VOA(Voice of America、米国の声)放送は、
貿易などで中国国境を往来する北朝鮮トラック運転手さんたちが
みんな帰りにパンを買う不思議な様子について取材・報道しました。
理由は、水害地域へ送るパンを買ってこいという
北朝鮮当局の指示があったからだそうです。
しかし、パンを買う費用は支払われない、いわゆる「課題」で、
そのパンは被害住民には供給されないらしい。。。
自由アジア放送(RFA)と同様、
VOA放送も主にまだ自由化が進んでいない国々を対象にし、
世界各国のニュースを伝える放送で、
北朝鮮でも短波ラジオで聞けるので北朝鮮住民たちにとっては
北朝鮮当局の実態を知るにあたって重要な情報源になっています。
日本語での放送は提供していないため、
日本語訳をここに載せます。
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【中国丹東から鴨綠江鉄橋を渡って北朝鮮に入る貨物トラックの行列。写真=RFA、聯合ニュース提供】
最近、中国を往来する北朝鮮の貨物トラックの運転手たちが競っているかのようにパンを一箱ずつ買って北朝鮮に戻るらしいですが、その理由は何でしょうか。
最近、丹東の中-朝海関周辺の食品売り場では、パン類が飛ぶように売れています。午前中に中国の方へ出て午後遅い時間に北朝鮮に戻る貨物車運転手のほとんどがパンを一箱ずつ買って帰るためであると丹東現地の消息筋は伝えました。
丹東のある住民は「この頃海関近くの食料品店やパン屋に行くと、個別包装されているパンを箱いっぱい入れて包んでいる光景をよく目にする」「このパンの箱は北朝鮮のトラック運転手に頼まれたお店の人が事前に用意をしているもの」と話しています。
この住民は「トラック運転手がパンを買って帰ることがおかしいことではないが、最近運転手たちの様子は一般的に北朝鮮の人がパンを買うパターンとはかなり違う」と強調しました。
ほとんどの運転手が例外なくパンのみを買う上に、パンの種類を問わず100元分だけ箱いっぱい包んでくれと頼むということです。
通常、北朝鮮トラック運転手たちは中国で品物を買う時、値段が高いなどあれこれ文句を言いますが、最近パンを買う時には箱の中身も確認せずに渡されたまま持って去ると消息筋は言いました。
これと関連し、丹東の他の消息筋は「運転手らが買うパンは個人用じゃなくて北朝鮮当局が中国を行き来する運転手に指示した課題」であると説明しました。「だから彼らが買うパンは1~2元程度の、100元出せば一箱をいっぱいにすることができる安いパンだ。このパンは全て咸鏡北道の水害地域へ送られると聞いた」ということです。
この消息筋は「このパンは水害地域の住民に支給されてはいないようで、水害復旧作業に動員された突撃隊員に供給されているものとみられる。しかし、運転手たちが買っていくパンはせいぜい一日100箱余りなので、突撃隊に供給するとしても相当足りない」と伝えました。
運転手らがパンを一箱しか買わない理由は、パンの購入代金を当局からもらうのではなく、当局が運転手らに強制的に課する課題であるためだと、消息筋は指摘しました。
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