利尻山(1,721m) (つづき)
第一見晴台から8合目の長官山までは、急坂は多いものの、ペースを守りさえすれば、歩きやすい道でした。朝8時を過ぎてようやく身体もシャキッとしてきました。
鴛泊を8:30に出る稚内行きフェリーの始発便、次いで稚内から来た8:55着のフェリーの汽笛が聞こえてきました。歩きながらにして島の時間の流れが分かる登山道です。
標高1,218mの8合目「長官山」から、ようやく今日のゴール・利尻山が見渡せました。しかし、山頂は雲に隠れています。
当時の北海道庁長官、佐上信一氏の登頂記念碑が建っています。表面の「利尻」、裏面の「昭和八年六月」は分かったものの、判読できない文字も多かったです。冬の雪と強烈な風に幾度もさらされ耐えてきた記念碑です。
8合目から頂上までは500mほど、ここから筑波山を登ると思えばいい標高差ですが、ゴールに近づけば近づくほど坂は急になりました。高山植物も一気に増えました。利尻島の8月は、平地の花はほとんど終わりですが、山の花は一番いい時期だと言われました。見たことのない花も多かったです。
リシリヒナゲシ。名前の通り利尻の固有種です。
昨日サイクリングの途中、沓形の町の交差点でほとんど同じ花を見ました。
平地に咲いているのは、見た目はリシリヒナゲシそっくりでも、遺伝子は異なる「栽培ヒナゲシ」だそうです。栽培ヒナゲシの苗や種は利尻山へは絶対に持ち込まないようにと注意書きがありました。
こちらは栽培ヒナゲシの方です。
リシリブシ。トリカブトの利尻版です。
イワベンケイ。
他にも、ウメバチソウやオニユリ、ナデシコなど見つけることができました。これらは本州の山でも見られる花ですが、もしかするとチシマ~~やエゾ~~のように、北海道の固有種かもしれません。自分にはそこまで見分けることはできません。
(登頂:2017年8月上旬) (つづく)