読書の森

母の友達




母はこの2月5日に亡くなった。
葬儀や役所の届けなど一連の仕事は自分一人で(他に誰もいないので)やり遂げねばならない。
やらねばならぬ事を懸命にこなした後たった一人残った自分に気付いた。

その内、私は母の死に一人で向かい合う重圧に耐えられなくなった。
母親は私を護ってくれる人ではなかったがこの上ない憎めない面を持っていた。
この母親の無邪気な長所を母親の友人の方が知っているだろう。
ついに電話で母の友達に告げてしまった。
本来なら正式に通知の葉書を出すべきなのに誠に失礼だったと思う。

その際、母と同じ年齢の方々の頭の若さに感動し、とても心強かった。

お一人は、亡くなった日と場所と死因を明確に聞いてくださった。
それは母への友情の表れであると共に、事実をはっきり受け止めたいという気持ちがお有りだからだろう。
本当の事を常に掴んでいたいという頭の冴えにびっくりした。

又もうお一人は流麗な達筆でお返事をくださった。
その中で
「寝床に入り、ラジオを聴きながら、君が代や校歌を歌って親しい友人を偲ぶ」

とあった。

つまり、今年満93歳を迎える中で、皆戦争真っ只中の苦しい辛い時代を生き抜いて、なお明晰で鋭い頭脳をお持ちの方々が実在するのである。

君が代は決して押し付けられた愛国心の表れだけではない。
その方々にとって大事な青春の思い出なのだと思えた。



^_^後日、「貴女のお母様は僕の初恋の人でした。、、、」
母と同い年、今92歳のボーイフレンドからしっかりした「ラブレター」が届きました。
思わず呻いてしまったのです。
若い頃の私であれば、目を背けて年甲斐もなくと嫌がったと思います。

でも、お母さんやっぱり貴女最後までモテたねと、笑ってあげたい。

母の人生の最後に来た、決して本人が見る事の出来ないラブレターを有り難く、それでいてある傷みを持って受け取りました。

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