素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダーエグゼイド 第33話「Company再編!」

2017-05-28 22:30:00 | 仮面ライダーエグゼイ...
衛生省に保管されていたプロトガシャットは何者かによって盗まれていた。プロトガシャットには仮面ライダークロニクルで消滅した人々のほか、飛彩の恋人・小姫のデータも入っているはず。クロノスは「仮面ライダークロニクル」運営のために飛彩に協力を要請。当然のごとく拒否する飛彩にクロノスは「見返り」を用意して・・・。


どうしたらクロノスのポーズを攻略できるんだろう、と6歳長男に訊いてみたら
「わかった! ポッピーがバグヴァイザーツヴァイを持ってるでしょ?
 だから、仮面ライダークロニクルのガシャットを買ってきて、クロノスに変身すれば、ポーズの間も動けるよ!」
とのこと。なるほどそれはジョジョでやってた、ザワールドに対するスタープラチナだよ。
つまり現状打破に有効な作戦ですよ、賢いなぁうちの子は(親バカ)

まぁ、クロノスへの変身条件がハード機器(バグヴァイザーツヴァイ)の有無じゃなく
「バグスターウィルスへの完全抗体を身につけた者」つまり
人間であることが前提条件になるので、ポッピーには不可能なんですけどね。
あれ? そこさえクリアしたらクロノスが複数存在することも可能?

さて。当の仮面ライダークロニクルですが、
ゲームマスターが変わることで、三たびその性質を変化させます。

壇黎斗の考案した「究極のゲーム」
パラドが起動した「人間とバグスターの、種の生存をかけたゲーム」
そして、壇正宗が支配するのは「幻夢コーポレーションを世界一のゲーム会社にするためのゲーム」

え?そこ?それが目的?
永夢じゃありませんが「そんなことのために」って言っちゃったよ。

黎斗は「許せない、私が開発したゲームを使って、成り上がろうなどとは・・・!」と大憤慨してましたが、
クリエイターが作ったゲームを、様々な戦略を用いて販売することは、ゲーム会社としては至極当然のことで、
「キミは作る人、僕は売る人」みたいな態度は、正宗にとって何の疑問もないのでは?

でもって。「プレイヤーの人口が減ることは、我が社にとっても本意ではない」という言葉のように、
正宗が望むのはプレイヤーをいたずらに消滅させることではなく、むしろ果てしなく増大させていくことで、
むしろ、消滅ルールそのものを排除し、永遠に遊べる安全なゲームに改良される可能性も大きい。
え?それってむしろ遊んでみたくない? 私はぜひやってみたい。変身してみたい(一番最初に消える一般ピープルの発想)

しかし。「消滅する人間が増えすぎないよう、バグスターをコントロールする」と自慢げに宣言して
実際にソルティを削除し、「ソルティを攻略するのも再生するのも私の判断ひとつ」とか言っちゃう姿は
やっぱり嫌悪感がありました。

っていうか。ここまで見てきて、人間もバグスターも同じ「ひとつの命」にしか見えなくなってるわけで、
それを指先ひとつで弄ぶ社長に永夢と同様の怒りを感じるって時点で、
もう上手いことエグゼイドの世界に乗せられちゃってるなぁってしみじみ思いました。
「ソルティ!!!」って叫んだもんね。敵キャラなのにね。

正宗のキャラ造形が、「商品価値があるかどうか」「会社にとって利益になるか否か」という
非常に単純明快なところが、わかりやすくて良いし、黎斗と親子だよなって感じがすごい。
んでもって。黎斗がバグスター化してから「新・壇黎斗だ!」と繰り返し主張し続けてるんですが、
それも、父の支配からの脱却(新しい名前)にこだわってるのかなぁなどと思ったり。
もっとも。当の父親はすでに彼のことを「商品」としてしか扱っていないのですが。

飛彩。
27話で「消滅した人々の復活」を約束されてから、ずっと揺れ動いていた飛彩を見てきたので、
とうとう一線を超えてしまったか、という印象ではありますが、
それにしても、それにしてもあのタイミングでのあの寝返りは、
ニコちゃんと一緒に「はぁ?!何やってんの!」と叫んだ。叫んだよ。

そもそもが、動く正論、歩く教科書みたいに、
光の射す方向へまっすぐ歩き続けてきた、それが強さの源でもあった飛彩が
全てをかなぐり捨ててクロノスの配下につくという、その時点でも十分にあり得ないし、
その決断に至るまでの飛彩の気持ちとか、彼の心に占める小姫ちゃんの存在の大きさは計り知れないわけですが。

でも、裏切るとしても、彼ならばもっと「卑怯じゃない」方法を選んだと思うんだ。
例えば黙ってひっそり居なくなるとか、今回の作戦も大我に頼んで自分は欠席するとか。

しかしそんな彼が。「クロノスを止める方法はないのか?」と制作者である黎斗に訊ね、
それを可能にさせる唯一の方法を引き出すことに成功し、
もっとも大事な局面で、大事な仲間たちの信頼を裏切るような、最低最悪な行動をとった。
それこそが、正宗が飛彩に課した入社試験だった、ってことなんだろうか。

