人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

相対関係

2004-11-11 00:09:42 | 人生論・閃き
特技というか、自分の何かについて自信が持てるものは大体、誰にでもあると思います。それを他人に超えられたときはショックですが、明らかに自分より劣っている人がその特技について自慢しているとき、あなたはどう感じますか?

相対関係をはっきりさせたい、と思ってしまう人も多いと思います。

たとえば、100メートルを10秒9で走れるAさんがいるとします。高校生だったら全国区かもしれません。あなたのタイムは、10秒1。日本の中でもトップレベルのタイムです。

Aさんの自慢:
「俺10秒台なんだぜ。すげーだろ。わぁーっはっはっはっは。」

どうですか?ちょっと自己主張したくなりませんか?「10秒9でいばんな!」とビシッと言いたいですよね。

確かに、

① 自分はその会話に参加していない第三者である。
② 誰も自分に話を振ってるわけではない。
③ 10秒9というタイムは、客観的に見てもすごいタイムだし、正当な自慢である。

でも、言いたい。それは、自分に自信がないからだ、不安だからだ、なんていわれることがありますが、このケースはそうではありません。不安だから主張したいと思うのではないと思うのです。だって、本当に自分の方が練習頑張って、本当に自分の方が客観的に早いじゃないですか。きっと金メダリストだって、近くでこんな奴がいたら口を挟みたくなるでしょう。「大人気ない」といわれたら反論できませんが・・・。

では、なぜこういう気持ちになるのか。

おそらく、それは相対関係に対する過剰な意識だと思います。「自分の方が上。だったら評価は全部自分に来てもいいはずだ。」となるわけです。逆の立場からすると、「なんだこいつ、ちょっと俺より早いからって。俺だってそこそこ結果出してるじゃないか。少しは優越感感じてもいいじゃないか。」という気持ちになるでしょう。この相対関係に対する認識の差異が、このような感情を生むのだと思います。

自慢できるほど何かを見につけたのであれば、自慢してもいいと思うのです。他人の励みになるときも多いからです。必要以上に謙遜する社長や大統領や金メダリストなど見たことがありません。正当な権利です。

そして、10秒1で走れる人のように、口を挟んでしまってもいいでしょう。これも正当だと思うのです。

「じゃあダメじゃん。ケンカになっちゃうじゃん。」

ごもっともです。意見が食い違うのは仕方ないのです。(でも殴り合いはやめましょう。)それで、10秒9のAさんが「ちっ、もっと早くなってやる!」お思えばそれもよし、10秒1で走れるあなたも「こんなこと言わなくても、存在だけで人を驚かせることができるように金メダリストになってやる!」と思えばそれでいいと思うのです。

弱肉強食主義、こんな平和な場面にでもあるんですよね。