そらのはじまり

昔オノヨーコが書いてた。「そらはどこから始まると思う?」「わたしたちの足元からよ。アリにとってはここがもうそらなのよ。」

世界の果ての通学路

2015年08月03日 | 日記
今日はユニセフのつどい。
「世界の果ての通学路」という映画を見て、夏休みの中高生、映画に出てくる国の留学生や国際医療勉強会ILOHAの大学生たちなど約100人がグループトークした。

この映画は世界の辺境の地で1時間半~4時間もかけて学校に通う子どもたちを撮ったドキュメンタリー。

たとえばケニアのジャクソン11歳は、夜明け前に起きて6歳の妹と一緒に2時間の距離を行く。
最大の危険は象の群れ。
(毎朝真っ暗な中、お父さんは子どもたちに象から身を守る方法を教え、神に祈る。子どもたちが無事に学校に到着しますように、そしてペンが子どもたちを導きますようにと。)

サバンナを見渡せる場所まで走って来た兄妹は、遠くに象の群れがいるのを見つけて通学路を変える。「ふたりでよかった」とつぶやきながら。
それでもブッシュを駆け抜けるときに象に出くわしてしまったりして、命がけ。
学校のある町がようやく近づくとふたりの足はますます早くなる。
だって今日は国旗掲揚の係なんだから。
滑り込みセーフで学校に着いたジャクソンは、何事もなかったかのようにそのまま掲揚台に颯爽と誇らしげに歩いていく。

インドのエマニュエルは足に障がいがあって歩けないが、毎朝弟ふたりが車いすを引っぱり押して1時間半の道を通う。
近道しようとして川にはまったりタイヤが外れたりハプニングだらけ。
でも3人は笑いながら力を合わせて乗り切って行く。
エマニュエルが言う。
「ぼくみたいな子はふつうは学校に行けないんだ。ぼくの同級生の女の子は障がいもないし家も金持ちなのに、途中で学校をやめさせられた。
うちは貧乏だけど通わせてもらえる。
だから一生懸命勉強して医者になってぼくみたいな子どもたちを助けるんだ」

ほかにも月曜の朝、寮のある学校まで同級生と4時間かけて荒野を歩くモロッコの女の子。
1時間半馬に乗って通うパタゴニアの兄妹など、どれもすごい通学路。

ジャクソン兄妹がうたう「かみさま、幸せが続くようにお守りください」という歌に泣けてくる。
もちろんおとなとしてはもっと近くに学校があればいいと思う。
だけどね、わたしなら一生に一度のアドベンチャー。
それを毎日やってる子どもたち。なんてかっこいいんだ。


そう、この子たちにとってはこの通学路をこうやって通うこと、それ自体が学校なんだ。

翌朝そう気がついた。