黄紙に注意! 鳶ブログ

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常盤木学園高校 VS JFAアカデミー福島 第1ラウンド

2011-05-15 19:35:33 | 女子サッカー
プレナスチャレンジリーグ 第5節 2011年5月15日 11:00K.O
宮城県・宮城県サッカー場Aグラウンド (300人)晴 風強し 芝ボコボコ(地震の影響でところにより傾斜有) 主審 鮎貝志保

常盤木学園高校 4-1(1-1、3-0) JFAアカデミー福島

20分 増矢理花(JFA)、37分 京川舞(常)、67分 道上彩花(常)、80分 仲田歩夢(常)、84分 道上彩花(常)


[常盤木学園高校]

-------林崎-------
--高村---鈴木---阿部--
------小須田-------
伊藤--大島----松浦--仲田
-----京川--道上----

SUB:GK河邊、DF小野寺、DF平田、FW堀井、MF佐々木
監督:阿部由晴

74分 伊藤→堀井
88分 小須田→平田
90+2分 仲田→佐々木



[JFAアカデミー福島]

-----成宮--増矢-----
-川島----------小島-
-----田中--和田-----
-守屋--三宅--田口--若林-
-------井上-------

SUB:MF吉武、MF乗松、MF門井、MF水谷、DF森
監督:沖山雅彦

67分 小島→森
72分 成宮→乗松
77分 増矢→門井
84分 和田→吉武
90分 乗松→水谷



ユース世代の大会には参戦しないJFAアカデミー福島。
対する常盤木学園高校は高体連に加盟し、全日本高校選手権や全日本ユース(U-18)選手権に出場する強豪チーム。
同じユース世代のチームであっても、2年前までは全日本女子サッカー選手権の東北予選あるいは本戦で対戦することしか公式戦で戦うことはなかった。

JFAはチャレンジリーグという新しいカテゴリーを創設し、ユース世代であっても参戦可能とすることでこの東北で活動する2チームの対戦を可能にした。(原発事故の影響によりJFAアカデミー福島は静岡県に活動場所の移転したが)
なでしこリーグというトップリーグとは別概念の育成リーグを直轄で持つことによって、ユース世代のリーグ戦を実現したと考えてよいのではないだろうか。
(男子でいう高円宮杯の亜種みたいなものかな)

この両チームはどちらも準加盟登録していないので、順位はあまり関係ない。
ただ、目の前のチームに勝っていくことを考えるだけである。(ラグビーの対抗戦グループみたいな考え方だね)
3位以内に入ったって名誉以外は与えられない。

福岡J・アンクラスの試合会場でクラブスタッフとして選手の父母が活動していたのでちょっと不思議な感じがしたが、JFAアカデミー福島の選手の父母も社団法人日本女子サッカーリーグの理事だったりするので、まあ、リーグ自体が内輪といえば内輪なんだよな、と思ったりもした。

ピッチが地震の影響で波打っていたり、芝生が剥げていたりして、ベストなコンディションとは言いがたいが、この日の試合は被災地でやるということに意義があるので、その状況を把握して戦うべきだと思う。
(観客席もコンクリートが割れていたりしたがしょうがないね、大きな地震があったんだから)


一番気になったのは、いつも思うのだけど、JFAアカデミー福島の沖山雅彦監督がピッチの際でずっと試合の始めから終りまで選手達に大声で細かなポジショニングや攻守のやり方を指示していたこと。
まあ、言っていることは教科書通りで正しいのだけど、そういうことは練習の時に言っておくべきで、試合は選手の判断に任せたら良いのにな、なんてことは思った。
チームのやり方だろうから、選手はそういう方法で指導されているので、違和感はないのだろうけど。

逆に常盤木学園高校の阿部由晴監督は肝心なところではポジショニングに対して指示をするけれど、他は選手に任せている様子。
選手達が状況に応じて判断しているのはよくわかる。

今度、改めて書くが、卒業後になでしこリーグで選手をしているのが、JFAアカデミー福島と常盤木学園高校ではあまりには数に差があるのは、根本的に指導方法の差からくるのではないかと思ったりもする。

