下記のように刻まれていました。
《銘》
大正8年 江戸歌舞伎ゆかりの地 浅草 浅草寺境内に、劇聖と謳われた明治の名優 九代目石川団十郎の歌舞伎十八番「暫」の銅像が作られました。この銅像は 近代彫塑の先駆者新海竹二郎氏の傑作であり、歌舞伎の象徴として全国の人々から親しまれておりました。ところが第二次世界大戦中の昭和19年11月30日金属類回収のため、この「暫」の銅像も供出の命を受け、40余年を経てまいりました。
この度 十二代市川団十郎襲名を機に復元の気運が高まり、浅草寺のご理解のもと、多くの方々に御尽力を賜り、ここに「暫」の銅像が再現されました。 十一代並びに十二代市川団十郎父子、地元浅草及び松竹株式会社三者の永年の願いが叶えられたことになります。
こののちも 歌舞伎の隆盛とともに この「暫」の銅像が歌舞伎の象徴として 日本国民はもとより世界の人々からも幾久しく愛されますことを願ってやみません。
昭和61年11月3日 宇野信夫選書
九代目石川団十郎「暫」銅像 復元建設委員会十二代 市川団十郎
浅草観光連盟 松竹株式会社