朝鮮半島と中国と世界の動き

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中国への依存度下げ外交・経済多角化せねば

2017-12-17 22:42:58 | 政治

 

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が習近平中国国家主席と韓中首脳会談を行ない16日に帰国した。外交欠礼と「1人飯」議論から中国警護員による韓国記者暴行事件まで、言葉も多く不満も多かった中国訪問だった。
 
文大統領の今回の訪中は改めてさまざまな面で「韓国にとって中国は果たしてどんな隣人なのか」を問い質す契機になった。
 
21世紀の超強大国に浮上した中国は安保・経済・文化など、ある分野でも韓国だけでなく世界のすべての国に重要な存在であることを否定することはできない。だから文在寅政権も争って北京を訪ね習主席と主要懸案を話し合おうとしたのだ。
 
ところで訪中結果に対しては批判が多い。さらに「このタイミングでなぜ中国を訪問したのかわからない」とか「韓国が得たものはひとつもない」という酷評もあふれる。中身のない首脳会談と中国の無礼な外交的態度、さらに韓国の低姿勢外交が集まり総体的に屈辱的だったという自嘲も出てくる。「国賓訪問」の意味が果たしてこうしたものだったのかという反問も多い。
 
それにもかかわらず、われわれは決して中国の存在と意味を過小評価できない。われわれの好みに合わないからと無視することもできず、背を向けることはさらにできない。中国は依然として米国とともに北朝鮮の核問題を平和的に解決できるカギを握っている核心国だ。14億の人口の世界最大市場のひとつでもある。われわれの感情や気持ちを離れ冷徹に判断して対中戦略をもう一度整えなければならない。
 
ただこの機会に中国に対する依存度だけは確実に引き下げなければならないだろう。われわれが中国にばかり深く入れ込むなら差し迫った状況で抜け出すのが難しくなる。高高度防衛ミサイル(THAAD)問題の時にわれわれはすでにこれを骨にしみるほど感じた。中国の経済報復が続き観光産業をはじめ自動車や化粧品に至るまでさまざまな分野で大きな打撃を受けた。
 
幸いこうした経済報復にもかかわらず、今年7-9月期まで対中輸出は昨年よりむしろ13.4%増えたという。半導体と石油化学、情報技術など中国より競争力を備えている分野が輸出を主導したためだ。もし韓国がそうした経済的レバレッジを持っていなかったなら中国の要求に屈服するほかなかったという分析もある。
 
これとともに韓国は経済・安保・韓流など諸分野で多角化に邁進しなければならない。THAAD問題で教訓を得た通り、「ポストチャイナ戦略」もさらに具体化しなければならない。
 
そうした意味で先月文大統領が明らかにした韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)による未来共同体構想は積極的に推進すべきだろう。文大統領は先月13日にフィリピンのマニラで「私と韓国政府はASEANとさらに親しい友人になろうとしている」と話した。
 
ASEAN10カ国は人口6億3000万人、国内総生産(GDP)2兆6000億ドルで年5%の高度成長をしている潜在力が豊富な市場でもある。文大統領は「汎政府ASEAN企画団を設置しASEANとの協力を総合的に支援する。ASEAN駐在の在外公館の企業支援機能と組織も強化する」と話した。
 
韓国より早く中国に進出した日本は中国にオールインせず東南アジアなど他の市場を活発に開拓した。そのためいま東南アジアは日本の庭のようになっている。やや遅い感はあるが、われわれももっとASEANに力を入れなければならない。
 
単にASEANを中心にする新南方政策だけが重要なのではない。グローバル時代には中南米やアフリカのようにこれまで相対的に疎かにしてきた地域との交流をさらに拡大しなければならないだろう。そうしてこそ中国の幼稚なTHAAD報復にも耐え抜ける体力を育てることができる。
 
中国は今回われわれに素顔を残らずさらけだした。習近平主席はトランプ米大統領に「韓国はかつて事実上中国の一部だった」と話したりもした。力が支配する国際社会で生き残るには力を育てなければならない。何がわれわれの力を育てる道なのか本当に深く熟考しなければならない時だ。
 
「中華民族の偉大な復興時代を開く」という中国夢を掲げる隣人を持つ韓国だ。ワシントンに赴任した朴定陽(パク・チョンヤン)初代駐米朝鮮公使が1888年にわれわれを属邦と考える清の執拗な干渉に勝てず「無力な」朝鮮に召還された屈辱的な歴史を決して忘れてはならないだろう。
 
中央日報よりの引用記事
 

悲惨極まりない中国人の老後、失踪死亡が多発

2017-12-17 03:58:51 | 政治

 

今や日本を抜き、世界第2位の経済大国に伸し上がった中国。高齢化でも日本を追い越し、「中国は世界で最も高齢化が進む国になるだろう」(中国政府)と自ら警告しているほど深刻だ。

世界銀行などの報告書によると、中国の65歳以上の人口は1億5000万人ほどで、すでに先進国の中で最も高齢者人口が多いという。

2030年には、60歳以上の人口が4億人を超えると予測され、中国政府のこれまでの未整備な社会保障体制を根幹から崩す大きな打撃となるのは必至だ。

村や町からいなくなる老人たち「老人失踪」――。新たな高齢化問題が、最近中国で大きな社会問題になりつつあり、国の行く末も左右する事態に発展する危険性を帯びている。

高齢者の失踪問題の深刻さは、年間1万人超(警察庁統計)が失踪している日本のそれとは比較にならないほどだ。
11月末、初めて鹿児島県で、日中韓3か国の政府や産業界から約300人が出席した「環黄海経済・技術交流会議」が開催された。
東アジア経済域での技術やサービスなど経済交流を目的とする会議だが、最も関心が高かったのが高齢化の問題だった。高齢化は韓国でも顕著で、高齢者の貧困や虐待が社会問題になっている。
会議に出席した中国・大連市の関係者は、「大連市は人口が約700万人。その約2割の約140万人が高齢者。その数は、今後、増加していくだろう」と危機感を募らせた。