正直、常盤木学園高校の方がサッカーの筆記試験をやったら点数は低いかな。
JFAアカデミー福島の選手はマルチにいろいろな技術を持ち、判断もできるが、常盤木学園高校の選手は苦手なことと得意なことがはっきりしている。
平均値はJFAアカデミー福島の方が高いが、瞬間値は常盤木学園高校の方が高いイメージだ。

もちろん、中学生と高校生の体力的な差が大きいことも確かだ。
この試合で使っているピッチの幅がなでしこリーグの試合に比べるとかなり狭い。
サイドチェンジをしようにも筋力が弱すぎて大きなサイドチェンジができないんだろうな。
その点、なでしこリーグで戦っている、日テレ・ベレーザや浦和レッズの高校生、先日対戦した福岡の楢本なんかはピッチを大きく使える筋力があったと思う。
その使えるピッチの幅の差が高校生と中学生の差なのかな、とも思ったし、なでしこリーグとの差なんだろうなとも思った。

この荒れた芝でJFAアカデミー福島は監督の指示通り、相手の嫌がる空いたスペースへボールへ入り込んで繋いで繋いで前進していく。
常盤木学園高校の選手はピッチの芝の状況に合わせて、ボールを蹴りこんだり、パスに切り替えたり、自己判断している。が、なかなか上手くいかない。

常盤木学園高校は、特に仲田・京川・道上なんかがそうだったのだけど、一発で吹っ飛ばしていく。JFAアカデミー福島の選手が耐えられない。

前半は、常盤木学園高校の松浦の守備位置が小須田の位置まで下がらされてしまって、空いた中のスペースへ入られて失点してしまう。

その後、修正した常盤木学園高校は1点ビハインドながら慌てることなく、松浦のスルーパスを受けて京川が同点。
前半の様子を見る限り、常盤木学園高校に負ける要素は見出せないのだが、さりとて、勝ちきれるかどうかはわからない。

後半に入ると、JFAアカデミー福島の体力がガクッと落ちて、常盤木学園高校のワンサイドゲームに。
前半あまり活躍していなかった道上が後半に入ってがぜん動きがよくなり、2ゴール。
仲田も上手く詰めて1ゴールで完勝。

まあ、実際に試合を観た人なら一様に、常盤木の右サイドの伊藤が凄く活き活きとしてよかったと思うはず。
個人的にはこの試合は、松浦が上手くゲームを作ったなという感想なのだけど、伊藤のハツラツとした元気一杯のプレーが大変印象的だった。
こういう選手がいるとサッカーがとても楽しくなるよね。たぶん、サッカー理論の筆記試験をしたら不合格かもしれないけれど。相手が読めないプレーをするのもそれはそれで必要なことではないかと。


JFAアカデミー福島の選手は来年おそらく大学へ進学して、その中にはサッカーを続ける人もいるだろう。
大学サッカー界に教科書としてのプレーヤーが増えることは、大きな意味で裾野を広げるという設立の趣旨に合致するのかな。
それにしても、気になるのは、JFAアカデミー福島の選手は田口は別としても、全体的に小さいな。
親の身体データも参考にしていると聞いたけど、それにしても大半が大柄の選手になれなかったね。どうしてだろう。


常盤木学園高校の仲田歩夢のプレーを久しぶりに見たけど切れが悪い。自分で自分の身体を正確にコントロールできていない感じだ。アスリートとしてはまずい状態だね。
まだ、怪我からの回復が万全ではないのだろうな。体幹が弱くなったような気がするし、絞れていないとも思う。
たぶん、なでしこリーグのトレーナーだったら、試合出場させないんじゃないだろうか。
まあ、練習場が満足に使えない状況なので、試合を練習代わりにしていくというのは選択肢としてはありだとは思うが。
チャレンジリーグだから許されるのだろうな。

可哀想なんだけど、寮生活で専用練習場というアドバンテージがないので、この時期にしてはお互いに準備不足としか言えないチーム状況だと思った。
夏までにとにかく試合をこなしてチーム作りをしていくしかないね。

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