9月24~25日、飯豊連峰の核心部 北股岳をソロで攻略した
R113から分かれ、玉川に沿って飯豊温泉に向かう朝霧の田園にユニークな案山子とクマが
まるで水墨画の様な幻想的風景に車を止める
飯豊温泉を過ぎると右手に、飯豊連峰の主稜線が朝日に輝き心が躍る
飯豊山荘の広い駐車場に車を止め、仕度を整え湯の沢橋を渡ると右手が梶川尾根登山口(7:20)
湯の沢橋を渡り尾根に取り付くと、いきなりクサリもない逆スラブの岩尾根に戸惑う
湯の沢の北側には下山予定ルートの丸森尾根が望めるが・・・帰路も難儀の様相に映る
10㌔余りの荷を背負い1時間半、ようやく梶川峰の急登にもカメさん歩きで慣れ、ブナの根の感触を楽しむ余裕も
ブナの倒木には天然のナメコが・・・小屋での味噌汁用に
ミズナラの株にはナラタケが
もしや?と覗いたミズナラの古木には、立派なマイタケが
子供の頭ぐらいのクロフとシロフの2個をGET、荷物になるがザックに括り付け、小屋での宴会?用にと目論む
ヒオドシチョウ(緋縅蝶)翅を閉じると地味な茶色に変身し身を守る
出発して2時間50分、標高1,021mの湯沢峰に超スローペースで到達、そして今までの労苦を踏みにじる下り坂に唖然と(10:10)
梅花皮滝と石転び沢の展望所の滝見台、湧き上がるガスで眺望は見込めずスルー(11:30)
名も知れない花に無心で飛び交うマルハナバチ?、大きな姿と羽音の割には温厚で人には無関心
ゴマナ
樹林帯を抜けると、北股岳(右)と梅花皮岳(左)の展望が開け、石転び沢上部の鞍部に梅花皮山荘が小さく見える(13:40)
森林限界の梶川峰(1,692m)からは急登が一変、眺望の良い緩やかな天空の散歩道に気持が和む(14:15)
門内岳、胎内山、扇ノ地紙(左から)
身の丈より低い灌木帯も黄葉に色づき一気に秋模様
お花畑の名残のチングルマ
ミネカエデが一段と艶やかに秋化粧
柴色のタカネマツムシソウも一輪咲き残りお出迎え
草紅葉の貴重な草原も、人が踏み歩くことにより破壊され痛々しい
秋色の池塘に飯豊連峰北端の重鎮、”朳差岳”がどっしりと映る姿に暫し感動!何時かは・・
線香花火が開いたような可愛いイワショウブが草紅葉に映える
扇ノ地紙で飯豊連峰の主縦走路の尾根に到達、一気に西側の展望が開ける(15:10)
おお!!息を呑む鮮やかな紅葉と緑の笹原とのコントラス・・・左奥は北股岳
西側には鋭いピークの一の峰、二の峰の胎内尾根が(現在は廃道)
ハクサンイチゲの咲く夏にも訪れたい(参考写真)
北には地神山に続くたおやかな山波が延び、日本海も望める
扇の地神から南に胎内山の尾根道を辿ると、門内岳の肩に可愛らしい?山小屋が見え元気が出る、安心したのか急に足がつる!!
門内小屋の前で出迎えてくれた管理人さんと雲海をバックに(15:40)
小屋に重い荷を下ろし、門内岳(1,887m)山頂をまず極める(15:55)
小屋の隣にはバイオトイレが、使用後はタイヤのない自転車を、前に20回後ろに10回と漕がされる
トイレを出ると足元に、一輪咲いたハクサンフウロが美しい
小屋の先客は、新津、新発田、川崎からの単独行、みんな梶川尾根を登って来たと
定員30名の小屋を4人で悠々と(小屋代も格安の1,500円)
突然小屋の中が真っ赤に染まり、窓を開けると雲の間から日本海に沈む夕日が(16:25)
小屋での宴会?を期待していたが菊水を呑んで上機嫌なのは老人約一名・・・酒を飲まない山行など理解できないと?
ほろ酔い気分で外に出ると眼下に新発田町の明かりと、沖合の漁火が宝石のように眩い
中央には新潟火力発電所の煙がたなびくのが見える(20:00頃)15秒露出
翌朝の起床は全員4時、昨夜新津の方に「此処まで来て北股に登らないとは!」
とのお温かい叱り?を賜り、忠告どおり北股岳ピストンを決行することに
ザックを小屋にデポし、空身でガスの濃い小屋を後に北股岳を目指す(5:20)
門内岳から一旦ギルダの池まで降り登り返す、途中で北に縦走する5名と出会う、昨夜の梅花皮小屋泊りは10名で静かだったと
初登頂の北股岳(2,025m)鳥居をくぐり小さな石祠と三等三角点にタッチ(6:10)
生憎のガスで展望は利かないが、予定外の北股岳に登れた感動と丈夫な足に感謝!
