『ワールドトリガー』がアニメ化決定となりましたね~。
葦原先生、おめでとうございます!!(^^)
「新鮮力キャンペーン」で『ソーマ』と一緒にアピールしていたのがなんだか懐かしく思えちゃいます。
でも確かに『ワールドトリガー』は非常にアニメ化しやすい作品ですものね。
純粋なバトル物な分、初見者の興味も引きやすいですし、何より死者が多発しない優しい作品ですから。
それに対し、『ソーマ』は芯は非常に王道なバトル物ではあるのですが、「料理」という一見興味を引きにくいジャンルですし、なにより「あのリアクション」という大問題がありますからねえ~~~。(^^;A)
「あのリアクション」も『ソーマ』という作品の大きな特徴の一つである以上、都合よく変えるわけにもいきませんし。
とりあえず、『ワールドトリガー』が原作の持ち味がちゃんと活かされたアニメになってくれるよう、期待ですね。
では今週の『ソーマ』感想にいってみましょう!
週刊少年ジャンプ2014年26号掲載
掲載順第1位
第71話 【『勇気』と『覚悟』】
わーい!!今回の本誌掲載順が1位だー!!(\(>▽<)/)
そんな読者アンケートのトップを獲得した回は、第67話の【交錯する光と影】!!
創真の対戦相手がアリスと判明した、大番狂わせの第62話でさえ3位だったというのに!
でも、あの回は恵の対戦相手の判明以上に、あらゆる面で面白い描写が至る所に詰め込まれていましたからね。
アリスのノックアウト姿やら、創真と恵のほのぼのやり取りやら、日本の神秘やら。(何度読み返しても笑えてくる)
何より、この【交錯する光と影】というサブタイトルは
アリスと黒木場だけでなく、恵とえりな、そして創真と黒木場の関係性も示唆していましたし。
多くのキャラクターの注目すべき姿がこの一話の中に入っており、確かに読み応えのある回だったと思います。
それだけでなく、センターカラーや静止画MADの結果発表も関係していたかも。
単行本8巻がまだ発売されていないというのにも関わらず、単行本&小説版の売れ行きが累計320万部を突破というのも、静止画MADの効果とみていいのではないのでしょうか。
では本編の感想へと入りましょう。
扉絵は、第14話&単行本3巻表紙でお馴染みの、畑仕事姿な恵ちゃん。
やっぱりこの服装が一番彼女のキャラクター像が伝わりますね。
ホッと一息な彼女の表情に、こちらもつられて笑顔になります。(^^)
ですが、そんな穏やかな扉絵とは裏腹に、サブタイトルは【『勇気』と『覚悟』】というシリアスさ。
果たしてどんな内容なんだろう・・・とハラハラしながら読み始めました。
まさかあのような展開を目にするとは夢にも思わずに。
黒木場の強烈な「スープ・ド・ポワソンラーメン」が披露された前回。
そして今回はいよいよ恵のラーメンが披露されることに。
出された恵のラーメンは、トッピングは野菜のみで、見かけ的には取り立てて目を引く物ではありませんでした。(そして気になっていた麺は細めのストレート麺。しかし全く取り上げられず★)
確かに淡麗スープは美しくも、黒木場のラーメンと比べるとどうしても見劣りしてしまう感は否めません。
なんかここの展開、貞塚のくさやカレーの後に新戸の薬膳カレーが出された流れと似ていますね。
あの時は新戸が貞塚の料理を圧倒しましたが、果たして今回は・・・?
なにはともあれ、いざ実食。
まずはスープから・・・。
が、一口飲んだ途端、勢いよく食べ始めます!
淡麗であっさりした見かけとは裏腹に、そのラーメンは強烈な旨味を持っていました!
その味に、「ある料理」を思い出す審査員。
その料理とは、「こづゆ」。
・・・!!
な・る・ほ・ど!!
私の地方にも同じような料理がありますよ!!
うわ・・・これは同じ東北人として予想しておくべきだったなあ~!不覚!!
そんな「こづゆ」を基本とした恵のラーメンは、「こづゆ鶏醤油ラーメン」!!
タレ(かえし)に使った醤油も、薄口醤油に白醤油を合わせた物とのこと。
どちらも色が薄い醤油なため、透き通るようなスープになったというわけですね。
さすがは麹使いのスペシャリスト榊さん、白醤油の解説ありがとう。
そしてスープの強烈な旨味にはさらに秘密が。
その旨味の決め手は、干し野菜からの出汁!!
恵はトッピングの野菜のほとんどを、干して乾燥させた物を使用するという工夫を施していたのでした。
そして今度は「味の物知り博士」な丸井君、解説ありがとう。
四宮戦でのテリーヌにも乾燥野菜(ドライトマト)が用いられていたことを思い出して、笑む創真。
確かに「熟成の旨味」は、恵の得意分野ですものね!!
しかも工夫は他にも。
なにやらペースト状の物も添えられており、酸味のあるそれを加えることによって、味がさらに引き締まるという効果が!
そのペーストは、白湯スープを作る際に使用した鶏ガラの肉と白髪葱、紫蘇、そして梅干を混ぜ合わせて調味したものでした。
味に変化を持たせ、飽きずに食べてもらえるようにという恵の配慮から生まれたものでしたが、審査員の評価は上々。
酸味を加えることによって、野菜の甘みが更に引き立つという効果も付随していたのです。
おお!?酸味による野菜の甘みの引き立ち・・・これも四宮編(第21話)で用いられた工夫ですよ!
