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■ 春日温泉 「もちづき荘」 〔 Pick Up温泉 〕



春日温泉 「もちづき荘」
住 所 :長野県佐久市春日温泉5921 (旧 北佐久郡望月町)
電 話 :0267-52-2515
時 間 :8:00~21:00 / 原則無休
料 金 :400円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)

震災後の再開初レポです。

佐久平の西にある望月は、かつて中仙道の有力な宿場町で、本陣、脇本陣、問屋がおかれていました。
ここから蓼科山にかけてなだらかにつづく「御牧ヶ原」は、奈良時代末期から朝廷に献上する料馬を産するすぐれた御牧として知られ、この牧で育まれる名馬・月毛の駒(望月の駒)は都人の憧れであったと伝わります。
蓼科を背に、千曲川を距てて浅間連嶺に相対するこの地はまた、眺望の地としても名高いところ。

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そこから一里余りを降った望月で、或る日もっと広々とした眺望が欲しく、私は坂を上って丘の上へ出た。
蕎麦が花咲き柿の実がいよいよ重くなる信州の夏の終り、丘の上は晴朗な風と日光との舞台だった。
北方には絵のような御牧ガ原の丘陵を前にして、噴煙をのせた浅間から烏帽子へつらなる連山の歯形。
南にはその美しい円頂と肩とを前衛に、奥へ奥へと八ヶ岳まで深まりつづく蓼科火山群と、豊饒の佐久平をわずかに隠したその緩やかな裾。
さらに西の方にはきらきら光る逆光につかった半透明の美ヶ原溶岩台地、そして東は遠く淡青いヘイズの奥に蛍石をならべたような物見・荒船の国境連山と、其処に大平野の存在を想わせる特別な空の色。
それは晴れやかな、はろばろとした憂鬱な、火山山地の歌であった。

(尾崎喜八著 「山の絵本」 たてしなの歌 より)
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【写真 上(左)】 温泉入口
【写真 下(右)】 看板

その「御牧ヶ原」の一角に春日温泉があります。
開湯は延宝年間(1673~1681年)、「万病に効果著しきこと他に比いなし」と称揚され、肌がつるつるになる”玉肌の湯”としても知られていますが、名湯ひしめく信州ではわりに地味な湯場です。
数軒の日帰りできる宿があり、かけ流しの情報があったここに入ってみました。


【写真 上(左)】 案内板
【写真 下(右)】 若山牧水の歌碑(源泉公園)

ちょうど4月に行ったので、あたりの桜が満開でした。
立派な公共施設系のつくりで、スタッフはとても親切。国民宿舎なので日帰りでも気軽に入りやすい雰囲気です。
浴場は宿泊者専用の「岩風呂」(別館2階)と日帰り可の「滝風呂」(本館1階)があって、ともにかけ流し、飲泉可のようです。


【写真 上(左)】 フロントまわり
【写真 下(右)】 浴場入口

「滝風呂」です。浴場手前には”滝風呂”という暖簾がかかっています。
広めでつかい勝手のいい脱衣所。あかるい浴室に手前から、打たせ湯、ジャグジー、主浴槽(みかげ石枠タイル貼7-8人)がならびます。
浴槽のあちこちに石膏系のクリーム色の析出がでています。


【写真 上(左)】 男湯入口
【写真 下(右)】 脱衣所

カラン5(たぶん温泉)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜11時で4人~独占。


【写真 上(左)】 石膏の析出
【写真 下(右)】 主浴槽

主浴槽はかなり広めながら、手すりがちょうど頭に当たる位置に設えられているので、快適に入れる場所が意外にすくないのが難か。
鉄平石の湯口からかなりの量の熱湯を投入で、湯口のうえにはコップがおかれ、飲泉可の掲示も。
浴槽内にある注排湯口はふさがれていて、お湯の鮮度感からしても投入全量を豪快にオーバーフローのかけ流しとみました。


【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 豪快なオーバーフロー

全槽のお湯に大差はないので、主浴槽のみレポします。
やや熱めのお湯はほぼ無色透明で浮遊物なし。湯中の指先がよわく青白に発光しています。
よわい芒硝味で飲みやすく、よわく石膏系のほんわかとした湯の香。
味臭は建物の上にある源泉公園の非加温源泉とほぼ同じなので加水はないと思います。


【写真 上(左)】 源泉公園
【写真 下(右)】 源泉

肌がコーティングされるような、つよめのヌルすべにびっくり。なるほど”玉肌の湯”と謳うだけのことはあります。
これは、pH=9.6というアルカリ性と陰イオンの主成分が炭酸イオン(CO_3^2-=80.83mval%)というスペックによるものと思われます。


【写真 上(左)】 飲泉可の掲示
【写真 下(右)】 県歌「信濃の国」

あたたまりは意外につよく、適度なとろみもあって、総計=166mg/kgとは思えない浴感も感じます。
クセもの湯揃いの東信・佐久エリアでは、おとなしいイメージのお湯ですが、さすがに古湯らしいしみじみとした趣。
微妙に行きにくいエリアながら、渋めのお湯好きは納得できる湯場だと思います。

〔 源泉名:春日温泉 〕
アルカリ性単純温泉(Na-(CO3)型) 25.0℃、pH=9.6、湧出量=120L/min掘削自噴、成分総計=166.6mg/kg
Na^+=26.9mg/kg (94.36mval%)、Fe^2+=0.12、Cl^-=2.5 (5.39)、OH^-=0.7、SO_4^2-=3.3 (5.39)、HPO_4^2-=1.6 (2.62)、CO_3^2-=31.5 (80.83)、陽イオン計=29.4 (1.24mval)、陰イオン計=40.8 (1.30mval)、メタけい酸=96.4 <H17.12.10分析>

<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり かけ流し(放流式) 殺菌剤使用:なし

■ブランドグルメ
〔 望月(佐久)の朝鮮人参 〕
佐久地域では朝鮮人参が栽培されていて、なかでも佐久市協和(旧望月町)には朝鮮人参の加工企業が集まっています。
メインは人参粉末、人参エキス、人参茶など。生の朝鮮人参は9月から10月頃の販売のようです。

〔 2011/04/17UP (2008/04入湯) 〕


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※ ここは被災者受入しています。(→ 資料
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