あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第136話感想

2015-10-01 02:00:00 | 食戟のソーマ

 アニメの『ソーマ』終わっちゃいましたね~。
 長かったような短かったような・・・。
 個人的には不満点も強かったですが、それと同時に称賛部分もちゃんとあったアニメだったと思います。
 総合的には良アニメと言えた・・・かな?
 まあなんにせよ、スタッフの皆さんお疲れ様でした!!
 いずれ時間に余裕が出来たら、中断していた感想記事もちゃんと書き上げたいな・・・。

 そして。
 アニメ終了と同時に。

 原作担当さんが交代だとーーー!!!???

 正直こっちの方がよっぽどショックでしたよ!!
 うわーーーん!!中路さーん!!
 『ソーマ』をここまで成長させてくださったこと、心から感謝しております!!
 これまで約3年間、本当にありがとうございました!!(><。)
 これからもジャンプを新たに支える作品を育てるお仕事、どうか頑張ってください・・・!





 週刊少年ジャンプ2015年44号掲載
 掲載順第3位
 第136話 【囚われの女王】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 異国の地で偶然出会った城一郎と堂島先輩。
 あらまあ☆
 城一郎はともかく、堂島先輩も外国にいたなんて。
 月饗祭時は遠月リゾートがフル稼働とあったので(第122話冒頭参照)、観光部門のトップである堂島先輩は当然国内で先頭に立って働いていると思ってましたよ。
 ・・・薊がこのタイミングで変革を起こしたのも、堂島先輩が遠月を離れている今を狙ってのことだったのでしょうか・・・。

 飄々とした城一郎を叱責する堂島先輩。
 番外編の『別腹! #1』(単行本13巻収録)を読んだ時も思いましたが、この二人のやり取りって創真とタクミのやり取りとよく似てますよね(笑)。
 といっても聞く耳もたずな城一郎に対し、創真はちゃんと相手の話を聞く素直な子ですが。(^^)

 そんなやり取りの最中、堂島先輩に届く仙左衛門の失脚の報。
 「薊」という名に、眼を見開く二人。


 

はい、「薙切薊=中村薊」正式に解禁です。

 

 加えて追加情報も。
 当時の第一席が堂島先輩で、第二席が城一郎。そして薊が第三席だったわけですが、薊が城一郎らと同い年だったらちょっと強者感が弱いな~と思ってたんですよね。
 なので、薊は城一郎らより一つ年下かな、と予想していたのでした。
 ところがどっこい、附田先生は更に強者感をはっきり付けてくださいましたよ。
 なんと薊は二人より二つ年下。
 つまり、高等部1年生で十傑第三席という座に就いていたという事実が判明します。
 凄いですね・・・!!
 今の世代の十傑はおろか、えりなでさえまだ十席という末席だというのに。
 ・・・ということは、近いうちに薊は策略的にえりなと現三席の女木島冬輔を食戟させて、えりなを第三席にのし上げさせるかも・・・。(丁度女木島は薊を支持していない十傑ですし、失脚の狙いも兼ねて)





 一方、話があるということで外に出た創真と仙左衛門はというと―――。
 ランニングしてました(苦笑)。
 堂島先輩とは裸の付き合いで、仙左衛門とは鍛錬の付き合いですか、なるほど。(←)
 確かに何事にも体力は大事だけど、無理はしない程度にね、お爺さん。


 で、気になっていた仙左衛門と城一郎の関係はというと・・・。

 教えてくれないのかよ!!!


 なんだよもう!!
 それを一番の楽しみにシルバーウィークを挟んだこの9日間を乗り切ったのに!!
 連休を楽しむ世間を横目に、それだけを心の支えにしてお仕事頑張ったのに!!(←大袈裟&どうでもいい話)
 あ~~~・・・肩すかし。
 展開的には出し惜しみ一切無しだけど、やはり城一郎(ひいては創真)に関することは滅茶苦茶焦らしてくださいますね~附田先生・・・。



 そういうわけで、えりなの事を話し始める仙左衛門。
 えりなは、かつてはよく笑う子だったと―――





 以前、第33話の冒頭にてちょっとだけ語られていた、えりなとアリスの4歳時の過去エピソードが再起用。
 あの時は、誕生祝に折角作ってあげたケーキを不味いと言われたと語っていたアリス。
 確かにえりなは当時から料理に対して容赦の無い感想を言う子でした。
 しかしながら、作り手の気持ちをちゃんと汲んでくれる子でもあったという。
 ここのえりな、アリスを初めて「お嬢」と呼んだ時の黒木場と似てますね(第98話)。
 某赤髪少年と同様に、アリスもツンデレタイプと相性が良いようです(笑)。

