Notes3~ヨミガタリストダイアリー

名古屋市在住の俳優/朗読者・ニシムラタツヤの演(や)ったり読んだりの覚え書き

「三十代の潜水生活vol.2」について6

2008年04月29日 | 朗読・声の周辺
☆帰宅後につけたラジオで、宮崎哲弥氏も同じことを述べていたが、中途半端な休みがあるとかえって体調を崩しやすくなるものかもしれない。見事に今日の未明まで眠りにつけず、なんだか頭が重いまま1日を過ごす。車でいえば、アクセルとブレーキを同時に踏んだ状態といえるかもしれない。それでも読みの稽古の後はすっきりして栄の街を歩く。ああ、ラシックにまた行けるのはいつの日になることか。

「三十代の潜水生活vol.2」について5

2008年04月28日 | 朗読・声の周辺
☆漸く、正確に言えば昨日のことにたどり着いた。テキストの絞り込み作業が完了しました。ちらしは明日手元に納品。今種末からご案内に上がることが出来ると思います。どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。くどいようですが、チケットはもうウェブサイトで売っております。下の画像をクリックして、是非とも。

ルーツ@世田谷線上町辺り、他

2008年04月27日 | 朗読・声の周辺
★「幻想朗読会」の会場を出て、サンマルクでコーヒーで一息ついた後、世田谷線で少し移動する。着いたのは「上町」。世田谷区役所も程近い静かな街だ。ここに私のルーツの1つがある。
☆何が原因かは未だもって分からないが、小学校2年生のころから夜尿症が出た。おねしょである。もう20年以上も昔のことなので、母親からの伝聞でしかないが連日連夜布団が濡れたらしい。5年生になれば野外教育、6年生の修学旅行を控えて事は緊急を要したが、そのころだって今だって、おねしょの専門病院なんて本当に少ない。母は懸命に探した結果、東京の都立母子保健院というところに名医の先生がいるという情報を仕入れてきた。それで2人、東京へ向かった。小4の秋口だったのではないかと思う。
◎治療が目的だったとはいえ、初めての東京は子供心に充分に刺激的だった。五反田の「ゆうぽうと」に泊まれば、そのころ旧型の緑色の電車の集結地だった東急池上線を眼下に見て熱狂し、渋谷の旧東横百貨店でランチがステーキ、しかも値段が1,500円という値段に母は目玉が飛び出る思いだっただろうが大喜びで平らげた記憶がある。いまではその痕跡すらないが五島プラネタリウムに行きたいとかごねたのではなかっただろうか。そんな気がする。
●教えられたアクセスは渋谷駅東口から東急バスで上町駅前まで行き徒歩、だった。この前訪ねた時も確かにその路線は残っていて、実際に乗車もして20年前とは逆に三軒茶屋に向かったのだが、肝心の東京都母子保健院は跡形もなくなっていた。調べたら、こういうことらしい。何だか最近、名古屋でも同じことを聞いたような気がする。病院の役割分担なんとかいう言い訳を。でもその時お世話になった帆足洋一先生は、上町駅前に開業して引き続き治療に当たっているらしかった。土曜日は閉院日ということだったので外観を写真に収めてきただけだったが、「ほあし子どものこころクリニック」。今度平日に行く機会があれば、是非ともお会いしてお礼を述べたいと思った。5年生の野外教育は「失敗」したが、修学旅行は忘れもしない。伊勢二見浦の「浜千代館」の大広間で目覚めて、布団が濡れてないことを確認して小さく、本当に小さくガッツポーズをすることができたのだから。
□で、上町を随分洗練された世田谷線の電車を横目に離れ、三軒茶屋なのである。あのときは跡形もなかった世田谷パブリックシアターで「鶴瓶噺」の当日券を求めて並び、腹が捩れるほど笑って帰ってきたのだった。その夜、いつものように夜行列車で。金はかかるが、記憶に残すのは今しばらくのことかもしれないし。