突然、山の神が舞い降り「ご褒美だ!」と一瞬ガスを吹き飛ばす(中央奥が飯豊山)
北股岳を攻略し空身の快適な凱旋路は、紅く色づいたミネザクラの散歩道
クマモンも此処まで紅葉狩り?に来たのか落とし物が
朝露に黄色に輝くミネカエデも
ガスの間に朝陽が射す門内小屋に、北股岳往復標準タイム2時間30分を上回る1時間55分で戻る(7:10)
ガランとした小屋に別れを告げ、少し軽くなったザックを背負う(7:20)
胎内山の尾根はお花畑、名残のハクサンイチゲも葉が秋色
ゴゼンタチバナの赤い実も朝露にルビーよりも光輝く
頼母木小屋からカメラを持って足を伸ばした新潟の3人組、話が合うと思ったら同年代で暫らく山談義を
ひとりぼっちの地神山(1,850m)(8:10)
正面に地神山北峰の尖り、右の斜面が縦走路から分岐する丸森尾根
足元にはチングルマの紅葉が、ガンコウランの緑に映える
地神山北峰(1,800m)、頼母木小屋からの下山者が憩う(8:30)
北峰から望む朳差岳の威容、赤い屋根の頼母木小屋が小さく尾根にへばり付く
丸森尾根から中央左寄りに長者原、右下に下山口の天狗平(標高差1,400m)を見下ろす(8:40)
昨日難儀した梶川尾根をバックにチングルマの綿毛、風が無いので揺れない
左下に長者原、尖りは岩峰のかざくら山、遠く朝日連峰が連なる
丸森峰から地神北峰を振りかえる、此処から樹林帯に突入=悪路の始まり(9:20)
ユキザサの赤い実
見事なグラデーションに染めあげたオオカメノキ
見上げれば ブナ葉輝く 金メダル
ツバメオモトは純白の繊細な花も美しいが、コバルトブルーの実は素晴らしい、葉が大きくオモトに似る
マスタケは鮮やかな朱紅色で紅マスやサクラマスの身の色に似るからと、釣師には堪らない茸でオリーブオイルで炒めると美味
小屋で分けて貰った貴重な水を飲み干し、待ちに待った夫婦清水
脱水症状寸前に到着し大休止、余りの美味さに2回も水を汲みに通う(10:35~11:10)
丸森尾根の後半はブナ、ミズナラ、ヒメコマツの古木の根を踏み伝いながらの下山。クマの皮剥ぎに遭ったマツの木も
ブナの古木には落書きの傷が痛々しい、刻んだ人は亡くなっても名は末代まで恥をさらす
湯の沢の水音と飯豊山荘が見えてから、下山まで小一時間を要した緊張の岩場の連続
急峻な岩場の緊張を解きほぐすマンサクの見事な紅葉
高さ20mぐらいの岩場が連続し、足の置き場がなく二階から飛び降りる表現がピッタリ
丸森尾根を3時間35分を要したが、一度も転ばないで飯豊山荘前に無事下山(12:50)
道中を共にした天然マイタケは自宅まで無事?辿り着く(いいで道の駅での価格は1㌔=6,500円)
心地良い疲れと充実感でマイタケの天ぷらで飲むビールは格別の味でした
(丸2日間、名誉の筋肉痛)
〈 想い出のアルバム 〉
1975年8月4日 石転び沢の雪渓を登り梅花皮小屋前で バックは北股岳
当時は投げ捨ての時代、小屋の裏は膨大なゴミの山でした バックは梶川尾根
おわり
二万五千の地図でなぞって見終えました・・・
図を見て疲れるわけもありませんが等高線の密度に溜息が出ました
飯豊は広いので何所から何処を目指すか決めるだけでも難しそうですね
すでに無事御帰還で杯も挙げたのでサスケネーですが・・・
ちょこっとマイタケに当たったりして、ラッキーを通り越してるようで何かの”先触れ”のようで怖かったのではと
想い出の石転び沢の短パン君は誰か・・と云われても
判りませんね このときは何処を降りたのでしょうか?
記事の中で”イワショウブ”を見て
会津駒ケ岳に行った折、かなり見付けたのですが・・
名前が不明のままになっていました・・・
やっぱりカトチャン・・いいタイミングでした・・・
20代にテン泊で、石転び沢→本山→川入と相棒と30㌔近くを背負いダルマを飲みながら縦走した思いが懐かしいです
その後遠い存在の飯豊でしたが、朳差岳には何時か登りたいとの思いは強く、今回はその偵察を兼ねての山行を敢えて単独で挙行しました
悩んだ末急登の梶川尾根を登り、少しだけ緩い丸森尾根を周回しましたが、いずれも森林限界までは等高線が密で一歩、一歩が辛く、五郎清水で出会った下山者にまだまだ先が長いと言われ、ビバークを覚悟したほどです
背中に負んぶの舞茸にマイッタケ~と笑われないよう梶川峰までの7時間は踏ん張りましたが、最後は限界をオーバー、小屋前で遂に足が攣りぴんころさんの痛みが分りました
イワショウブは湿原が草紅葉になっても頑張り、好きな花です