 そんな風にケンカしつつも仲良く笑い合えたえりなとアリス。 
 でも5歳の頃にアリスは最新の調理技術を手に入れるため、北欧へ。

 そして時が流れ、えりなが6歳の頃、薊の「教育」が施されてしまう事に。
 薊の後をついて行くえりなめっちゃ可愛い。
 この笑顔がじきに失われてしまうと思うと・・・。





 ここからの「教育」シーン。



 連載開始以降過去最高に気分が悪くなりました。



 「美味しい」と思った料理ではなく、「正しい」味付けの料理を選ばせる薊。
 そしてあろうことか、「正しくない」料理は屑入れに捨てさせるという悪行を強要させます。

 

 

 

 

 

ふ ざ け る な

 

 

 

 

 

 食べ物を粗末に扱う事を教え込むなんて、料理人としてだけでなく、人としても最低行為です。

 分かってんのか?
 その料理一品が出来上がるまでにどれだけの時間と手間と思いが込められているのかを。
 生産者の方々が汗水流して、苦労と時間を費やして作った食材を。
 料理人が手間暇掛けて、試行錯誤と熟考の末に作り上げた品を。
 それらを独りよがりな判断で価値の無い物と決めつけ、侮蔑の果てに廃棄させてしまうなんて・・・!!





 怒りを抱きました。本気で。





 元々えりなは好きではないと公言している私ですが、初期のえりなは特に大嫌いでした。
 その大きな理由の一つだったのが、気に入らない料理を無下に扱うという酷過ぎる横暴さ。
 料理に携わる者として絶対に許せない所業でしたが、それを大の大人が、ましてや父親が教え込んでいたんだなんて・・・。
 しかも。
 父親(薊)の認めるもの以外は塵だ芥だ屑だと・・・。


 どうしよう、この先何があったとしても批判しそうな勢いで薊への嫌悪感が止まりません。


 どんだけ自分本位なんだという。
 真性の独裁者ですね。支配者ですね。
 最低です。





 「教育」を受けさせる前に、えりなにいい料理人になりたいか」と聞いていた薊。
 城一郎もえりなに言っていましたよね。「いい料理人になったら御馳走して貰いに来る」と。
 薊の言う「いい料理人」と、城一郎の言う「いい料理人」。
 それは非常に対照的な考えであることが今回を通して分かります。
 薊は、薊自身の独りよがりな価値観を強制的に植えつけた。
 それは「自分が認めた料理以外は塵」という、完全に自己中な考え。
 対して城一郎は安直に教えず、えりな自身が精進してそれを模索させるようにした。
 それは「他者の為に自分の全てを捧げた料理こそが尊い」という、他者への思い遣りを大切にする考え。
 完全に真逆の教育方針です。

 ・・・ひょっとしたら。
 こうも対照的だと、「いい料理人」に基づく考えの“原因”も一緒だったりして。
 城一郎は自分の大切な女性(妻)によっていい料理人になれたのに対し、薊は自分の妻(えりなの母)が原因で料理人としての考えが捻じれてしまった、という可能性もあるかも。
 仮にそうだったとしても、同情の余地は一切ありませんがね。





 そうして本来ならアリスと同様に、よく笑いよく怒りよく泣くような子に育っていたであろうえりなは、ほとんどの感情を消された冷徹で非情な「女王」になってしまった、というわけですか。

 こうして現在に至る、と。



 しかしながら薊は遠月を追放されても尚、海外で富裕層だけの活動を行なっていた模様。
 お。
 秋の選抜や月饗祭に続き、ここにもまた伏線が張られましたね。
 「世界進出」への。


 薊の「教育」という名の「洗脳」は根深かったものの、多くの者達の協力によってえりなは自分自身を少しずつ取り戻していったとのこと。
 レオノーラと背中合わせにいる人物は、きっとアリスの父親だと思います。
 薊が婿養子ということは、薙切の血を引いているのはえりなの母親の方。
 ということは、アリスの父はえりなの母の弟でしょうね。
 未だに名前は明かされていませんが、薙切の血を引く者として、そしてえりなの母を知る人物として、彼も中々重要な人物になりそうです。
 そしてもう一人の眼鏡の男性は景浦久尚かと。
 考えてみれば『食戟』という遠月学園の絶対権限を管理するという立場において、仙左衛門は信頼できる人物に任せるでしょうしね。
 一体景浦はどういった形でえりなを助けてくれたのでしょうか?(もし彼のスーツの柄と関係してたりしたらどうしよう/爆)
 そしてそんな面々の最奥にいるのが城一郎なわけですね。

 ですが、そんな多くの協力があっても尚、えりなの心は未だに薊という「鳥籠」から抜け出せていなかったのでした。



 ここで創真に向き直る仙左衛門。

 そして、頭を下げます。

 えりなを救ってやって欲しい、と。

 

 


 

 

 

 

 「頼む、えりなを救ってやってほしい」

 

 

 

 

・・・いいんですね?

