黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

2011プレナスなでしこリーグ6戦目 対岡山戦「未熟」

2011-06-11 18:00:54 | アルビレディース
プレナスなでしこリーグ 第1節 2011年06月11日 12:00K.O
岡山県・美作ラグビー・サッカー場(794人)曇 風無 芝水含み 主審 佐伯彰宣

アルビレックス新潟レディース 2-2(1-1、1-1) 岡山湯郷Belle

4分 失点、12分 上尾野辺めぐみ、69分 阪口夢穂、90+2分 失点


[岡山湯郷Belle]

-------福元-------↓
-柳井-津波古--秋葉--加戸-
-------高橋-------
-保坂----宮間----中野-
-----松岡--有町-----

SUB:GK池ヶ谷、DF安田、MF中川千、MF田畑、FW中川理
監督:種田佳織

57分 保坂→中川千
71分 有町→中川理


[アルビレックス新潟レディース]

-------菅澤-------
-阪口-上尾野辺-上辻--佐伯-
-------川村-------
-山本--上田--北原--小原-
-------大友-------↑

SUB:GK諏訪、MF中村早、MF斎藤、FW大石、FW口木
監督:奥山達之

67分 佐伯→斎藤
77分 菅澤→大石
90分 阪口→中村早



これまで岡山湯郷との戦いは常に天候不順。
特に美作ラグビー・サッカー場の思い出は雨のイメージしかない。
今年は当初4月初旬の開催予定だったためにようやく「晴れの国」のイメージ通りになると喜んだのだが、残念ながら予定変更で梅雨の真っ盛りに。
天気予報は当然のごとく「雨」。
だが、当方共から「雨女」の疑いを掛けられていた本田前監督がアメリカへ遠征しているという情報を受け一抹の希望を抱く。
そのおかげかどうか、小雨から曇り、試合中には日差しも出てくるめちゃくちゃ暑い美作ラグビーサッカー場になった。

さて、美作市運動公園内では男子の高校サッカーの予選とか、新体操の大会とかもあって、駐車場は激混み状態。
有料試合となった一戦に出足は鈍かったものの、土曜日の昼間という時間帯にも関わらず最終的には700人を超す観客が集まった。

アルビレックス新潟レディースが初めて日本女子サッカーリーグの試合を行なった記念の地・美作市ラグビー・サッカー場、定刻12:00、佐伯彰宣主審の手が上がってK.O.

試合は早々に動く。試合開始3分ほど、カウンターを食らってゴール正面に突っ込んできた岡山湯郷の選手に対しファール。
ちょっとそのプレーでファールは辛いなぁと思いつつも、日本で一番優秀なフリーキッカーのいるチームに対して一番やってはいけないことを、一番やってはいけない場所でやってしまった。
試合開始早々にアルビに隙があった言わざる得ない。

女子としてはかなり高い壁になるアルビの選手達をあざ笑うかのように、宮間は緩いボールで軽くシュート。
いきなり先制を許す。
まあ、あの位置から撃たれてはしょうがない。

切り替えて、その後はアルビペースで試合は進む。
特にこの日前半のヒロインは右SHに入った佐伯彩選手。
ボールを持った瞬間、鋭いドリブルでガンガンに前方へ押し進んでいく。
「佐伯彩祭」と化した右サイド。
右SB小原由梨愛選手のオーバーラップも伴いアルビは完全に右サイドを制圧。
急造SBの加戸由佳が守り切れるわけもなく、11分に警告を受けるなど、ファールで止めるのが精一杯。
完全にノックアウト寸前の加戸由佳を狙って容赦ない攻撃が加えられる。

そしてその右サイドでファールを貰い、今度はアルビのFK。
上尾野辺めぐみ・阪口夢穂・上辻佑実3選手が一度ボールに集まり、阪口夢穂選手がゴール前へ。
残るは上尾野辺めぐみ・上辻佑実2選手。
上辻選手のフェークの後に上尾野辺めぐみ選手の鋭い弾道がゴールネットを揺らしすかさず同点に。
「FKにはFKを」見応えのあるFKの応酬。お金を払っても観たいプレーっていうのはこういうことなんだろう。

さて、その後もほぼアルビボールで岡山湯郷がカウンターを狙う形で試合は動く。
優勢に試合は進めるものの前半はそのまま終了。
最後の15分間で1点でも取れるほぼ試合は決まったと思われるが、岡山湯郷もしっかり自陣に引いて守り、前線に残した松岡・有町へ希望を繋ぐ。


HT終了後、交代は無し。湿度が高く蒸し暑いピッチ上は選手の体力を奪うに十分だ。

後半、途中までアルビペースで進む。
後半12分、さすがに体力が落ちてきた右SHの保坂に代え俊足の中川千尋を投入。
これで放り込まれて裏に抜けられるのがいつものバターン。大原学園時代からのライバルにはだいぶ痛い目にあっている。
これで岡山湯郷が息を吹き返す。

