裏山赤太郎~ゲイでエイズで、でも生きてくよ!~

ゲイとして生きて、50代でエイズを発症したけど、自分らしく生きていくことには変わりないないんだよってブログ。

面接における感染の原因とセクシュアリティ

2015-10-01 19:02:58 | 日記
先日、ある合同面接会に参加しました。
会場では数社の面接を受け、応募しました。
昨夜、その一社から電話を頂いたのでした。

人事担当の方は私が営業関係の経歴を見て、
募集の職種以外にも採用に前向きな部署があるかも知れないと
営業関連の部署への打診を試みて頂けるとの話でした。

その人事担当の方は、そのためにいくつか確認したいと質問をしました。

「障害となる病気の感染原因ですが、どのようなことで感染されたのですか?」

このような質問は障害者雇用枠で応募する場合、
免疫機能障害の場合は面接の際に時々受ける質問です。
これが輸血や血液製剤による感染であれば、
あまりためらわずに返事ができるのかも知れません。
しかし、自分の場合はゲイで、
ほぼ間違いなく性行為によるHIV感染なのです。

「はい、同性間の性行為による感染が原因です。」

そうありのままに答えても良いのでしょうが、
その場合は返って人事担当者のほうが面を食らうでしょう。
こちらの人格を疑われるかも知れません。
不必要な偏見を生みかねない懸念もあります。

そこで私はこう答えました。
「はい、感染原因については確定することはできませんでしたが、
思い当たる原因はいくつか考えられることがありました。」

まあ、無難な回答をしたと我ながら思いました。
するとその人事担当者は、さらに踏み込んできました。

「差し支えなかったらお答えいただけたらと思いますが、
私はヘテロセクシャルですが、
LGBTについても理解はしているつもりです。
原因については、そういうことも含まれているのでしょうか?」

正直、ここまで踏み込まれた質問を受けたのは初めてでした。
絶句して言葉に詰まりそうになりました。
しかし、面接会場でのその人事担当者の誠実な様子、
電話での慎重な質問の仕方から判断して、
人事担当者に悪意は無く、
あくまで私の応募に対してできる限り応えようとして頂いているのだと判断しました。

「それは感染原因についての質問だと判断してよろしいですか?
だとすると、セクシュアリティについては、
極めてプライベートなことになりますし、
私は仕事とは関係ないことだと考えております。
私はとくにセクシュアリティについて公表しておりませんので、
ご理解頂けたら幸いです。」

私はそのように答えました。
人事担当者はその言葉のまま受け取り、質問は終わりました。

このように障害の原因に関する質問は、
人事担当者の興味本位や悪意がある訳ではなく、
どの障害の方々にもしているのかも知れません。
しかし、私達のような障害の場合は、
とてもデリケートであることを、
答えを聞いた瞬間に人事担当者側も知ることになるのかも知れません。

もちろん、私の答え方が正しいとは思いませんし、
それぞれの方が自分にふさわしい答え方を考える必要があると思います。
感染原因については、
プライバシーに触れる部分であるので
個人的には無理に答える必要はないと考えます。
なんでも正直に答えてしまう方法もあるでしょうし、
「なぜそのような質問をするのですか?」と逆ギレする方法もあるでしょう。

様々な状況で、
似たような場面があるのかも知れません。
その時に困らないために、
答え方をあらかじめ用意しておくのもいいかも知れません。


ちなみに、その人事担当者は、
誠実で清潔な感じ、40歳前後くらいの素敵な方でしたよ。

うひ♡

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