黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

2011プレナスなでしこリーグ開幕戦 対ベレーザ戦「なでしこリーグ初出場」

2011-04-29 23:29:30 | アルビレディース

横浜ベースターズの2軍が平塚球場で公式戦を開催していた。
公園内でフリーマーケットも行なわれていたりして、臨時駐車場が開設されるぐらいの人手だった。


平塚競技場。たぶんクラブの概念からすると東京ヴェルディのホームゲームというにはちょっと多摩から離れ過ぎている。
どちらかというと神奈川県出身者が多いのはアルビレックス新潟の方だったりもする。
だが、たぶん、ホームというならこの日競技場を訪れていた東京電力の菅野監督が最もぴったりするイメージだ。
サッカーが盛んな静岡県には現在なでしこリーグのチームが存在しないので、静岡県民が観れる一番近い競技場である。


ついに立派な電光掲示板が設置された。だが、この日は使われなかった。


スタジアムに掲げられる半旗が日本で多くの人の命が失われたことを示している。


新潟はようやく桜の季節が過ぎようとしているのに、関東は初夏を思わせるような陽気だ。



プレナスなでしこリーグ 第5節 2011年04月29日 13:00K.O
神奈川県・平塚競技場 (350人)晴 風弱し 芝良 主審 大友一平

アルビレックス新潟レディース 0-1(0-1、0-0) 日テレ・ベレーザ


24分 失点



[日テレ・ベレーザ]

-------松林-------
-有吉-岩清水--村松--須藤-
-----豊田---原-----
-伊藤----------岩渕-
-----木龍--永里-----

SUB:GK曽山、DF小林海咲、MF小林弥、MF木下、FW田中
監督:野田朱美

77分 岩渕→小林弥

※それにしても随分メンバーが若返った。村松はなでしこリーグ初出場だと思う。



[アルビレックス新潟レディース]

----- 平井--菅澤-----
-阪口---上尾野辺---佐伯-
-------川村-------
-山本--東山--北原--小原-
-------大友-------

SUB:GK諏訪、DF山崎、MF中村早、MF堀、FW口木
監督:奥山達之

71分 平井→堀


いきなり大卒ルーキーCFW平井咲奈選手とCB北原佳奈選手が初出場初先発。
鳴り物入りで入団してきた北原選手はともかく、全国的にほぼ無名の平井選手の起用には驚かされた。
さらに同じく大卒ルーキー堀良江選手もベンチ入り。
春先に大卒ルーキーが3人も試合に出られる状態なのは近年にない出来事である。
日テレ・ベレーザは初物に弱いイメージはあるが、それにしても大胆な奥山監督。


北原・平井選手らがスタメンに入ったことで日テレ・ベレーザに比べてかなり上背が高くなった。


山崎円美選手はベンチスタート。
右のSBには小原由梨愛選手を起用。岩渕真奈とマッチアップすることになる。
エリア14は右サイドということになるのかな。



今年もなでしこリーグが開幕することができた。東日本大震災直後は本当に今年はダメかなとも思った。
16試合のリーグ戦のみになってしまったが、せっかく開催できたリーグ戦なので1戦1戦を大事にしていきたいね。


開幕戦の相手は1~4節が変更になった関係で昨年の女王日テレ・ベレーザになった。
多くのマスコミが訪れ、世間からの関心も強い。
同じJリーグ傘下同士、クラブとしての考え方も共通の土台上にある。
まだ、練習試合も含めて勝ったことはない相手ではあるが、最高品質の女子サッカーを生み出すためには最高の相手だ。


24人のメンバーから厳選されたこの日のスタメン。


一人の天才少女の存在がこのチームを世界レベルの関心事に押し上げている。


キックオフ前に黙祷が行なわれた。ピッチに立つ選手の腕には喪章が。
半旗と共にこの事実が未曾有の大災害とサッカーを繋げている。
普通にスタジアムでサッカーができること、実はそれが一番難しくて貴重なことだと気づかされたこの1ヶ月だった。


