知財、何でもカンでも

知財に関する話題をそれこそ何でもかンでも提供していきます。

翻訳メモリ

2011-07-31 15:40:16 | インポート

現在、和文英訳の作業をしています。外国系の案件は、今までは、簡単なコレポンを作成するだけで、翻訳は他の所員が一手に引き受けていたのですが、今回の案件は、自分で翻訳する必要に迫られ、自分としては初めての翻訳作業をしています。この翻訳をするに当たって、翻訳メモリなるソフトを使いました。OmegaTというフリーソフトです。初めて使ったのですが、過去の翻訳結果から、現在の文章に似た翻訳例を勝手に拾ってきてくれます。まだまだ、使い勝手を十分に把握していませんが、慣れれば相当に便利になるのでしょう。
前回の「WIPO GOLD」の件もそうですが、世の中にはいろんな便利なものがころがっているようですので、有用な情報のありかを把握しておくことは大切です。
この点、大手の特許事務所にはそのような情報がたくさん集まるかというと、そうでもないように思います。大手事務所では、明細書を書く人は明細書を書くだけ、図面を書く人は図面を書くだけが毎日の仕事ですので、必要以上の労力は使いません。特定の情報は専門の部署の限られた人しか知らない、というのが実情でしょうし、それで十分なのだと思います。
うちのような小事務所は、一人で何でもこなさなければならないため、いろいろ工夫する必要に迫られ、その結果、個人に種々の情報が集まる、ということでしょうか。毎日が新しい発見の連続です。


WIPO GOLD

2011-07-21 08:08:06 | インポート

もう公開から1年も経っていたのですね。最近見つけました。いつもはPATENTSCOPEを使っており、これはこれで便利だと思っていましたが、世の中、どんどん進歩しています。種々の情報が満載です。単なる案件のサーチだけでなく、統計データも表示してくれます。しかもグラフ表示で。
このような情報は、知っていると知らないとで、仕事の効率もずいぶん変わります。常に、いろんな方面にアンテナをめぐらせておかないと、世の中の進歩に乗り遅れてしまい、旧態依然とした方法でしか仕事ができないことになり、その差は知らず知らずに大きくなります。そういう意味ではネットサーフィンも役に立つということでしょうか。


中小企業からのご依頼

2011-07-15 07:22:44 | インポート

最近面識ができた中小企業から出願の依頼がありました。出願の依頼に至るまでの間に5回ほど事務所を訪ねてきています。この会社の関係の人に学生時代の同級生がいたことから、最初は、相談ということで私のところに来られました。新しい事業をはじめる計画でいること、その特許出願を検討していること、既にある事務所に出願を依頼したこと、依頼したときの対応が心もとなく、この事務所で大丈夫だろうかと思ったこと、その後3ヶ月経っても出願されていないこと、2件依頼していて、そのうちの1件の原稿を見たが、これでよいか不安になっていること、もう1件は2頁の部分原稿を送ってきていて、残り部分は、問い合わせると翌日に送ると言われるが送ってこないこと等々、何回か面談するうちに徐々に核心に触れてきました。事業開始の時期でもあり、猶予がなくなってきたため、結局、その事務所への依頼は撤回し、当事務所に依頼されました。なんだか、仕事を取り上げたみたいで、素直には喜べませんが、友人からの依頼もあり、引き受けることにしました。
しかし、相手は中小企業の「オヤジ」です。事業への「思い」は雄弁なのですが、発明の核の部分を捉えて話することができません。工夫した点と言えば、あれもこれもとたくさん出てきます。やっと複数のポイントを見つけましたが、複数の発明になるからといって、大企業と違い、複数の出願をするほど、経済的余裕はありません。図面も完全ではなく、試作段階のものがあるだけで、現在構想中のものの図面はありません。もちろん、先行文献など、知りません。以前の事務所が、なかなか明細書をまとめきれなかったこともうなずけます。結局、社長の思いを全部取り込んだ一つの出願を急いですることにしました。これから原稿を書くわけですが、出願するまで簡単にはいかず、難産になりそうです。


JETRO「中国特許権侵害対策セミナー」

2011-07-06 08:24:02 | インポート

JETROのセミナーを受講するのは初めてです。百数十人聴講していたと思います。弁理士よりも企業関係の方が多いようでした。
前半が日本の弁護士による「中国特許権侵害訴訟について」、後半が中国の弁護士による「中国における先使用権の確保とその方法について」の二部構成です。盛りだくさんの内容で、アッという間に時間が経っていました。また、配布されたテキストが仔細に説明されているだけでなく、種々のフォームもとじ込まれており、このテキストを入手できただけでも意義があったと思います。
行政摘発と民事訴訟、特許事案の場合は民事訴訟が好ましいが、行政摘発も付加的に利用するとよい場合があること、訴訟前には調査会社に事実関係の調査を委託して証拠収集するのが一般的であること、訴訟前差止という制度があること、最高人民法院の司法解釈が拘束力持つこと、最近になって(例のシュナイダー事件後)その司法解釈に寄与度がおり込まれたこと、公証を受ける場合管轄に注意すること、等々、多くのことを学びました。
得るものが多いセミナーでした。