観客席から

落語と芝居を熱く語ろう

菊之助の魚屋宗五郎

2015-11-28 23:40:35 | 歌舞伎


松竹大歌舞伎

菊之助の魚屋宗五郎を観に行きました。

最初に書くのもなんですが、
んん〜。。。
脇役が役になり切っていないと
観ているのがつらくなる!というのが一番の感想かな...

菊之助はさすがに、ちゃんと、宗五郎でした。
日頃の女役からは想像できなかった男らしさや貫禄も
出ていたと思います。

ずうっと前、先の尾上松(今の松のおじいさん)や
十八代目 中村勘三郎のを観た、あれはあれ、
これはこれ。
いろんな魚屋宗五郎があって、それを楽しみたいと思います。


話は、・・・あれは、あまり後味は良くないですね。
これは歌舞伎にはありがち。
ともかく、江戸時代の身分制度になっとくできない現代の私たちには
これはもう、どうしようもないです。
しかも、宗五郎が最後にお殿様からお金を貰っちゃうと
「なんで〜?!」と憤懣やるかたない。



そうそう、席が前から2列目でした!
よく見えるし、よく聞こえるし、
吉原雀のときは衣装のぶっかえりの糸抜きの目印まで見えるし(♪)
・・・それはそれで嬉しかったけれど、足許はまったく見えないで
最良は5列目〜8列目かな..と思った次第。


11/24 諫早文化会館にて。
開演 14:00(16:30ころ終演)
(B-28. B-29)

博多・天神落語まつり-最終日

2015-11-04 11:56:49 | 落語・寄席


実力者居残りの会


桂佐ん吉 / 若手落語家の登竜門「平成27年度NHK新人落語大賞」で優勝した
     ということで、飛び入りでトップに。「堪忍袋」をちょっと端折って...

柳家三三 / 順番がトップより二番手でよかったかも。でも、いつも以上に早口で
     時間を気にしていたのかな? 時代の雰囲気はあいかわらず抜群!
 
古今亭志ん橋 / ん... 今ひとつ居酒屋の空気に入りきれなかった...

春風亭一之輔 / 若いのに、あいかわらずの貫禄..というか、キラクな空気感♪
       甚平さんを面白がる(可愛がる)大家さんを楽しみながら演じて
       こっちまで何とも気持ちがいい。

柳家小里ん / 小さんの内弟子だったそうで、声の出し方や話し方まで似ていて
      それを楽しんだ感じ。

立川志らく / こちらも師匠の談志にそっくりで、ビックリ!
      死神の声のかすれ具合、手のこまねき方まで、まるで談志を聞くようでした。

桂文珍 / さすがでした。いやいや、笑わせるのなんのって!
    単純な「花見酒」の噺であそこまで笑わせるのは、本人も言っていたけれど
    たしかに腕ですね! 

それぞれの個性を比べるのが実に面白かったです。リッチでした。

11月01日(日曜)キャナルシティ劇場にて
16:30開演、19:30頃終演 
(N-22. N-23)

柳家小三治独演会

2015-09-06 00:34:01 | 落語・寄席


第75回 柳家小三治独演会

いやいや、あいかわらず
まずは『まくら』で大いに楽しませてもらいました。
しかも、何気なく笑って聞いていた『まくら』が
そのうち、今日の演目の事前知識になっていくんですよね...

この7月に亡くなった入船亭扇橋さんの話が長かったのは
親友を偲ぶ心でしょうか。
これまでも扇橋さんと一緒に旅に行った話などはよく出ましたけど、
珍しく、若かりし頃の話がいくつか聞けて、
自然にこちらも扇橋さんのご冥福を祈りたい気持ちになりました。

そのあと、なんとなく吉原の話になり、
大門をくぐって先の世界の光景や仕組みの話になったので
「ん? 今日は居残り佐平次かな?
 それとも場所は変わって品川心中かな?」
なんて思っていたら、話題は葬儀へと移り(笑)
今は火葬だけど昔は土葬だったと...
そして、その準備に大急ぎで桶(座棺の棺桶)を注文したんだ
という話になり、
なるほど、それで早桶というんだな! と納得したところで
もちろん、演目は『付き馬』!!(笑)

休憩を挟んですぐの『まくら』では、時事ネタと
前回と同様、「原爆とか原発とか、よくないよ」という話、
そしてなんと『粗忽長屋』を!

