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仏像を巡って 14: 仏像誕生

2014年03月24日 | 連載中 仏像を巡って

< 1. 弥勒菩薩立像、2~3世紀、高さ1.5m、片岩 >

今まで、アジアの様々な仏像を見てきましたが、それは古代インドで誕生した。
誕生地はパキスタンのガンダーラとインドのマトゥラーの2箇所でした。
今回は、ガンダーラでの仏像誕生を紹介します。

私は2003年に「ガンダーラとマトゥラーの彫刻展」を見ました。
私は仏像を見て、思わず目頭が熱くなりました。
その仏像は、等身大の黒色片岩製で、肩から胸にかけて光沢がありました。
顔は爽やかな貴公子風で、凜としており、そこからは古代インドの瞑想世界と文明混淆のロマンが漂っていました。
その石像には今でも古代の人々が抱いていた熱情が込められているように感じられた。



< 2. 仏立像、1~2世紀、片岩 >

この丸彫りの仏陀像はガンダーラで最初に誕生した頃のものです。
波状の頭髪、厚い着衣は、私達がよく知る東アジアの仏像とは異なります。
しかし、頭髪の結い方(にくけい)、額の点(びゃくごう)、伏し目が既に表現されています。
これらは超越者であり思惟する仏陀を示しています。



< 3. 釈迦菩薩座像、2~3世紀、高さ0.7m、片岩 >
これは釈迦の菩薩像ですが、当時、観音や弥勒の菩薩像も作られていました。
修行中の人を指す菩薩は、冠飾や装身具で飾った王族の姿で表されている。
台座の浮き彫りは、釈迦の王子時代の物語(仏伝)を表している。
これは頭上を覆う木陰で王子が座して「苦」について思惟することを伝えている。
この像と台座の浮き彫りが一組となって、一つの仏伝を物語っている。



< 4. 苦行釈迦像、2~3世紀、片岩 >

この像は断食苦行を行っていた釈迦の表現している。
この後、釈迦は苦行を否定したので、この表現は仏像において珍しい。


< 5.仏像 >
左: 仏立像、1~2世紀、片岩、高さ1.7m。
右: 菩薩立像、3世紀、片岩、高さ1.3m。
 


< 6. 彫像の頭部 >
この頭部の顔や髪型は西アジアやギリシャの様式を思わせる。

次回は、ガンダーラでどのように仏像が出現したかを見ます。




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