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新刊案内『弦と響』 音楽は実際の会場へ行き、体感しましょう♪

2011年07月11日 | Weblog

たまたま時間があったので、本屋で本を眺めていたら、新刊『弦と響』が手に吸い寄せられた。作者は小池昌代さんで、ご自身もビオラを演奏されるかたです。

中身をみて、これは読もうと思った。
残念ながら、作者の小池昌代さんは存じ上げなかった。詩人、作家であり、ビオラを演奏され、本の内容からも音楽への造詣の深さも感じた。



丁度7月17日のコンサートでチケットが出来上がってきた時期だったので、
本の中のチケット販売の記載が特に目にとまった。

四重奏は、学生時代は究極の音楽だけど、まだまだそれ以前に聴く曲がやまほどあるという感じであった。

話を本の内容に戻そう。

手にとって、目に飛び込んだ箇所はこのようであった。
抜粋すると
「今回も、出かける先々でチラシを配ったり、・・・とがんばった。さすがにこれ以上は、無理だと思ったとき、まだ手元には、分厚いチラシの束がいくつもあった。それはわたしたちが、体力をなくした証拠品のようでもあった、忸怩たる思いがした。
(略)
もはやクラシックのコンサートを、当然のように聞く時代ではないのかもしれない。その調べは美しい。しかしその響きを聴きに、自らの身体を運ぶことは大変なことだ。」
『弦と響』第7-8頁参照。

小池さんの文章は短く簡潔ですが、短さゆえに凝縮されております。

実際、17日のコンサートの束はやはり、沢山我が家のピアノの上にあります。
霞ヶ関ビルのオフィスのスタッフの方々にもチラシを配りましたし、チラシのおかげで沢山の方々はおみえになるみたいですが、やはり当日会場にお客様がおいでになるまでは、不安です。

音楽の世界は、蓄音機、レコードプレーヤー、テープレコーダ、カセットレコーダ、マイクロディスクレコーダ、そしてアイポッドに代表される音楽プレーヤーと変遷をとげている。
もはや、演奏会へ聴きにいく、演奏家にとっては音楽会へ来ていただくということは、作者がいうように、大変なこととなっている。

そして、映像であれば、TVからLD、DVDと映像と音が鮮明になり、大型のモニタでみれば臨場感も得られる時代になりました。

でも、生の音楽での感動はやはり、その会場で体験することしかないと思います。
病気とか事情がある場合はともかく、可能であれば、実際に生の音を体感していただきたいと切に願っている今日この頃です。

若い音楽家は聴衆によって、育っていくのです。

その昔、1985年の日本音楽コンクールで優勝したバイオリニストの戸田弥生さんも、駒場の小さい喫茶店「カフェアンサンブル」の演奏会で演奏したあとで、「世界がだめなら、郷里の学校の先生かな?」とつぶやいていたので、「皆が応援しているから、絶対大丈夫だよ。」と語ったことを思いだします。
その後、上野の文化会館での初リサイタルもファンのおじさん達は一生懸命に応援にかけつけたものでした。

当然ながら、戸田弥生さんのその後の努力の賜物で、「1993年、エリザベート王妃国際コンクールで第1位を受賞」という栄冠を勝ち取りますが、駒場のような小さな会場での演奏の一つ一つの積み重ねと、それを応援するファンがあってのことだと思います。

演奏家は聴衆があってこそ、その実力がいかんなく発揮されます。
やはり、音楽は生で体感しましょう。










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