道に出発する数日前、編集者の方からお手紙をいただいていた。
「プロットはいかがですか?」という控えめな督促(!)につづけて、
最近読まれた本のことを書いてくださっていた。
エッカーマンの『ゲーテとの対話』。
そこに登場する、春の雨を両手で受けとめようとしている少年の描写。
そのイメージのように、誰かのことばを待つことについて。
その文字を読んだとき、自分でもあやふやになっていた記憶がよみがえった。
大曲の花火のことをお話ししたとき、きっと私が最初に語っただろう花火について。
「水色の雨」
色は違うのだけれど、こんな雨が夜空に咲いたのだった。
(明日から、この春最後のサクラ旅。日高・十勝へ)
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