風下の日テレ・ベレーザ


風上のアルビレックス新潟レディース


おそらくこれからの日本そして世界のありようをを変えてしまった災害と事故の3月。
多くの人がそれぞれの想いを持って挑み、そして多くの人に支えられたなでしこリーグ。
2011年のシーズン開始を告げる大友一平主審の笛が定刻13:00に鳴りK.O。



前半開始から風上のアルビレックス新潟レディースが日テレ・ベレーザ陣内に侵入。
CKを度々取り、惜しいシーンも見せるがゴールに至らない。

日テレ・ベレーザのCFWは木龍と永里。この2人の距離感が良い。
近くで連動して動くので、アルビのCB2人がどうしても対処せざるを得ない。
そして明らかに日テレ・ベレーザは開始からずっと左SHの岩渕へのカウンターを狙ってきている。
「オフサイドになっても良いから。」って感じで、アルビの最終ラインに用意ドンで駆け込んでくる。
ボールポゼッションはアルビ優勢なのだが、この岩渕1本の賭けに出ている野田監督はカウンター狙いでまるで変則の4-3-3みたいな感じで中盤の3人から左サイドへボールを出してくる。

アルビも日テレ・ベレーザの選手のボールを上手くカットしてペナルティエリアまでは持ち込むが、最後の最後で人数をかけて守る日テレ・ベレーザの壁が破れない。

アルビはCB東山真依子選手がこの日なでしこリーグデビューのCB北原佳奈選手をフォローしながら(同時に右SBの小原由梨愛選手へのラインコントロールもしながら)の相手2トップを抑えている。
ベレーザはCB岩清水梓がこの日なでしこリーグデビューのCB松村智子を面倒見ながらアルビの2トップ、特にポストプレーをする菅澤優衣香選手と対峙。
両チーム同じような状況なのだが、アルビの方が守備側のミスが目立つ。北原佳奈選手が固い。というかもしかして上がってしまっているのだろうか?
岩渕真奈を抑えないといけないキーマンがちょっと心もとない。
キックは学生時代と遜色ないのだが、プレスが今までのリーグとあまりにも違い過ぎるのか判断が遅い。
この日は藤枝順心高校時代の盟友佐伯彩選手もスタメン入りし、やりやすさはあったとは思うのだが。

結局、野田監督の策がまんまとはまり、何回かのトライの後、岩渕が最終ラインを抜け、GK大友麻衣子選手よりも一瞬早くボールをタッチし、本当に冷静にコロコロコロと憎たらしいほど冷静にボールをゴールに流し込む。
このゴール前の落ち着いた動きと判断がアルビの選手もできればゴールも奪えるのだろうが、そこは天才のなせる技なのだろうか。

ゴールを決められても、チャンスはたくさん作れたので行けそうな感じがしたまま前半を終える。


前半は日テレ・ベレーザ陣内にいる方が多かったと思うが、伊藤から岩渕への絶妙なパス、そのシーンだけは完全にやられた。


前半を終えて0-1。たぶん多くの人は前半の様子ではこれでは終らないという感じがしていたと思う。


HT終了後、両チームメンバー交代なし。


この日の菅澤選手のトラップが全体的に大きかった。ポストプレーが収まらないというより、こぼれ球を拾うべき平井選手との距離感が悪い感じ。日テレ・ベレーザの2トップと対照的だった。
ただ、相手も岩清水なわけで、相手の守備が上手く、プレスが速く強いからどうも最後のところで繋がらないという方が実際のところに近いのかもしれない。
日テレ・ベレーザの有吉のところが守備的には狙い目だったのだが、そこを伊藤と岩清水が上手くカバーしてきた。
逆にアルビも小原由梨愛の守備と攻撃のバランスという面ではちょっと攻撃参加のところが不発に終る。CB北原佳奈選手の守備範囲がもうちょっと広くならないと難しいかもしれない。
まあ、いきなりは厳しいかもしれないが、今年は試合数が少ないので夏くらいまで何とかしないとチームの形が進化できない。

