月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

雪の丹波篠山、岩茶房ことり主催「第4回 柴田雅章 窯出しの会」に参加。

2013-12-24 19:00:56 | 器を買いに




3連休の初日、丹波篠山「ことり」で開催された「第4回 柴田雅章 窯出しの会」に参加してきました。

このイベントは、12月21日(土)・22日(日)・23日(祝・月)の3日間限定。

急須、湯呑、茶腕、ティーカップなどお茶にまつわる器を中心に4周年の感謝を込めて、
柴田雅章作品を一部特別価格にて販売するというもの。
また今回は、クリスマスのプレゼント企画として初オークションが開かれ、

柴田雅章氏の作品が最低価格より入札できるのだという。
(「岩茶房ことりは、日本を代表するイギリスの古陶・スリップウエア作家の柴田雅章さんの娘さんが営まれている
岩茶専門の茶房」である)。


21日は寒い朝で。
高速のインターから篠山方面を降りてひた走ると、みぞれ混じりの雪が。
ふわぁー寒い!!と思いながら到着すると、店の雰囲気と空から舞う白のふわふわが
あまりに溶け合って、すばらしい借景に。




雰囲気は最高だ。
岩茶の匂いが漂っている空間は落ち着けるし、
ああ来てよかった!そう思った瞬間なのでした。

店の展示作品をぐるりと1周みわたしてから、この場の空気感を深呼吸。
そして、もう1度オークション作品からじっくりと眺めてみました。








これは私のクセのようなものですが、最初は器自体を風景としてとらえてしまい、美しい!とは思いながら、
何が、なぜ、どこが、どんな風にして良いのか(惹かれるのか)、オブラートに包まれたように、ぼやっとしか信号が送られてこない。
それが、2周くらいまわって同じものを見るうちに、だんだんと。
そして、じんじん、ズーンと響いてくる。要するにモノが見えてくるようになるのです。
(器はいずれも作家ものなので撮影は最小限です)










湿気の多い、丹波篠山の重い土。
今回は土のもつ気迫のようなものが、迫ってきました。
そこに色を重ねたときの質感。なめらかな手ざわり(これは口にあたる時、スプーンにふれあう時に重要だ)
そして、そして、とんがったところのない安泰。

ふ~。いいなあ器。人の手の温かみ。



ここらでちょっと休憩。
岩茶2種(水金亀(すいきんき)、黄金桂)、皮から手づくりミルクまん(2個380円)、
マーラカオをオーダー。
岩茶の香りはいい、やさしい味だ。

友達と、おしゃべり。そうして、ちょっと器のことを頭から離す。

と、そうそうこの日は器好きのライター友達・かおりさんにも、
レポートする予定だったと思い出し、店の人に了解を得て、
彼女が前もって見てほしいといっていた湯のみを中心に、iPhoneで写真撮影。
そうやって40分ほどお茶&撮影をして、再び宣戦布告である。
「勝ってくるぞと勇ましく!」。



1周目とは違って、お茶を飲んで落ち着いたのか、器のもつ美しさが、ぐっと語りかけ、響いてくるようになっていた。
なんと表現したらいいのだろう。こみ上げる高揚感というべきか。
あ、愉しい!幸せ!それらの思いがグッと下腹あたりから広がって。悦びがつきあげてくるようである。

友達も真剣そのもの。
やはり、彼女と一緒に来てよかったと思う(彼女はオークションで素晴らしいスリップウエア四方皿をゲットしたと後で知らせが届いた)。

柴田作品の魅力は私には色に思える。あの飴色、あのグレーブルー、
あの渋い緑はあの人の作品しか見られない。土と空の混じった丹波の色だ。それがイギリスの伝統の技法を纏って再び光り出す。
ひとつ魯山人を彷彿させるちょっぴりレトロな器が気になりだした。
よし、やはりオークションはこちらに変えよう。

そして、こちらを今回は頂こう。
20%も安くしてくださった。

お友達の器の相談に乗って、かおりさんの器レポートを終えて、
彼女が購入する器も決定。ほっとひと息である。
岩茶の効用か、体がカッカと熱くなるようで。思わず原稿を書き終え、ひと仕事した心境に。


お友達やお店のスタッフ、柴田さんのお嬢さんとひとしきり会話したあとで、
恐れ多くも、作家の柴田雅章さんと会話することができた。
文は人を表すとか、字は体を表すというそうだが。器もそのお人柄を忠実に映し出していくものです。

その人、柴田雅章さんは一言でいうと40年代風の男っぽさがにじむ、爽やかなお人柄なのでありました。
(1940年代のサスペンスドラマに、コートの襟をたてて登場しそうな雰囲気)
奇をてらわず誠実で、丁寧。そして慎重。篠山の気風そのもの。
1948年生まれながら、決して、おっさんではなくて、彼の秘めた男っぽさ。そこに心が動いたのです。


窯とともに、土や草のざわざわした感じが似合う、まさに昭和な男の人。孤独に器と対峙する人。
「暮らしが仕事、仕事が暮らし。(河井寛次郎のような人生を生きてきたのだと、後の資料で読む)」。
照れくさそうだけど、とても自然に微笑んで、私の他愛のない話にイヤな顔もみせずに応えていてくださいました。
(無茶苦茶失礼な表現ですみません)

今度、ゆっくり創作について、柴田さんの感じるイギリスの古陶について、
話しを聞いてみたいと思いました。



そして、ごめんなさい!!!
私の初オークションでいれた価格。
なぜにあんな、知も常識もない価格を入れてしまったのかが悔やまれる、この頃。

ま、来年再びチャレンジしますのでどうぞ、どうぞ、お許しを。

あー、イベントで頂戴した茉莉針王とクッキーを頂きながら。懺悔の心地。そして今夜はメリークリスマス。これから鶏とケーキを焼こう!!










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2 コメント

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器はいいね~ (しろくま)
2013-12-25 16:32:39
器の手ざわりや風合い。いいものです…(しみじみ☆☆☆)
Re:器はいいね~ (アンデル)
2013-12-26 22:23:31
そうだね。しろくまさんも器スキだもんね。
それにお料理も上手だもの。器は手にさわった時、口につけた時、洗う時、それに目にしたとき、あーいいな、そう思う瞬間がもう手放なせないですね。

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