わが部族の考えでは、この土地のありとあらゆる部分が神聖である。
どの丘、どの谷、どの草原や木立も、遠い昔の悲喜こもごものできごとを経つつ、神聖なものとされてきたのだ。
あなたがたの踏んでいるその土は、われわれの足に踏まれたときの方がうれしそうだ。
なぜなら、この土はわが祖先の血によって肥やされているし、われわれの裸足は優しい触れかたを知っているからである。
しばしここで暮らし、喜びを感じたなら、幼子たちでさえこの土地の仄暗くひっそりとした感じに心ひかれ、夕べにはこの世に戻ってきた影のような精霊たちと出会うだろう。
いつか最後の赤い人が死に、わが部族の歴史が白人の間で神話になるときが来たら、この岸辺には、部族の目に見えない死者たちがたむろしているだろう。
あなた方の子孫が、野原だろうが街道の店の中だろうが、あるいは道なき森の静けさの中だろうが、自分たちしかいないと思っていても、けっしてそうではない。
夜、あなた方の町や村の道路が静まりかえって人っ子一人いないように見えても、かつてここにこぞり、今なおこの美しい土地を愛する主たちが戻ってきて、群れをなすだろう。
白人しかいないということには絶対ならない。
わが部族には公正に、親切に接していただきたい。
死者は無力ではないのだから。
私は「死者」と言ったか?
実はわれわれには「死」などない。
ただ住む世界を替えるだけだ。
ーシアトル ドウォミシュ族
( 「INDIAN SPIRIT」 めるくまーる)より
どの丘、どの谷、どの草原や木立も、遠い昔の悲喜こもごものできごとを経つつ、神聖なものとされてきたのだ。
あなたがたの踏んでいるその土は、われわれの足に踏まれたときの方がうれしそうだ。
なぜなら、この土はわが祖先の血によって肥やされているし、われわれの裸足は優しい触れかたを知っているからである。
しばしここで暮らし、喜びを感じたなら、幼子たちでさえこの土地の仄暗くひっそりとした感じに心ひかれ、夕べにはこの世に戻ってきた影のような精霊たちと出会うだろう。
いつか最後の赤い人が死に、わが部族の歴史が白人の間で神話になるときが来たら、この岸辺には、部族の目に見えない死者たちがたむろしているだろう。
あなた方の子孫が、野原だろうが街道の店の中だろうが、あるいは道なき森の静けさの中だろうが、自分たちしかいないと思っていても、けっしてそうではない。
夜、あなた方の町や村の道路が静まりかえって人っ子一人いないように見えても、かつてここにこぞり、今なおこの美しい土地を愛する主たちが戻ってきて、群れをなすだろう。
白人しかいないということには絶対ならない。
わが部族には公正に、親切に接していただきたい。
死者は無力ではないのだから。
私は「死者」と言ったか?
実はわれわれには「死」などない。
ただ住む世界を替えるだけだ。
ーシアトル ドウォミシュ族
( 「INDIAN SPIRIT」 めるくまーる)より