幻想朗読会@豪徳寺について、他。

2008年04月26日 | 朗読・声の周辺
☆1週間のタイムラグが出来てしまったが、20日に久しぶりに東京に出て、小田急線は豪徳寺にあるスタジオにある朗読会に観客として参加してきた。寡聞にしてこちらでは、こういう形での催しに接することが少なかっただけに非常に期待感をもって、珍しく名古屋駅から在来線の新快速に乗り込んだ。浜松から新横浜までは「ひかり」の自由席。横浜市営地下鉄をあざみ野まで乗って東急、昔の新玉川線で三軒茶屋。世田谷線のLRTに乗り換えて山下駅の踏み切りを渡れば昔ながらの豪徳寺駅前…、では全くなかったことに驚く。そう言えば11年前に1度来た時には小田急も高架ではなかった。築堤の上に築かれた駅から、すり鉢をひっくり返したような階段が広がっていて、その真ん前にあるコーヒー屋で夜行バスで眠れなかった目覚ましにと思い注文したら、380円なのにモーニングサービスが何ひとつ付いて来なかったことにムッと来て目が覚めたという、実に名古屋人的な理由があったことを思い出した。その店も既になく、マックと高架下のサンマルク、デニーズという、実に典型的な都心の駅頭になっていた。
★住宅地をすり抜けて、マンションの地下に潜る。京浜東北線で人身事故のため遅刻してくる客が数人いるという話が受付回りで起こっていた。でも所定の時間に遅れず始まったということは、あまりにそれが日常のことと化しているということなのだろうと思う。榊原忠美さんの顔は名古屋の人間のほとんどは知らなくても、声を聞いたことがないという方は結構少ないのではないか。30年近くに渡ってCMナレーションやテレビ・ラジオで活躍して来られた、いわば「声の顔」的存在だ。
○高い低い、強い弱いという表層的な要素の他に、声には「深い/浅い」という物差しがある。それは呼吸そのものというより、テキストに表れている作品世界の理解度を指す。俳優、ナレーターの朗読はむしろそちらが勝負所だと私は思っている。「潜水生活」を再開して実質1年。数多くのテキストに当たってきたが、全く模索のもの字も過ぎたかどおか心もとない状態だ。そういう自身の状況下、しかも20名弱というキャパシティの中で構成作品「初恋」を聞くことが出来たのは本当に贅沢かつ、示唆に富んだ体験となった。作品世界が単なる字面だけのものから、平面構成の絵画、そして立体的な映像に立ち上がっていく、その過程をまんま見させてもらったような気がしたのだ。もちろん、いい意味で。
◎終演後、榊原さんに身分を明かし、しばらく話をする。主催したNPO法人「現代朗読協会」のウェブログには、2日間に割わたった今回のライブについて、演出の水城雄さん曰く「2日間のライブは、私たちにとっては25年間の延長線上にあったものかもしれませんが、なぜか私には、今回のライブはこれから特別な意味を持ってくるものであるような気がしてなりません。」という言葉があった。それは私もほぼ同じ気持ちでいる。自分が読むことの可能性を改めて考えよう。1人の表現者として、何が出来るか、どこまで行けるかということを。これから、このスタジオでもう少し足しげく通うようになるかもしれないし。

「三十代の潜水生活vol.2」について4

2008年04月18日 | 朗読・声の周辺
☆このブログをいつも読んでくれている東京在住の某女優に、いつも断片的なつぶやきばかりで肝心なことがちっともわからんですよ、と白昼堂々表明されてしまった。だから、今日は少し詳しく書こう。
●まだ劇団(集中チ療室)にいた時の話。舞台上での本番の時に、いきなり「ああ、身体が邪魔だなあ」と思った瞬間があったのだ。家に帰って洗濯物を片付けながら考えれば、もともと高校時代に放送部に所属して、将来はアナウンサー志望一本槍だったことに思いついた。そちらをすこし探求してみる必要が、どうも自分にはあるのではないかとその時思ったのがきっかけとなって始めたのが、この「潜水生活」なのだ。すいぶん行き着くまで時間がかかったのだが、役者を続ける中で、単にきれいに発音するという訳ではなく、昨日のエントリにもあった、「感情の風景」=「情景」と、自分が見る「風景の表情」=「景情」を重ねあわせることに楽しみを見出しつつある、というのが現在の考えるところなのだ。思いつきではなく。
◎分かったかな、M.Gさん。明日は朝から東京。本当は今日の内に突っ込んでいた自分のルーツ的土地にも行くつもり。

「情景を変えずに表現を変える」

2008年04月16日 | 朗読・声の周辺
★稽古での書きつけより。「情景を変えずに表現を変える」。または「表現を変えずに情景を変える」。この場合、「情景」とは、目で見る身の回りの風景ではなくて、感情の景色、ということだ。これまでもやってきたことでもあり、今後もやって行くことなのだが、言葉に残しておくことはマイナスではないと考えた。
☆去る日曜日に、腐れ縁を辿って御器所に旅した。昭和区と中村区の直線10キロあまりだが、延べ走行キロは12年と少しといったところ。深く関わった人と話でもしなければこの距離は稼げない。ここまで来るのに何年かかった。だからあそこまで行くのに何年かかるという考え方は消極的かもしれないが、裏を返せば自分の現在を疑い、未来を信じるということでもある。自分が決めた「あそこ」まで、なるべく人を傷つけず、むろん自分も傷つけず行こう。
●名古屋の劇団と「潜水生活」の日程がかぶっていても全然気にならないが、神戸のテクイジとかぶっていることを知って落ち込んだ。今度は「まほうまっぷ」見られると思ったんだが、これもいつかは、か。

「三十代の潜水生活vol.2」について1

2008年04月13日 | 日々の雑感
●blogを商業目的で書いているわけではないので、1ヶ月以上の間隔が空いたとしても別に誰に謝るということもないのだが、何かムズカユイ。今後、また定期的に更新してゆくだろう。
☆この間にしていたのは、「三十代の潜水生活」その2の原案作りと、制作作業もろもろ。前回表現面はともかく、特に営業面での失敗の原因を細かく見ながら、具体的な数字を挙げて改善していこうと考えている。続けるために。続けなければ何の意味もないのだからら。
※今回の「潜水生活」は、よこしまブロッコリーの女優、おぐりまさこさんをお招きします。チケットはもう売っています。詳しくは、また明日。