今回も期待どおりたっぷり!で、大満足でホールを後にしたのでした。


9月03日(木曜)天神・イムズホールにて
18:30開演、21:30頃終演 ( 4,700-)
4列 27番・28番

地球投五郎宇宙荒事 in 大阪

2015-08-19 14:43:41 | 歌舞伎
六本木歌舞伎 大阪公演
地球投五郎宇宙荒事
ちきゅうなげごろううちゅうのあらごと



あらすじ
歌舞伎俳優市川海老蔵は俳優仲間の中村獅童と、新しい歌舞伎の構想について話をしている。
付添うのは海老蔵の弟子、鯛蔵。鯛蔵はうすうす気付いていた。海老蔵は宇宙人ではないかと…。

 時は元禄。浅草・浅草寺の空中に円筒系宇宙船が現れた。
その船から降り立ったのは悪の親玉・駄足米太夫、衛利庵(えいりあん)である。
その妖気に怯えた江戸の庶民は上を下への大騒ぎ。すでに度重なる宇宙生命体の襲来により、
江戸幕府はその機能を失っており、パニックを避けるためには
宇宙人の存在を隠蔽する必要があった。
法漢和尚は機転を利かせて、庶民に「これは歌舞伎だ!芝居だ!」と誤魔化し、混乱を鎮めた。
そこに花魁道中が通りかかる。
米太夫は地球侵略の手始めにと、吉原一の花魁・高窓を人質にとらえる。
正義の味方、五郎に扮した團九郎が登場するも、いとも簡単に高窓を連れ去られてしまう。
実は高窓は、時の将軍 徳川綱吉公の長女、鶴姫の仮の姿。
将軍より鶴姫を助けて欲しいと頼まれた團九郎は、今立ち上がらなければご贔屓を失うことになると説得され、
ついに決心する。
そこで、与駄と名乗る者から明かされる、團九郎と米太夫の悲しくも数奇な運命…。
團九郎と米太夫の決闘はいかに!!


・・・あらすじは、まあ、たしかにこんな感じだったのですが...
それにしても奇想天外、荒唐無稽、ジョークとアドリブの連発で抱腹絶倒!!!

駄足米太夫(ダアシ ベイダユウ):中村 獅童 が使う赤く光る剣には
フォースの力が宿っている。
与駄(ヨダ):加藤 清史郎 は、緑のしわくちゃ顔のヨーダ!
鶴姫はとんだじゃじゃ馬で、
劇中の團九郎:市川 海老蔵 は本当に地球を投げちゃった..?!!!
・・・ほんとうの衛利庵(エイリアン)は誰?!

スターウォーズを見ていてよかった〜!

伝統的な荒事の所作がたっぷりでした。






オリックス劇場 13:00-15:25
14列 46番(最高にラクで見やすい席でした!)
A席 13,000-

遠路、大阪まで観に行った甲斐がありました。
博多座でもやってくれないかな〜。。。

第八回 ahaha落語会

2015-07-16 20:28:45 | 落語・寄席
7月11日(土)に 第八回 ahaha落語会を開催しました。
御出で下さった皆さま、ありがとうございました。
ちいさな寄席気分を味わっていただけましたでしょうか?

おかげさまで大変にぎやかで笑顔いっぱいの数時間となりました。
ちょっと窮屈だったこと、一部エアコンが効き過ぎたことは
反省点として次回に活かしたいと思います。


  一部   粗忽家 勘々  「牛ほめ」
       南遊亭 栄歌  「代脈」
       粗忽家 酔書  「棒鱈」
  仲入り

  二部   粗忽家 酔書  「加賀の千代」
       粗忽家 酔書   紙切り
       南遊亭 栄歌  「桜の宮」

粗忽家 勘々  「牛ほめ」


南遊亭 栄歌  「代脈」


粗忽家 酔書  「棒鱈」・「加賀の千代」


粗忽家 酔書   紙切り


紙切り  お題「朝顔に つるべ取られて もらい水」を受けて...


切り絵はお題を出したお客さまに差し上げます。


今回のお茶子さん役。次が上方落語なので見台を準備。


南遊亭 栄歌  「桜の宮」



この会は年一回のおたのしみです。
来年もたぶん夏の夜に開催する予定ですので、
よろしかったらぜひまたよろしくお願いいたします。

http://www.twoone.net/ahaha/rakugo.html

春風亭一之輔!

