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世界の片隅から、愛をささやいてみたり @goo

『ドリフターズ』

2015年05月22日 | 本と雑誌
『ドリフターズ』 平野耕太著/少年画報社


私がそもそも平野耕太さんの名前を知ったのは、
『高橋葉介 怪奇幻想マンガの第一人者』に寄稿されていたからです。
この方の描いた夢幻魔実也はなかなかの迫力で、
「これは絶対悪役だろう」という雰囲気を放っていました。

プロフィールを読んだら代表作に『ドリフターズ』とあり、
どんな作品なのだろうとネットで調べてみたら、
なんか登場人物と世界観の情報量がすさまじくて、
こんなのマンガで描ききれるものなの、と俄然興味がわいていたんです。

この度ようやく機会を得まして、全巻(と言ってもまだ4巻で未完)読んだのですが
大変面白かった! 
あらすじやキャラクターについては他の方の解説に譲ることにして、
私としてツボだったのは次の点です。


・物語の構造がメタ

 これはもう前にも書きましたが、大好物です。
 登場人物が自分より前の時代の人物について、ある程度知っていたり、
 自分の後世の評価を聞いて一喜一憂したり、というのが愉快。
 しかも超有名人からマニアックな有名人まで、配置が絶妙。

・本当に情報量がすごかった

 確かにネットの解説どおり設定が複雑なのですが、
 その情報量の多さを負担に感じさせない語り口が、さらにすごい。

・それでいて展開がスピーディ

 たぶん10巻くらいでさくっと終わると思う。たぶん。
 (ただしそこまで年数はかかりそう)

・セリフだけで誰が喋っているかわかる

 それぞれ独特の口調で話しているから、
 画面に誰も出ていなくても、それが誰のセリフなのかわかる、
 という『水曜どうでしょう』形式(と強引に結びつけてみる・笑)


あと、先に『ロード・オブ・ザ・リング』と『ホビット』観ていてよかった、
というか、舞台は由緒正しいファンタジーの世界だというのも
バランスがいいんだろうなあ、という気がします。
画面上は阿鼻叫喚なシーンが連続しますが、
葉介マンガや『ホビット』が好きなら大丈夫…だと思います(^^;


カバーを取ったらいろいろおまけがついていたのも愉快です。
ドリフターズ候補としては、マタ=ハリに1票入れたいv

 
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