月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

2013紅葉ライトアップ。南禅寺・天授庵と永観堂をはしごして。

2013-11-27 01:26:37 | どこかへ行きたい(日本)


週末、Nの学祭ステージを見にいく。
Nを含める5人のメンバーで唄あり、踊りありの20分のオンステージ。
Nもレースのカーテンのような、ひらひらのミニスカートで、
よくぞ足を開いて、腰を振って、エキサイティングなダンスを披露したもの。

そして、早々に、京大の学祭NFでのお手伝い!
なんともまぁ、愉しそうな学園ライフであることよ。


こちらは、学祭を早々にひきあげて、
河原町通り沿いのあんみつ屋さん「みつばち」にて、ひと息。




「白玉あんみつとお抹茶のセット」。



千葉県千倉産の「天草」を使っているという寒天はぷりぷりっとして、弾力たっぷり。
ほどよく固め。
あとでかけていただく、沖縄波照間の黒糖も上品。おまけに杏入りである。
ちょこっと甘いもんが欲しい時には、ぴったりのスポットだ。
ほんの5口くらいでいただける、おいしい甘味処でありました。



それから、それから。

これで帰るのは、あまりにもったいのうございます、とうことで向かったのは、

南禅寺の塔頭、「天授庵」である。

ここは今年の「そうだ京都行こう!」の紅葉バージョンで、大々的に告知されたそうで(知らなかった!)
ものすごい行列だった。
5時半の開門前ながら、信じられない。東山のずっーと奥まで並んでいた。
わたしもせっかくなので最後尾に並ぶ。
ゆっくり拝観できるよう時間制限で中に入るのである。


空は薄墨をこぼしたような、陰翳の深い灰色。
ざわざわと山が鳴くのは、杉木立であるのだろう。
あいにく月は見えなかったが、ロングコートがはずかしいくらいの、
あたたかい秋の宵だ。並ぶこと、約40分。
その間、迫力ある南禅寺の古木が織りなす貴き佇まいをトクと眺められる幸福といったら。

揺れる葉と木の陰翳。重厚な「三門」。
そう、重厚でありながら、なぜあんなに軽々と。すっくりと。
木と木と気が、織り重なり合って芸術的かつ、文化的に佇んでいられるのだろう。
闇のなかだから見えた深みというか、精気な美しさ、ひとしおなのでありました。
一人というのは、孤独でありながら、じっくりとモノを観察できる
いい時間でもあるのだ。

さて、天授庵。


ライトアップ時には拝見ルートが変わるのだそうだ。
昼は見られない本堂からの前庭や襖絵、書院などを見ることができるのである。




墨色から浮かびあがってくる、
赤い楓と緑の松。






蛍光色のようなライトに照らされた、青いススキと苔の緑。
幻想的で、幽玄で。
しばし、きれいなものをひとたび拝観させていただきました。



あまりにきれいで、この世界を離れてしまいたくなくて、
思わず真っ暗な闇のなかを、
今度は「永観堂」まで、ず、ずいーと歩いてしまったのである。本当はこのまま哲学の道までも歩きたいほどの気分。
本当ははしごなど、する気もなかったのに。
気づけば、ここ…へ。





「永観堂」の素晴らしかったのは、
偶然にも雅楽の演奏が聴けたことだ。



笙(しょう)の音にまず、やられた。
暗い庭を響きわたる雅楽。山々にはねかえって自分の耳に聞こえる、
怪しい和音の響き。

それから階段をトントントンと、上って。
「みかえり阿弥陀像」を真正面から拝観し、さらに立ち位置を横に移して、もう一度、拝顔。おう~!すみませぬ。
以前には、おそらく真正面からの拝観しかなく、
斜め下に目線を置かれた横顔の美しい、シャイな阿弥陀様という記憶であったのだが、
まさか真横からの動線まで用意されているとは…。ホントにいいの?そこにビックリなのであった。



それから…。

放生池の水面に映った朱色や黄色の葉をたくさん観て、再び空を仰ぐ。
(きれいだな、ニッポンの秋)。
やはり来て良かったと思う。
基本的に紅葉は光のなかで観るほうが好きだが、夜間の魅力もまた素晴らしい。



















京都の夜をひとしきり愉しみ、息を弾ませて坂道をくだり…と。
帰りのバス停留所で、「あら、◎◎◎◎!」といきなり私の名字を呼び捨てされて、ギョッとし。(だあ~れ!聞き慣れたその声はもしや)と
振り返るや、以前の会社の先輩コピーライターが旦那様とふたりで紅葉見物にこられていたのだ。

「もうビックリするやん。間違えてもいいと思って声かけたんやで」
「うわー、お久しぶりですー。お元気でしたか?」

50歳をとうに過ぎているというのに、その美しさといいしれぬオーラといったら。すごー。(きれいな赤桃の口紅~)
先ほどみた紅葉の記憶も思わず吹っ飛んでしまうほどに、おののいてしまったのである。
「まるでユーミンかと思いましたよ。…あ~ビックリ!」(いや、うれしかったです)と
3度も言葉にしてしまった私なのであった。













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