
正直言って、いずれ福島の事は本格的にやらねばと思っていたのだが、テーマは重いし、先延ばし先延ばしとなっていたものだ。
その折、内容も分からぬまま"A2,B-C"という映画を見た。作者は、日本に十年来居住し活動している、若手ニューヨーカーのイアン・トーマス・アッシュ氏だ。
もちろん後で分かった事だが、この"A2,B-C"は、東電原発・爆発被爆後の福島の子供たちの、甲状腺異常値を示している。A,B,Cと進む毎に細胞の異形度が進み、よりがん細胞に近づくと言う内容だ。
内容は衝撃だった!!
イアン氏は淡々と住民の声を拾い上げていたが、中味は、政府・東電・医療現場がひた隠しに隠して来た事であり、これがあからさまに成ったという点で、特に母親たちの衝撃は大きいものだった。
また、例の有り得ぬ「除染作業」も、チェルノブイリの教訓も全く生かせず、ごく一時的に校内線量を下げているに過ぎない体たらくだった。母親が激怒していた事だが、「学校を出たとたん、生活不可・過大放射線量になっていながら、どうやって子供が安全になれるの?」は、当然の反問だ。
<追加シンポジウム報告>
福島住民・ヘルプの何とかシンポジウムに参加して来た。例のイアン氏も参加していたのだが、内容は少々残念なもので、今後の課題となるだろう。
確かに考えてみれば、丸5年が経過し、当初から活動して来た方々からしたら、当然疲れが出てきても仕方はない。ただ我われ新人参加からすれば、不満も有るし希望も有るということだ。
ご苦労を承知で言わせて貰えば、今までの五年はいわば助走で、これからが「災害解決元年」となる、という覚悟だ。
幸い、安倍氏を含む原発隠蔽側情勢は、やっとの事であるが、好転しつつある。さすがにのん気な日本人も、自分たちの生活を含めて、自民・公明・与党体制に疑いを持ち始めたらしい。