さてさて、いよいよ(栗うさぎ的に)本命ヒロインが登場してきましたよ♪
・・・ですが・・・。
御免なさい、今回はかなり辛口感想です★
試験官が大不正を犯した編入試験。
それからしばらくたち、今日は始業式という新たな門出の日。
[食の魔王]こと薙切仙左衛門。
原作未読の方にとっては、ここでようやく前回ラストで創真の不合格を取り消したのは誰だったのかという疑問が解けることに。
仙左衛門による祝いの言葉ですが、ここはもう少し雰囲気を柔らかくというか、笑みを浮かべてもらいたかったです。
外見や威圧感から完全に戦慄している学生達を「あれ?それほど怖くない?」と一瞬思わせてからこそ、あの「捨て石」発言が効果を真に発揮させると思うんですよ。
いわゆる持ち上げてから落とすというヤツですね。
原作ではこういうアップダウンは結構重要なものとして用いられているので・・・。
気になっていたライバル達の描写ですが、これがアルディーニ兄弟や黒木場(※バンダナ無し)だけでなく、極星寮の面々やアリスに加え北条や貞塚、そして葉山まで描かれていたのには驚かされました。
葉山らもこの時点で描かれたという事は・・・、今期のアニメは「秋の選抜編」まで手掛けてくれるとみていいのでしょうかね!?(森崎先生もブログで葉山の登場を楽しみにしてたし)
だとしたらかなり長い期間放送してくれることになるのですが・・・!!
ちなみに郁魅は出番が割と近いからか、下半身だけ登場(苦笑)。
原作で出てきた算盤娘やカチューシャの女の子達も漏れなく描かれてましたね。
ということは、彼女達もこれからの展開で登場してくる可能性があるのかも?
司会が川島麗だったのも地味にグッジョブでした☆
・・・とまあ、ここまでは普通に観てたんですがねえ・・・。
なんで「踏み台」発言がこんなにあっさり流れるんだーーー!!!???(大不満)
演出があっさりしすぎる!!!
その代わりになのか、「てっぺん獲るんで」発言に学生達の反感が集中する形に。
ですが、私からすればそれは違うと言わざるを得ない・・・!!
ここら一連の創真の発言は終始見事な挑発発言でしたが、「てっぺんを獲る」という意気込みは先のえりなを始め、きっと仙左衛門によって高揚させられた他の学生達ほとんどが同じことを思っていた筈です。
創真はそれを包み隠さず口に出しただけ。
大事なのは「踏み台」発言の方だと思うんですよ、私は。
一見酷い言い様でありながら学生達の向上心を煽る意味にも取れた仙左衛門の「捨て石」発言。
創真の「踏み台」発言もまた、仙左衛門のそれとほとんど変わらないんですよね。
美食界に君臨する魔王と、一般庶民の編入生。
お互いに言ってることを要約すれば、「他者を糧にして己を高めていく(高めていけ)」ということです。
だけど、立場と微妙(?)な言い回しの違いによって相手側の受け取り方が全然違ってしまったという。
この発言を軸にして、周囲のほとんどを敵に回してしまうという「創真の遠月学園での立ち位置」が、そして追々分かってくる「創真の発言の誤解され易さ」が確立されることになる訳です。
何より、ここは創真の“爆弾性(破壊性)”の初お披露目だったというのに!!!(だからこそ附田&佐伯先生もコマぶち抜きでここの創真を描いたというのに!!)
さらりと「爆弾」を落とす創真のこのキャラクター性は、昨今の少年漫画においてもオンリーワン的なものだと思っています。
シリアスにおいてもギャグにおいても重要なものとして用いられているだけに、やはりここのシーンは、学生達を石化させるだの何だのして大きく印象付ける演出を施して貰いたかったですね・・・。
そ~れ~と~。
創真のえりなに対する宣戦布告も個人的には不満。
ここは演出がどうこうではなく、創真の声。
私としてはここの創真の声音は、静かながらも箔の篭った言い方にして欲しかったですね。
これはこれで王道な良い表現でしょうが、私としてはこのシーンはこういうイメージでは無かったんですよ。
原作第113話感想でも散々騒ぎましたが、創真の魅力の真骨頂は「静かさの内にある熱さ」だと私は思っています。
普段は快活な声のイメージなのですが、創真は大事な時であればあるほど敢えて声音を抑えて静かに話す子だと思うんです。
それだけにガックシ★
更に言わせてもらえば、創真には近づくまいと決心する恵のカットが原作通りにありましたが、あの背景は何なのでしょう?