アルビも前半から大立ち回りを演じ大活躍の佐伯彩選手がペースダウン。後半22分、斎藤友里選手に交代。そのまま右SHに入る。

たぶん、ここがこの試合のポイントだったのではないかと思われる。

結果的にその2分後にその斎藤友里選手から右サイドへ移動してきた川村選手へパスし、大きく反対方向へ蹴りこんだクロスボールを阪口夢穂選手が押し込んで逆転。
形としても、流れとしても、素晴らしい逆転劇になった。

逆転され、岡山湯郷は有町を中川理恵に交代。完全に前線への放り込み体制を固める。

こうなるとアルビボールで進んでいった試合が徐々に岡山湯郷ペースになって、怪しくなり始める。

菅澤優衣香選手が良いチャンスを決め切れなかったところで、後半32分、菅澤優衣香選手に代え大石沙弥香選手をそのまま投入。
今回は大石沙弥香選手の4-1-4-1。
結果的にはこれが余り機能せず。前線で収めきれない感じで、そのままボールを奪われ後へ放り込まれる。

これまで良い感じで来たと思ったけど、でも、最初に斎藤友里選手を投入してしまったので、菅澤優衣香・大石沙弥香の2トップに出来なったのかな。
上辻佑実選手か阪口夢穂選手を下げないといけなくなるわけで。
それぞれの選手の出来を考えると下げることは難しく、結果的に大石沙弥香選手の1トップになってしまったが、後から考えると、お互いに放り込みになるのならターゲットが2枚あった方が両サイドのスペースへ逃げれる分、時間を稼げたのだろうなと思った。

が、その時点では、それまで優勢に試合を進めて、あと10分くらいになっているわけだから、4-1-4-1でもいけるだろうと思った。

この日の上田絵未・北原佳奈の両CBはこの時点までは最高の出来で、特に広島県出身でほとんどご当地選手枠の上田絵未選手は自信を持って対処していたし、北原佳奈選手も鋭い出足でピンチの芽を摘んでいた。
後半10分、放り込んでくる岡山湯郷にこの2選手がボールを持つことが多くなってくる。

ベンチ前で奥山達之監督が大声で指示しているが、全然ピッチ上の選手は反応せず。
高いライン取りをする岡山湯郷の裏のスペースへ出して、そこで攻撃陣がキープに入りたいのだが、返すボールが悉くショート。宮間と高橋の前へ吸い込まれていく。

まあ、ここで勝ち方を知っているチームあるいは試合経験を積んだ選手のいるチームだったら、相手に合わせて蹴り合いなんてことはせずに、ボールを回してじっくりマイボールで時間を稼ぐのだろうけど、何とポンポンポンポン蹴り合いに挑んでしまう。

結局、中途半端なクリアボールを宮間に拾われて、ゴール前で張る松岡へ蹴りこまれ、そのままシュート。
カキーンという音と共に跳ね返ったところをパワープレー気味に上がっていた加戸に触れられてアディショナルタイムの同点ゴール。

ほとんど時間もなくタイムアップ。




マスコミ的には加戸は同点ゴールの立役者になるのだろうけど、試合の流れ的にはほとんど良いところがなかったし、そのノックアウト寸前の選手を仕留められなかったアルビが甘かった。

上田絵未・北原佳奈両CBはDFとして2失点は反省すべき。さすがに3点取らないと勝てない状況になると厳しい。
まあ、75分は非常に良かったとは思うので、また入江徹コーチと勉強をして、勝ち試合にするにはどうすべきかと習得してもらえるとありがたい。
「未熟であるということはまだのりしろがたくさんあるということで。」
よく片桐さんが言っていた言葉だが、この試合を観て久々に思い出した。

美作ラグビー・サッカー場で初めて取った勝ち点という試合であるが、また、種田佳織監督に初めて勝ち点を奪われてしまった試合でもあった。
同じ北信越のライバルであった大原学園OGの津波古・中野・有町・中川千尋は本当にアルビ戦になると必死になる気がする。

兵庫県の隣の県での開催ということで、田崎真珠の元部員が子連れで会場に訪れていた。
こういうのは華やかで女子スポーツは良いなと思うだが、残念ながらアルビにはまだ無い風景である。
創設10年ではまだ無理かな。


一見勝てそうな試合だった印象だが、やはり冷静に考えると最後の15分はゲームコントロールできていない不細工な試合だったので、勝ち切る為には準備不足だったとも感じた試合だった。
練習時間がもうちょっとあれば、もうちょっとチームとしてのアドバンテージを持てそうなんだが。

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