そして、こう付け加えた。「世銀などでは中国の高齢者人口は1億5000万人というが、実際は2015年の時点で、2億2000万人ぐらいでしょう。中国全体では、高齢化のピークとされる2055年には高齢者人口は5億人にも膨れ上がると懸念されている」

さらに、「2年前に廃止された一人っ子政策などの後遺症ともいえる新たな問題も浮上している」と日本とは違う“老人失踪”の背景や実態も明らかにした。
それによると、中国民生部傘下の研究機関、中民社会救助研究院の調べでは、 中国では、「毎日1300人以上の高齢者が行方不明になり、年間で50万人以上に上る」とされており、実際は、さらに多いと言われている。
一人っ子政策と社会保障制度の未整備が原因
行方不明者のうち約80%が65歳以上で、「中国の将来において、無視できない社会問題」(同研究院)とその深刻さを政府機関も認めるほどだ。
それは、中国の急速な経済発展、工業化による中国の「『孝』の文化の消滅」と「失独老人(子供=1人をなくした親)=失独者の中国政府の老後保障の失敗」によるものが大きいという。
小都市や農村部の若者は、豊かな生活を求め大都市に移住し、「親孝行」をする余裕も価値観も失った。
さらに中国政府が推進した一人っ子政策の“副産物”の2000万人とも言われる失独老人の老後は、保障すると約束した中国政府の失政で実現していないことが背景にある。
そしてこれこそが、中国で大量に発生している高齢者の失踪を後押ししているというのだ。
特に、人口が大量流出している中西部では、“老人失踪”大量発生の村も出没しているほどだというから、驚きだ。さらに特筆すべきは、こうした高齢化問題は、これまで小都市、農村部の問題とされてきたが、2015年の老年人口統計の分布図では、「52%が都市部」「48%が農村部」という新たな実態が明らかになった。

2000年当時には、「34%が都市部」「66%が農村部」だったのが、この約20年で、高齢化=農村部の問題とする常識が覆された。
農村戸籍の解消も影響し、農村部の高齢者が社会保障が充実した都市部へさらに流れ、高齢化問題は、将来的には都市問題として中国の深刻な国家問題に発展するだろうと思われる。
失踪者の10%が死亡
こうした深刻な社会問題を浮き彫りにする現象も起きている。中国の有数なニュースポータル「今日頭条」には、高齢者の行方不明者の家族による捜索願いなどの尋ね人のコーナーが掲載されるようになった。だいたい4000件前後が掲載されている。
しかし、こうした捜索願の甲斐なく、死亡が確認される場合も増えており、死亡率は全体の約10%にも達すると言われているほどだ。
 中
国の学者らは、「中国の高齢者人口は将来的に5億人に達し、老後の生活保障が中国の最大の問題の1つになるだろう」としながらも、「『老人を世話、養う』『老後のために、子供を産み、育てる』といった中国人の伝統的な考え方は経済成長で消滅し、代わって、『利益を重視し、礼を軽視する』、実質的な利己主義が台頭してきた」(中国人民大学の周孝正教授)と、保障問題以前に、中国人の理念や価値観の大きな変化に警笛を鳴らす。
中国の武漢大学の報告書には、こうした懸念を裏づける実態が明らかにされている。農村での高齢者の自殺のケースで、以下のように記されている。
「農村に暮らす危篤の父親に面会するため1週間の休みを取って、都市部から息子が帰省したが、数日経っても父親が亡くなる気配がないため、息子は『死ぬのか、死なないのか?』『葬儀も休暇の日程に入れているのに』と父親に迫った。その直後、父親は自決した」

さらに、中国共産党が40年間にわたり進めてきた一人っ子政策が高齢者の失踪問題のもう1つの原因と指摘する学者は「中国では一人っ子政策のため、老齢化の過程が加速化した。しかし、高齢化への社会保障制度などが欠如し、その双方のギャップが老人失踪を急増させている根本的な原因」(中国労働関係学院の王江松教授)と指摘。

その中で、高齢化問題が今後、都市部の大きな問題に発展する背景には、医療や年金などの社会保障が農村部では欠如し、整っている都市部への流入をさらに招くからだと予測。
「孤独で誰も世話をしてくれる人がいない。街頭では物乞いし、逃げ道を求めた結果、流浪し、失踪していく」とその実態を憂慮している。
中国政府は、2013年に高齢者の権益保障に関する法律を可決させたが、実態の改善には残念ながら、全く役立っていないようだ。

中国共産党が倒れない限り老人の苦しみは続く,それどころか、海外に移住した中国人の作家の何哲氏はこう言う。
「中国共産党は人民のための政党ではなく、彼ら自分たちのための政党。老人問題など解決できない」
 こう批判したうえ、「老人の老後保障は国家の政治制度そのものに由来する。よって、中国共産党が崩壊しない限り、解決できない」と指摘。
中国は日本の大学を含め、世界に孔子学院を設立させて、その中華大国の理念や哲学、価値観を知らしめる国策を展開している。
しかし、孔子の弟子、子路が百里離れた場所から、自らの親のためにお米を背負っていった親孝行の故事は、その政府の思惑とはかけ離れてしまった。
現代の中国共産党統治下の中国人の若者には、この故事は到底理解されず、生きる手本にもなっていないことを皮肉にも世界に露呈してしまっているようだ。

JBpressからの引用記事