先週に引き続き、「企業価値向上論」の授業で、社長の講演を
聞いてきました。
今回は、関西ペイントの石野社長で、分析力とコンセプトギャップがキーワードでした。
まず、塗料販売が事業内容ですが、自動車塗料では、品質が重要で、品質を良くする
ことで、他社に勝り、自動車産業に購入してもらえる。そのため、品質向上を常に心がける
必要がある。これに対し、建設塗料は、ある一定の品質があれば足り、それ以上の品質
向上をしても、消費者に選ばれない。むしろ、一定の品質が確保された後は、値段によって、
消費者に選考される。ということでした。同じ塗料でも、マーケットが異なると、ポイントが
異なるということでした。
説明されると、当たり前のように聞こえますが、それまで、自動車塗料を主に行い、
建設塗料に新たに進出する際には、このことは分からなかったのでしょうから、分析力
が優れていると感心しました。建設塗料でも、品質向上で勝負できると思い、品質向上
に力点を置いていたら、建設塗料では、シェアーをとれず、競争に敗れていたでしょう。
次に、コンセプトギャップです。日本国内では、塗料は衰退産業に属するようですが、
世界では、むしろ成長産業ということです。世界では、まだ、新興国が多く、これから、
塗料の重要が延びるということです。
また、南アフリカの企業を買収する際、南アフリカでは、成長はないのですが、アフリカ
全体でみると、塗料の需要は多い。そこで、買収した南アフリカの企業からアフリカ全体
に輸出する視点でとらえたということです。そうすると、買収価格も、視点が異なるので、
決して、い買い物ではないということになってくるのです。
なお、先進国の企業が新興国・発展途上国に輸出するようになり、先進国が競って、
輸出していることから、植民地化のときと同じような状況になっているのではないか、という
指摘は驚きました。
経営者には、分析力と物事を多角的に見る能力が必要と感じました。
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