月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

リーガロイヤルホテル大阪「リーチバー」でカクテルを

2020-10-17 00:13:00 | コロナ禍日記 2020

 7月20日(月曜日)晴

 

14時まで仕事。

 ディーン・デルーカーで、グラノーラを買い、リーガロイヤルホテル大阪の「リーチバー」へ行く。来訪は2度目。

 

 陶芸家バーナード・リーチ氏が着想し、数寄屋建築が得意な建築家、吉田五十八が設計したというバーがある。1965年のオープンから改装はなく、デザインは当時もまま(?)というのが一番の魅力に思う。

 

 店内にはBGMはなし。あちらこちらから、聞こえる小さな笑い。声を落として語るひそひそとした話し方や、グラスの音、バーテンダーがシェーカーをシャカシャカとふる錫や金属音たちが反響し、なんとも静かなのが似合う空間である。コロナ禍なので3組か。入れる人数を半分に制限して営業していた。










 バーナード・リーチほか、棟方志功、河井寛次郎、濱田庄司らの作品が今も飾られているらしい。民芸という舟の中に(自分が小さくなって)揺られているような不思議な感じが、実によいのかもしれない。


多彩なのは壁面。

 細い竹を斜めに揃え嵌め込んである壁、葦材の額縁。また、ニスの塗られた木の床、イエローの球体が美しいロンデル窓も、空間に馴染んでいると思う。重々しいのに軽やかである。

 

 この日は夏らしくローランペリエのシャンバンを。ああ、好きな味。




 2杯目はパイナップルインフュージョンをいただく。あまりにおいしいので、作り方を聞くと、








「ごく普通のウォッカにバイナップルを長く漬け込んでいるだけです。ご家庭でも簡単にできますよ」とのこと。

 ウォッカの情熱的な味を甘酸っぱく締めるフルーティさ。これ1杯のむだけにここに立ち寄るのも粋…などと、想像を膨らませられる大人のカクテルである。

アテによく注文するのがレーズンバター。砕かれた氷の上に乗ってくる。

 

 こういう空間では、ぜひとも大人の話がしたい。Nの恋の話しでも聞き出そうかと持ち掛けてみたが、途中でやめにした。悪酔いするには勿体ない。高価でおいしいお酒なのだから。

 次は気のおけないのんべえさんと来たいなあ。誰でもいいというわけにはいかない。ちょっと好きな人としか使いたくない。

 

  







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