平井咲奈選手はなでしこリーグデビュー戦ということを考えれば及第点だったのではないだろうか。
たしかにFWなのにゴールは奪えなかったし、菅澤選手との距離感という部分ではまだまだ感たっぷりではある。
また、明らかになでしこリーグを90分戦い抜くだけのフィジカルができていない。が、チームの方向性を理解していて欲しいところにいようとする意思が見られる。
なでしこリーガーのスタメンFWとしては足りないことだらけなのだろうけど、アルビで才能を開花させる可能性が高い選手であることはわかった。GWの3連戦を戦う体力が残っているならもう1回観てみたいものである。

足が止まってきた平井咲奈選手に代わりこの日唯一の交代カードとして切られたのが堀良江選手。
彼女もまた常盤木学園高から日体大へとある意味学生エリートなのだが、なでしこリーグはデビュー戦となる。
チーム全体の運動力を上げられると思ったのだが、残念ながら空回り。全く役に立たなかった。
期待はずれという言葉が一番妥当なのかもしれない。
試合途中で投入された選手が試合に入っていくのは確かに難しいとは思うのだけど、アルビの選手が1人少なくなった感じになった。
大卒新人はある程度完成されて入団してくるからやはりサッカー感を変えるのは難しいのかな。
また次があるのならその時は何かをアピールしてくれると嬉しいな。

試合終盤はお互いにフィジカルも落ちて、試合が膠着状態に陥る。
昔からどうにもこうにもならないような空気の中で唯一得点の匂いがするのが川村優理選手だ。
きっと何かやらかしてくれるに違いないと期待していると、やっぱり目の覚めるようなシュートを叩き込んでくれた。
まあ、バーの金属音がスタジアム中に鳴り響き、大きな悲鳴とため息が後から付いていったけど。
惜しい。

日テレ・ベレーザもカウンターが抜けるとGK大友選手の目の前まで来るのだけど、そこはGK大友選手、抜群の反射神経で抜かせない。
だからこそ、前半の小憎らしいコロコロゴールが悔やまれる。

最後、ちょっと接触プレーがあったりして、中断したりしたのだけど、お互いに後半はゴールを割ることができず、結局0-1で開幕戦を勝利で飾れなかった。



後半途中から岩渕と交代した小林弥生が試合終了後副審に何かを言っている。
ベレーザは試合中もそうだけど、選手がレフリーに言い過ぎのような気がする。
技が高いのだから黙々とやったって問題無いと思うけど。わざわざレフリーに絡まなくたって。
正直、小林弥生選手が質問している副審については、むしろアルビ側から言いたいことはある(オフサイドなどなど)。
でもレフリーが認めたものはしょうがないからそれもまたサッカーと考えるしかないね。


また勝てなかったが、内容的にはどうだったろうか。
正直、アルビ側の守備のミスが目立ったように感じるし、ベレーザ側としては準備不足の感は否めなかったのだが。
お互いにもっと練習時間が取れれば、引き出しも多くなるだろうし、精度も上がると思う。
ベレーザとはもっともっと試合をしたいのだけど公式戦はリーグ戦が2試合だけである。
次の試合はちゃんと準備をして、普段女子サッカーを観たことのないような人の目にも勝てるような試合になれば良いなと思う。


流れからして0-1じゃいけない試合だったと思う。


リザーブを1人しか出さなかったのは試合の流れを保ちたかったからかな。


野田朱美監督のリーグ戦初勝利をプレゼントしてしまった。


チームとしての連動性は良かったと思うのだけど、ペナルティエリア付近のアイデアが今一つ。
個々の選手のボールを扱う技術は日テレ・ベレーザと比べてもそんなに落ちることはないと思うのだけど、試合の流れを読む力がまだ相手の方が上だった。


川村優理選手は最後までスタミナが落ちなかった。
守備的な役割が多いのだけど、攻撃に絡むと得点の可能性が一気に上がる。
小柄のベレーザの選手を押さえ込むとちょっと相手が可哀想な気がする時もある。


攻守の要である阪口夢穂・上尾野辺めぐみ・ 川村優理3選手。
きっかけとなるゴールが欲しい。
次こそは「阪口夢穂ゴール」が誕生してほしいぞ。

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