Akatsuki庵

日々と向き合って

のこす・伝える「お宝」考今昔

2008年03月14日 00時13分23秒 | 美術館・博物館etc.
茨城県陶芸美術館(笠間)
※3月23日(日)まで

日本人がその歴史と文化の中で、やきものを「宝」として如何にして大事に守ってきたかを再考する展覧会。
展示は『伝えて、のこす』、『掘りおこして、のこす』、『「わざ」をのこす』からなる3構成。

『伝えて…』では、唐物茶入、瀬戸肩衝茶入、長次郎の赤楽茶碗などが付属品と併せて展示されていた。

「名物裂も見せる」観点から仕服も並べて展示することはよくあったし、最近は挽家(ひきや)も展示しているところもあったが、全て展示はあまり例がない。
昨年の泉屋博古館分館『茶道具-付属品とともにたのしむ』とサンリツ服部美術館で観たくらい。

展示スペースの関係もあるだろうが、外箱まで幾重にも守られているという事実はあまり知られていないから、画期的な展示だと思う。
箱以外にも、添え文や軸がついていたりと、「大事に保管して伝える」というか行為がよく理解できた。

『掘り起こし…』は一転して、考古学の空気。
東京芸大の史料が多く展示されてあった。
出光美術館の中にも陶片を整理して展示している部屋があるが、かけらでも技術や時代を雄弁に語るものなのか?と感心した。

『わざ…』では板谷波山、荒川豊蔵、加藤唐九郎ら明治から昭和にかけて古陶の技の復興に力を注ぎ、そして現代における人間国宝や文化勲章受章者になった大御所の作品を紹介。
過去の遺物を大切にすることだけではなく、研究し、果敢に挑戦する心意気を見た。

ちょっと遠かったけど、訪れた価値は十分にあった。
(立地や雰囲気が兵庫陶芸美術館や岡崎市美術博物館(愛知県)とよく似ていると感じた)
ちなみに、今回は【やきものの周辺シリーズⅠ】との事。
シリーズの展開が楽しみ。
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