う~む。今回は北条の協力は全くありませんでしたが、四宮編での工夫が結構用いられていますね~。
審査員の反応のあまりの良さに、黒木場も恵のラーメンを食わせろと脅迫(笑)。
食べてみた黒木場は、恵が自分が濃厚系ラーメンで来ると分かったうえで、淡麗ながらも“強い”ラーメンをぶつけてきたことに気付きます。
「面白れぇじゃねーかよ・・・!!」
目が血走っとる血走っとる(滝汗)。
黒木場に旨味のガチンコ勝負を挑んできた恵。
ここで前回のセンターカラーの恵が再登場。
あ。なるほど。
前回のセンターカラーは、今回のための伏線だったのね☆
ですが、イメージバトルはこれだけでは終わりません。
そして黒木場も、自分の力を示さんとばかりに恵に自分のラーメンを差し出します。
食べ比べという、まさに実質伴ったガチンコ勝負に。
黒木場のラーメンの凄い美味しさに、恵は腰が抜けそうになるものの「負けたくない・・・!」と必死に耐えます。
おお・・・恵がここまで対抗意識を張るとは・・・。
それほどまでに仲間や友達を侮辱されたことが許せなかったのですね。
恵と黒木場、両者がそれぞれの品に込めた精神力は、具現化され激戦に―――
いいのかな~・・・。
3ページも使って。
あまりのインパクトに、ツッコミを入れるのも忘れちまいましたよ。
こういう時、画力の高さってある意味で諸刃の剣だと思う。
いざ判定となり、筆を取る仙左衛門。
果たして軍配はどちらに挙がるのでしょうか。
一見すれば「おはだけ」になっていないため、黒木場が勝利とも取れるのですが、仙左衛門は恵のラーメンをスープまで完食しているのですよね。
「スープまで全て飲み干せてこそ真に美味しいラーメン」という考えが述べられるならば。
そして、黒木場のラーメンのスープが残されていたならば。
恵の勝利の可能性もあり得るでしょう。(実際濃厚系スープは、特にお年寄りには全て飲み干すのはキツそうですし)
・・・時間差で「おはだけ」になるなんていうオチも、仙左衛門ならあり得そうだし(爆)。
しっかり読めば読むほど、「もしや・・・?」と思わせる“抜け道”的描写がさり気なく入っているところに、この作品の一筋縄ではいかない巧妙さがありますよね。
そんなところを私はとても楽しんで読ませて頂いてますが♪
前回に引き続き。
やっちゃいましたね附田&佐伯先生。
前回の感想で第59話ぐらいにブッ飛んだ描写だなあ、的なことを述べましたが、それすらも超えちゃった★
今回の「あのシーン」は、大爆笑か唖然茫然かの二択に分かれると思うの。
そういう私の反応はというと、コレ(↓)。
・・・・・。(‐□‐ ;)
はい、後者です。
ま、今回のパロディネタの爆弾性は附田&佐伯先生も充分承知の上でのことでしょう。
佐伯先生なんて本誌の巻末コメントでちゃっかり弁明しちゃってますし(笑)。
ヤバいと理解していながらも実行に移しちゃう(しかも全力で)附田先生と佐伯先生。
そんなお二人が大好きです。
これまで「心遣い(ホスピタリティ)」を最大の持ち味にしてきた恵が今回繰り出してきた料理は、意外にも「強さ」を前面に押し出した料理でした。
確かに恵は第68話でどんなラーメンを作るか考えていた時、黒木場の濃厚ラーメンに負けないような強い味で挑もうかと考えていましたけど。
その時は、それは恵らしくないのでは・・・と感じましたが、その「強い味」を彼女お得意の手法(地元の食材の使用や、郷土料理をベースにした工夫、乾物野菜の旨味の利用)で作り出したというやり方は非常に上手いと思いました。
それに、審査員が多幸感を抱いたり、飽きの来ないようにと味を変える付け合せを準備していたりと、持ち前の「心遣い」は変わらず発揮されていましたし。
一見シンプルながらも、美しいスープと強い味。
そんなラーメンを作った料理人もまた、一見気弱そうで大したことなさそうに見えながら、内面は美しく芯が強い。
そんな理想のヒロイン像にぐんぐん成長しているといった感じの恵。
VS黒木場戦が始まった最初から凛とした表情を見せていましたが、もう彼女の成長には目を見張るばかりですね。
さて、「スープ」という媒体を通して実に見事に表現されていた恵と黒木場双方の「強さの形」。
恵がこれほど敵意丸出しの相手と、真っ向勝負を挑めるまでに強くなったこと。
そして仲間を侮辱した黒木場だけには負けたくないという対抗心が描かれていたのは大変良かったと思うのですが、その表現が個人的にはう~ん・・・でした。
あ、パロディネタは関係無しで。
いま一つ上手く言えませんが、拳をぶつけ合うようなバトル描写は黒木場はともかく恵には似合わないと思います。
ですが、考え方を変えてみれば、「女王」というイメージが固定されてしまっているえりなと違って、恵も創真と同様に状況や相手によって柔軟にイメージを変えていくという表現に附田&佐伯先生はチャレンジしているのかもしれませんね。
創真が常に「挑戦」しているように、両先生も「挑戦」しているのでしょう。(^^)
次回へと持ち越しとなった注目の勝者発表。
描写的には絶妙にどちらが勝つか分からないようにさせていますが、やはり私は引き続き、勝者は黒木場という予想を通そうかと。
前回の感想でも述べましたが、相手が黒木場だからこそ、その敗北は恵に必要なものになると思いますし、それに・・・。
まだ、創真が黒木場の料理の何に気付いたのかが明かされていませんし。
多分創真が気付いた点が、黒木場勝利の決定打になるのではないかと思います。
勝敗はともかくとして、とにかく願うのはこれのみです。
どうか黒木場が恵に「余計な事」を言いませんように・・・!!!(><;)