この時の恵は一見気持ちを奮い立たせているように見えるものの、考えていることは「触らぬ神に祟りなし」という根本的にネガティブなものです。
そんな後ろ向きな考えの場面に、あの明るい背景はハッキリ言ってミスマッチに思えました。
それといくらデフォルメ絵でも三つ編みの空中固定はおかしいよ。
そうして恵にとって最大の不幸であり最大の幸運がここから始まるわけです☆
いらんツッコミその1:ホワイトボードの字。スタッフの方、字下手★
いらんツッコミその2:料理学校ではフランス料理の料理名はフランス語で書かれます。
いらんツッコミその3:シャペル先生顔色わるっ(核爆)。
そして後々創真にネタにされてしまう(笑)、鍋に張り付く恵。
目が血走ってる血走ってる(汗)。
そこに創真の呑気な声がかかるわけですが、今になってみると、恵の肩の力を抜いてくれたのだろうと思えますよね。
そう思えるぐらい、今の創真は深い気配りが出来る子になっているんだよなあ~。
あと、ここで調味料が充実していることを創真が確認していたことも、後の逆転劇の伏線になっているんですよね☆
嫌がらせを受けてしまい、絶体絶命のピンチに恵は涙を。
次第に涙が溜まっていく表情の変化は丁寧に描けていて良かったです。
でも。
折角シリアスな描写にしたのなら、そこに無理矢理原作のデフォルメ絵は挿入する必要は無いと思うのですが。
お陰でピンチ感がぼやけてしまいました。
「ブッフ・ブルギニョン」も美味しそうではあったのですが、肝心の柔らかさがいま一つ伝わってきませんでした。
あの描写では、柔らかさというよりジューシーさの方が伝わってきたかと。
そんな今回の料理「ブッフ・ブルギニョン」。
単行本にはレシピが載ってない品ですが、このアニメは背景や小道具の描写がしっかりしてるのでホワイトボードに書かれていたレシピがちゃんと読み取れましたね。(リアクションが終わって、笑顔のシャペル先生のシーンでレシピのほぼ全容が見れます)
こういう所がさり気に親切使用☆
ちなみにここにも専門用語が用いられているので簡単に説明をば。
- エマンセ・・・「薄切り」。色々な食材、主に肉料理に用いられる切り方の呼び名。
- シノワ・・・円錐形をした、網目の細かい金属製の濾し器。スープやソースを濾すのに用いる。(原作112話ラストの方で創真が手にしていた物ですね☆)
- パッセ・・・濾す、もしくは裏ごしすること。
当時の創真はそれこそフランス料理用語の知識なんて皆無だったでしょうから、ここらは恵に教えてもらったのでしょうね。
代わりに恵は創真の対応力と経験値によって、退学の窮地から脱することが出来たわけです☆
エピローグでは、原作第9話ラスト近くのえりなが。
まあ、シャペル先生繋がりという事で、ここで用いてきても違和感はありませんし、分かりやすくもあったとは思います・・・うん。
個人的に言わせてもらえば、ここもマイナスとは言いませんがプラスとも言えない変更点でしたが。
原作第9話のサブタイトルは【氷の女王と春の嵐】。
この回のえりなはまさに[氷の女王]と呼ばれるだけの、冷淡で非情で冷酷な姿が描かれてましたよね。
ですが、そんな“氷”である彼女が“炎”になってしまう唯一の存在が創真だという。
その対比と、えりなとタクミの共通性とを考えると、ここで出してしまったのはちょっとだけ勿体無く思えました。
しかしながらここでも貞塚が登場していたのには本気で降参★
凄いよアニメスタッフ。
そういうわけで今回は、原作に対するアニメスタッフの見解と私の見解とが初めて大きくズレてしまった回でした。
不満が大きくなってしまった要因は、この回が全ての“始まり”として私がとても重要視していたこともあったかもしれません。
あ~あ・・・それだけに残念・・・。
(四宮編もこんな感じだったら、マジで荒れ狂ってしまうかも・・・)
それと今回は全体的なクオリティも少し低く感じました。
まあ、最初が良すぎたため、その反動でしょうけども。
今回はちょっと「止め画」が悪い意味で目に付いたかな、と。
テンポは良いのですが、反面流れや動きの“溜め”や“重み”もありませんでしたね。
特にそれを感じたのが、仙左衛門の「捨て石」発言前の手の持ち上げ方。
なんていうか・・・浅い!
そして作画も浅い・・・っていうか固い。
女の子は特に気にならなかったのですが、一方の創真を始めとする男性陣の描写が悪い意味で固く見えました。
作画を受け持つ方は毎回違うため、絵柄の差異は仕方のない事なのですがね。
本当に好きな作品ということもあって、どうしても文句が多くなってしまいます。御免なさい。
そんなこんなで不満ばっかり書いてしまいましたが・・・。
「コマ切りしたキュウリ入れる???」には抱腹絶倒大爆笑。
この瞬間、松岡さんを天才だと思いました。
アニメオリジナルとして、始業式後に吉野達の会話を入れてくれたのも嬉しかったです。
この挿入によって、吉野達の視聴者への印象付け&次回への伏線に。
そして創真に反感を持つ者ばかりではないという安心感にも繋がってくれました。(^^)
プニキャラは相も変わらず可愛いしvvv
序盤は「E」評価を下しそうになりましたが、このグッジョブのお陰で「B」にまで一気に評価アップです。(←単純)
さて、次回はいよいよ創真とはまた違った意味でこの作品の看板キャラクターである、一色先輩の登場です。
「彼」の声を務めるお方は櫻井孝宏さん!
声優に疎い私でも知ってる、「本物」の声優さんです。(なんせ、私の前ジャンルの主人公を務めてた方ですから☆)
底の知れない人物として、私も高く買っている一色先輩。
そんな彼を櫻井さんがどう演じてくださるのか今からとても楽しみです!!
追伸:そして次回のEDは「極星のマリア」が抜擢されることでしょう。きっと。
このアニメスタッフなら絶対そうする、間違いない。