 

 

 

 この仙左衛門の頼み。

 

 

 

 

私は「えりなを打ち負かしてほしい」と受け取りましたが。

 

 

 

 

 「鳥籠」の扉を開けたくらいじゃダメ。
 「鳥」がそこから外に出るとは限りません。
 「鳥籠」をブチ壊すぐらいのことをしないと。

 

 

 

 でもその前に、ひとつ聞きたい。

 どうして創真に頼むの?


 えりなと親しい人物ならば新戸やアリスが。
 実力的にならば葉山や他の十傑(一色先輩や女木島冬輔)など、頼める相手は他にもいる筈。
 なのに、何故。

 ・・・もし「創真が城一郎の息子だから」という理由だったなら、私は仙左衛門に軽い怒りを抱きますよ。

 創真が「創真」だからこそ、仙左衛門は頼んだと思いたいです。

 えりなとは全く真逆の価値観を持ち、彼女がこれまで知らなかった“世界”そのものだからこそ。
 相手の“壁”がどんなに分厚く高かろうが、いとも軽々とそれを飛び越えてしまうような人物だからこそ。
 どんなに強大な権力や強者を敵に回そうが、決して揺らがないからこそ。
 そして、相手に真っ向から相対しつつも、同時に真っ直ぐに向き合ってもくれるからこそ。
 仙左衛門は、創真を選んだのだと。 

 創真しか「えりなが囚われているもの」を壊せないと、仙左衛門は分かっているのでしょう。
 薊はあくまでえりなが囚われているものの象徴にすぎません。
 「特別」。
 「才能」。
 「上流階級」。
 生まれながらにそういったものを持たされ、それらが自分の“世界”であり“存在価値”そのものになってしまってこれまで生きてきたえりな。
 だからこそ、「特別な才能のある自分の判断こそが正義であり絶対」という考えが根源にある薊の「呪縛」が完全に解かれることは無かったわけです。
 その「呪縛」を完全に解いてえりなを救うには、えりながこれまで「絶対」としてきた価値観を真逆の方向から打ち砕くしかありません。
 それを成すことが出来るのが、「一般庶民」であり「天性の才能」も無く、「大衆料理」を武器とする料理人である創真しかいなかったのでしょうね。



 でもこれは、きっと荒療治。
 創真とえりな双方が今より更に悪化した事態に陥りかねない、一種の危険な賭けとも言えます。
 えりなが囚われていたもの。それはえりなを縛り付けるものであると同時に、ある意味でえりなを守るものでもありました。
 ずっと以前から危惧していた事ではありますが、それを壊されたらえりな自身さえも壊れてしまう危険性は充分にあります。

 そして危険なのは創真も。
 えりなが薊の手に落ちてしまった今、えりなと対立するという事は薊とも敵対するということ。
 ひいては十傑のほとんどを、遠月学園そのものを敵に回すことになってしまいます。
 そんなことになってしまったら、あの薊のこと。
 創真の料理人人生は勿論、創真の実家や仲間達まで叩き潰そうとしてくるかもしれません。


 下手したら、お互い全てを失ってしまうかもしれない。
 これはそういう頼み。


 この頼みがどれほど重いものかを重々承知しているからこそ、仙左衛門は薙切家の長としてでなく、ただ一人の祖父として、創真に頭を下げたのでしょう。







 ・・・さて。
 この仙左衛門の頼みを受け、創真がどうするかですが・・・。


 創真はきっと、この頼みを受けてくれるでしょうね。


 本当に創真は、相手の真摯な気持ちを真っ直ぐに受け止めてくれる子ですから。



 ただし。



 仙左衛門が考えるような手段ではえりなと対立しないことでしょう。




 恵の時も。
 タクミの時も。
 美作の時も。

 創真は常に相手を「料理人」として信用し、その上で本当に真っ直ぐに誠実に向き合ってきました。

 えりなに対しても、えりなの料理人としての実力はとうに認めていることでしょう。
 ただ認めていないのは、その排他的で局所的な考え方だけ。

 だから・・・。

 私の考えとしては、創真はえりなと相対しつつも、これまでと変わらずに不躾に、真っ直ぐに、温かく、己の姿を通してえりなが囚われている「鳥籠」を少しずつ解体してくれると思います。
 えりなが自分から「一歩」を踏み出せる勇気が出せるように。
 短絡的で力任せな方法は取らず、本当に創真は長い目で向き合ってくれる子ですから・・・。(^^)


 もっとも、薊の「改革」によって創真の仲間達が窮地に立たされたりしたら、創真はそれこそ真正面からぶつかってくるでしょうがね。


 恵の時や葉山、そして新戸の時に垣間見せていたように、創真は相手が自分の心を偽ることを良しとしない子です。
 
きっと創真はえりなの心を解放させようとしてくれることでしょう。


 
 果たして次回、創真はどんな判断を下し、どんな言葉を口にするのか。

 期待しています。

 

 



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