2015-06-21 00:14:05 | 落語・寄席



公演名:春風亭一之輔のドッサりまわるぜ2015
公演日:2015年6月20日(土) 14:00 開演
会場:福岡市 イムズホール
料金:全席指定 3,500円


先行予約で3月にチケットを買ったのが功を奏したのか
前から5列目、しかも中央寄りの通路に面していて、
いっさい前の席の人の後頭部を見なくて済み、最高でした。


まずは袖から普段着姿で帽子をかぶった一之輔さん登場で
客席は大拍手!
例のオキラクな話し方でオープニングトークがあって、
もう、そこから会場は笑いの渦。

私は最後まで爆笑し過ぎて、ずうっと涙を拭きながら...
・・・これはクセになる!!!

『堀之内』・・・粗忽の連発! 独自の演出もたくさん盛り込んで、
 爆笑につぐ爆笑!!!!!
 すばらしいテンポで、拍手喝采 

『短命』・・・大好きな演目です! 
 独特の目配せも活きて一之輔の味もたっぷり。笑った笑った〜!

『鰻の幇間』・・・騙されたことに気付いた後の小言にオリジナル性も見えて
 たっぷり聴かせてもらいました。堪能しました!


ノリで本を買っちゃって、サインもしてもらいました。ahaha...♪
・・・それにしても、・・・一之輔さんの着物のセンスって、好き。







付録:
仲入りで会場に流れた曲は、昔よく聴いたコマーシャルソングのメドレーでした。
「明るいナショナル~♪」とか「ポポンポポン ポポンポポン...♪」とか、、、
なつかしくて思わず小声でうたってみたり...♪
・・・一之輔さんのリクエストかしら...?

海の夫人

2015-05-27 14:14:07 | 芝居・ミュージカル



HPの紹介文:個人の自由意志と夫婦の繋がりを描き1888年に出版された本作は、
       翌年ノルウェーとドイツで同時上演され大成功をおさめ、
       北欧諸国でも相次ぎ上演されました。

       自由を求め、海のような強い生命力を秘めた神秘的な主人公エリーダには、
       独特の存在感でますます輝きを放つ麻実れい。(中略)
       そして、エリーダを大きな存在で包み込む夫ヴァンゲル役には(中略)
       村田雄浩があたります。


イプセン原作..に惹かれて観に行きました。
テーマは基本的には「人形の家」と同じ...

自由と一個の人格としての尊重を求める妻、ノラとエリーダ。

「人形の家」では、夫が「一人の人間」として自分を見ていないことにノラは絶望し、
ついに夫の制止を振り切り、家を出る。

「海の夫人」のエリーダは、必死で妻を自分の手元につなぎ留めようとする夫に
「私の体は束縛できても、私の精神、思いの数々、魂のあこがれや願望まで
縛り付けておくことはできない」と言い放つ。
ついに夫は絶望の中で彼女の気持ちを理解するに至り、妻を解き放つ言葉を絞り出す。
「君は自由意志で、自分の責任において選ぶことができる」と言ったとき逆転がおこる。
彼女は、六年前の選択の余地のない選択とは違い、今こそ「完全に自由な立場」で
夫とともにこの地に留まることを選ぶ。

自由の象徴 "海"に焦がれる妻と
愛に溢れ、全身で愛を伝える夫。

麻実れいのエリーダも適役で説得力があったけれど
村田雄浩の演技のすばらしさもあって、夫ヴァンゲルに共感し泣いてしまいました。


2015/5/22 新国立劇場 小劇場 (バルコニー席.LB6)

團菊祭五月大歌舞伎

2015-05-26 21:57:42 | 歌舞伎


初めての歌舞伎座でした。
まず、ついに行けたことに感激。




[ 夜の部 ]

一、慶安太平記(けいあんたいへいき)
       丸橋忠弥

 酔ったふりをして濠の深さを測る忠弥(松緑)
 その様子を、通りかかった老中松平伊豆守(菊之助)が見届ける場面...
 あそこがまず「ご両人!!」と拍手のところですね。
 捕物の場での激しい立廻りは、若い俳優陣の技の見せどころで
 夜の部の皮切りとして最高でした。