そう考えると、クロニクルで最強の力を手中に収めながらも
自分の把握していない弱点がある可能性を考慮して、間接的に制作者に問いかけるとか
正宗すごい。やばい。死角がなさすぎるし勝てる気がまったくしない。

いやしかし。いまの飛彩のメイン装備である「タドルファンタジー」とは
「主人公の魔王が勇者を倒して世界を征服するゲーム」なわけですよ。(19話
それは、この現状に置き換えると「主人公の魔王(ゲムデウス)が勇者(クロノス)を倒す」に繋がりはしないだろうか?
敵を欺くために、まず味方を欺いている。そんな可能性はあり得ないだろうか。

と、飛彩のことを信じたい気持ちでいっぱいです。

さて。そんな飛彩に対する正宗。

「労働には報酬を与え、人心をつかむことで、カンパニーを形成する。それこそが、会社経営というものだ」

と、胸を張って偉そうに語るわけで、どんだけ大金積まれて引き抜かれたのかと思ったら、
「報酬=小姫ちゃん」だった。
えっと、それはクロニクルをクリアしなくても復元してもらえるってことなのかな?
正宗なら、指先ひとつで消滅した人々を「私の判断ひとつ」で復元できるの?

ていうか、プレイヤーからしたら「不当に搾取された」感の強い命を
報酬として設定するとか、いやお前それは卑怯すぎるだろ?って話なんですが、
搾取した者(パラド)と現在の所有者(正宗)が別人なので、悪党とは責めきれないわけで。
・・・いや、そういう不当な手段で手に入れたと知っていて、
それを報酬に提示して労働を半強制するというのは、やっぱり厚顔無恥だよな。

もしも小姫ちゃんを復元されたら、飛彩はその性格上、二度と正宗に逆らえないんじゃないか。
それは鏡飛彩の、実質的な死と同義じゃないのか?

「小姫さんの命をよみがえらせることが正しいことなのかどうか、僕にもわかりません。
 でも、それで飛彩さんが笑顔になれるなら、応援します」


永夢のこの言葉が、飛彩の決心を固めたと思うんですが、
どっちだ。どっちに決めたんだ。

パラド&グラファイト。
今回の裏テーマが、「死の恐怖に心を奪われたパラドが、再び心踊らせるまで」

「いつまでラブリカの死を引きずってる!?」

っていうグラファイトには、パラドがラブリカの死の向こうに「自分の死」を見て
それに怯えていることがわからないのかなぁ、と思ったりしましたが。
どうなんだろう。一度、擬似的な「死」を体験しているグラファイトは、それほど死を恐れていないんだろうか。

「バグスターと人類の勝負を、エグゼイドとの勝負を楽しむ、それがお前の目的だったはずだ!」

このセリフは、第1話からパラドと並んで世界を見つめてきたグラファイトだからこその
説得力があるよな。彼は最初から、そんなパラドを見守ってきてたんだから。

そんな「心震える」パラドも、不可能と思われるクロノス攻略に挑むライダー達の姿に
再び、ゲームを愛する気持ちに火がついた様子。
バグスターとライダーの共闘に期待したいのですが、さてどうなるか。

その他。

「直接、あの人と話すしかない」と言って幻夢コーポレーションに突撃しちゃう永夢。
 すごいよなと思いました。ラスボスと対決するのに、まず話し合おうという主人公、すごいよ。
 顔をあわせて話し合うことで回避できる諍いって、けっこうあると思います。(今回は溝を深めたけど)

「我が社の経営方針に口を出す権利は、君にはない」とのことで、
 よーし幻夢コーポレーションの株を買い占めろ、買収だ!乗っ取りだ!とか思った。(研修医には金銭的に無理ゲー)

・逆立ちしたりバランスボールに乗ったりと、鍛錬を怠らないニコちゃん。えらい。

・黎斗もろとも、クロノスにリプログラミングをかけようとする永夢。
 黎斗がリプログラミングかけられたらどうなるんだろう?とか思いましたが、
 ポッピーが出荷状態に戻されたことから察するに、黎斗のコンティニュー回数がリセットされる気がする。めでたい。

・小ネタ。
 正宗が弾いていたピアノ曲は、ショパン作曲のワルツ第9章『告別』だそうです。(東映公式
 黎斗がゾンビゲーマーでの戦闘時、小声で「パパ」という言葉を入れてるそうです。(本人のツイッターより)
 これはまだ確認できてない、字幕には出てなかったので、今度音声大きくしてじっくり聞いてみます。

んで。ツイッターで「予告を!予告を最後までしっかり見て!」と関係者の方々が連呼していたとおり、
レーザー!!!

いや、貴利矢さんは大好きだけど死者が復活するとかあり得ない派なんですが。
やっぱレーザー出てくるとか、心が踊るな! 来週が待ちきれない。

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