Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

黒田家が伝えた名宝展

2015年08月26日 06時09分21秒 | 美術館・博物館etc.
☆香雪美術館 サイト
 企画展『筑前・黒田家が伝えた名宝~福岡市美術館のコレクションより~』(前期)
 ※10月18日(日)まで

久しぶりの香雪美術館。
かつ、夏場に訪れるのは本当に久しぶり。

15歳の夏休みに友人と伴に汗をかきかき仏教美術を見学した初訪問以来か。

建物は新しくなったし、震災で塀の石垣も崩れて新たに積み直したとはいえ、
雰囲気そのものは変わらない。

と、開館前の10分間を門の前で待ちながら思っていた。

今回は福岡市美術館からの、いわば“借り物”による展覧会のせいか、
展示目録からして、いつもと違う。

カラーだ

そして、大名家だけあって調度品多し。

文字通り豪華

中でも書画。

大名として黒田家の始祖でもある黒田如水像。

昨年の大河ドラマ『軍師 官兵衛』でもおなじみ。

教科書か何かで一度は目にしたことがある秦西風俗画屏風。
マンドリンを奏でる南蛮人の優雅なこと。

ちょっと珍しい(?)ものといえば、天璋院(篤姫)による竹図。
明治時代になってからの筆。

激動の時代を翻弄されながらも力強く生きた彼女らしい、凛とした竹。

もう一つ印象に残ったものは『宗英公像』。

黒田長政の子にして2代藩主・黒田忠之が狩野探幽に描かせた自身の肖像画。

犬とみつめあう表情が微妙で繊細。

忠之とはいえば、黒田騒動の原因ともなったヒトだけど、
そんなふうにはとても見えない、やさしい表情。

思うところがあったのだろうなぁ。

そして、茶道具。

なんといっても、目立は博多文琳。

博多の商人・神屋宗湛が所持、秀吉から所望された際も
「日本の半分となら交換しましょう」と返して、諦めさせたという。

忠之の代に黒田家に入って以来、秘蔵されてきたという名品~。

なんだけど、、、

小さいしねー。
前ふりの長さの割には、ちょっと拍子抜け?

むしろ、小堀遠州による「文琳記」の方が迫力があった。

むしろ、忠之サンお気に入りだったという瀬戸肩衝茶入れ「辰市」の方が好きだなぁ。

唐物大海茶入れ「横雲」も口造りがたっぷり広くて、いかにも大名家のもの!という気がした。


今回、全体的に展示点数は少なめ。

茶室がなかったのはビックリ。(可動式だったのねぇ)

展示も前後期で少し入れ替わる。前期は9月15日まで。

後期も訪れる予定なので、ちゃんと復習して備えよう。
(今回は獺(カワウソ)が拝見できなかったのが残念だったし)


★香雪美術館バックナンバーリスト
2014年12月『大名茶人 松平不昧の好み』→こちら
2013年12月『「茶人 村山香雪』→こちら
2012年11月『江月・遠州 寛永文化と茶人』→こちら
2012年10月『人間国宝・江里佐代子の截金 康慧とともに伝える荘厳の美』→こちら
2012年5月『狩野派の絵画 室町から明治まで』→こちら
2011年12月『点前座の茶道具』→こちら
2009年秋『茶の湯 名碗のいろいろ 唐物・高麗・和物を一堂に』→こちら
2008年春『京焼の華 永楽家歴代の名品』→こちら
2007年秋『茶入・棗の名品』→こちら

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