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幼馴染

2006-03-05 00:24:36 | 旅人
幼馴染と呼べる子はひとりだ。

栄音と書いて「ひさね」と読む、
不思議な名前を持った子。

隣りのマンションに住んでいて
両親が小学校の先生をしていて
同じ小学校の1年1組だったという共通点から
すぐに仲良くなった。

小学校の5年生から違うクラスで
同じ中学に通ったものの
高校から別だった。

彼女の7月の誕生日と
あたしの3月の誕生日に
プレゼントを交換するのは
大学生の途中まで続いた。

大学生のとき
教師になるのか
アーティストになるのか迷った挙句
彼女は後者を選び
イギリスに留学した。

一時帰国の度にプレゼント交換はしていたけれど
あたしはなんとなく上から見下すよな
彼女の態度があまり好きではなく
幼馴染ごっこをしてる自分に気付いて
連絡をとるのをなんとなくやめた。

そのうち彼女の実家は隣りの街に引っ越して
音信不通になった。

金曜日に急に彼女のことを思い出して
彼女の名前を検索してみたら
「小川和紙技術継承者の会」の作家として
和紙の作品を出展しているのを見つけた。

こころの中に暗雲が立ちこめた。
モヤモヤした。

大学生だったあたしが彼女と仲良くできなくなったのは
自分には何もやりたいことが見つかってないのに

彼女がどんどん夢に突き進んでいたからだ。

今のあたしはまだ夢を叶えてないけれど
夢を抱いて
まっすぐ突き進んでいる。

時間がかかってしまったけれど
彼女に会いたくなった。

きっと彼女は
今のあたしが彼女の人生について
根掘り葉掘り
聞きたくなる類のひとだ。

彼女に会いにいこう。
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