二、歌舞伎十八番の内 蛇柳(じゃやなぎ)
 私の一番のお目当て!
 亡き妻への思いを語り嘆き悲しみ、ついには狂乱の体となる助太郎(海老蔵)、
 荒れ狂う蛇柳の精魂(海老蔵)、
 目にも留まらぬ早変わりで花道からさっそうと登場の金剛丸(海老蔵)。
 最後の押し戻しで、歌舞伎十八番ならではの荒事を見せ、
 拍手喝采の幕引きとなりました。

三、神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)
       め組の喧嘩

 私は品川宿の遊廓の場から観たのは初めてかも...。
 「火事と喧嘩は江戸の華」の言葉の通り、男と男の命をかけた真剣勝負を粋に描いた..
 とは分かっていても、随所に理解しがたい展開が。
 とくに辰五郎(菊五郎)の女房お仲(時蔵)が喧嘩をけしかけるところなど..。
 命より男の義理や意地が大事..という価値観をムリにでも頭に置いて観なければならない話ですね。
 大詰めは鳶と力士が勢揃いして大立ち回り。
 颯爽とした菊之助のかっこよさが光りました。
 菊五郎は、もう走るのがつらそう...。
 そろそろ辰五郎を菊之助に譲っても良いんじゃないかな〜。。。
 菊五郎でなければ・・・という役は、まだいくつもあるはず。
 

2015/5/23 歌舞伎座 (4列33.34/友人と二人で)

柳家三三 独演会

2015-05-26 21:03:54 | 落語・寄席


公演名:J亭落語会「白酒・三三・一之輔 月替り独演会」起笑転結「起」シリーズ 柳家三三独演会
公演日:2015年5月21日(木) 19:00 開演
会場:東京都港区虎ノ門 JTビル-2F( JTアートホール アフィニス)
料金:全席指定 3,600円


会場に入っての第一印象...
ホールの作りが固いので、どうも客席も固い感じ..
落語に気分が乗り切れるかな..と。

三三さんが上がってほんの数分で杞憂は吹っ飛びました。
まさにそこはノリに乗った三三の世界。


『人形買い』 
  長屋の神道者の赤ん坊が初節句で、ちまきが配られたので、
  長屋中で祝いに人形を贈ることになった。
  人間がこすからい松つぁんと馬鹿正直な甚兵衛の人形買い。
  余得を狙っての買物だったが...


『提灯屋』 
  町内でチンドン屋が、広告を配って歩いている。
  無筆の長屋の連中には、何屋の広告か分からずあれやこれやと...。
  そこに米屋の隠居が来たので読んでもらうと提灯屋の新規開店の広告。
  「・・・開店祝いとして、提灯のご紋、笠の印等は無代にて書き入れ申し候」
  おまけに万一書けない紋があるときは、お望みの提灯をタダでくれるというので、
  一同、一計を思いつき...


『橋場の雪』
  「橋場の雪」 柳家三三 - YouTube
   www.youtube.com/watch?v=BLi1m2_fmTw
  亭主の夢の中の浮気まで妬く若女房が、なんともかわいいのです。


『提灯屋』が終わって、これで打ち出しかと思いきや
つづけて『橋場の雪』にすうっと入って...
おもいっきり、たっぷり!で、幸せでした。

ART

2015-05-20 08:58:46 | 芝居・ミュージカル



演出:パトリス・ケルブラ
作:ヤスミナ・レザ
美術:エドゥアール・ローグ
出演:市村正親/平田満/益岡徹

 長いつきあいで、友情を深めてきた中年男3人。
 ところがある日、そのうちの1人が現代アートの“真っ白な絵”を買ったことがきっかけで
 お互いの友情観や人生観のズレが浮き彫りになり、それぞれの本音の衝突が止まらなくなる。

 1999年に市村正親、平田満、益岡徹というキャスティングで上演され、熟練俳優陣ならではの
 スリリングな会話劇が大好評を博した『アート』が、16年ぶりにオリジナルキャストでの再演

・・・という芝居だそうで、あいかわらずなんの前知識もなく行きましたが、
息をつかせぬセリフの応酬で、気付けば幕間なしの2時間弱が終わっていて、
拍手とスタンディングオーベーションの中でしばし呆然.. の私でした。

☆三人の服装がすべて黒一色だったのが大変よかったと
 そんなことに感心したり。。。(スタイルは三人三様)


2015/5/19 福岡市民会館 (8列38.39)