最近、沖縄の建設情報誌「しまたてぃ [(社)沖縄建設弘済会発行]」のサイトを見ました。
琉球大学工学部環境建設工学科教授の岡島達雄先生
(先生は、コンクリート工学や建築意匠とくに景観工学の教育研究を行っています。また、コンクリート2階建壁式構造の住宅に長年住んでいるそうです。)
が、「コンクリートの住宅-日本と沖縄」と題して投稿しています。
その一部を紹介します。
4.沖縄にコンクリート住宅が普及した理由
沖縄におけるコンクリート住宅の普及の理由として、挙げられるもの3つについて検討してみよう。
沖縄は台風の常襲地である。昔の木造住宅は台風で屋根が飛んだり倒壊した。だから風に強いコンクリート住宅が採用されるようになったという。
しかし、そのコンクリート住宅は建築士が設計や工事監理をしている。建築士が関与して構造計画をするなら、木造や鉄骨住宅でも台風に耐えられるようにするのは易しいことではないか。
米軍住宅への憧れからコンクリート住宅が普及したという。
しかし沖縄の一般のコンクリート住宅/住宅群のイメージは、米軍のそれと全く違う。住宅群や街並みのイメージ評価にしばしば使われる整雑性の評価軸では、前者は「雑」、後者は「整」となる。共通点は躯体がコンクリートでできているだけではないか。
木造には蟻害があるからとも言う。
しかし、コンクリートにも塩害がある。ここでいう塩害は、かつてよく洗わないで混入された海砂によるもではなく、飛来する海塩粒子によるコンクリートの腐食である。それに、コンクリート住宅と木造住宅の建設初期コストの差も考えれば、防蟻にも相当あてられるのではないか。
私はここで沖縄にコンクリート住宅が普及した理由に関する定説を覆そうとしているのではない。これらの定説も完全ではなさそうだということを指摘しただけである。普及の理由は他にもありそうだ。
・・・中略・・・
沖縄でコンクリート住宅が普及した理由について考察した。本土でコンクリート住宅に住むことを逡巡する大きな理由の少なくとも2つが沖縄にはあてはまらないことを述べた。沖縄ではコンクリートは不快と感じられるほど冷たくはならないのであり、年数が経過しても沖縄のコンクリートは汚く変容せず、むしろ石と化すのである。
読者の率直な御意見を期待する。
私の素直な意見
私は、カビで黒灰色のコンクリートにわびさびは感じないです。
夏は犬が日陰のコンクリート土間に腹ばいになっているのは気持ちよさそうですが、冬はやはり冷たく空と同じ灰色で暗いと思います。
雨に濡れると黒灰色に変わりさらに暗くなります。
隣のRC造住宅が打ちっ放しではなく白の塗装なのでほっとしました。
さて、今回、私が言いたいのは、沖縄でコンクリート住宅が普及した理由ではなく、コンクリート工学の建築の先生が、
「建築士が関与して構造計画をするなら、木造や鉄骨住宅でも台風に耐えられるようにするのは易しいことではないか。」
「コンクリート住宅と木造住宅の建設初期コストの差も考えれば、防蟻にも相当あてられるのではないか。」と述べている点です。
先生の言葉を言い換えれば、
・現代の建築基準法に則っとれば、台風に耐えられる木造住宅を建てることは易しい。
・建設初期コストはコンクリート住宅が木造住宅より高い。その差額の一部を木造住宅のシロアリ防除対策に充てるとコンクリート住宅と同等の耐久性のある木造住宅が建てられる。
ということになりませんか?
しまたてぃ http://www.shimatate.or.jp/20kouhou/simatatei/index.htm