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日本で洋画、どこまで洋画? 愛知県美術館



愛知県美術館で12月18日まで「日本で洋画、どこまで洋画?」が開催中です。

今回の企画展は、愛知県美術館のコレクションから洋画の世界にスポットをあて、日本の洋画の歴史を紐解いていく、日本美術史の基礎を学ぶ上でも、たいへん良い企画です。

洋画と言うと、先ず油絵を思い浮かべる人も多いかと思います。明治維新を境に西洋絵画が日本に入り、当時ヨーロッパの主流が油絵の具を用いた洋画であったことから、近代日本洋画の祖である高橋由一など、その作品は板の上に油絵の具を用いて描かれたことで、そうした固定概念が生まれたのではないかと思っています。

確かに明治、大正、昭和の洋画家は、いわゆる油彩画によるものが大半です。しかしながら、現在の洋画の世界は、その領域を目に見える形で広げています。その表現方法も多種彩々で、油彩にとどまらず、日本画材料やアクリル材料、さらに、それらの材料が混在する作品など、表題のどこまでが洋画?という疑問を持つのは、当然のことだと思います。

それは、日本だけのことではなく、日本での洋画は、西洋絵画の材料や表現方法の変遷によるところがあり、洋画の世界は、万国共通であることは確かです。

実は、今回の展示は、少なからず、日本で生まれた近代日本画にも徐々にその傾向が進んでいてジャンルという絵画の領域はボーダレス化しています。今回の展示で、洋画の歴史を学びながら、いつか20世紀以前の美術は、ピタゴラス化の道を歩んでいくような予感を持ちました。


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