旅する小林亜星

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遠隔

2007-04-16 22:31:34 | 旅人
彼女は友達の友達。
彼女のことは何も知らない。

大阪出身なことと
以前関東でも働いてたことと
あたしと同じ金星人ということしか知らない。

けれどあたしは彼女が好きだった。
たった数日しかいっしょに過ごしてないけれど彼女が好きだった。
そこに行けばいつまでもいつも会える気がしてた。

今度会えることがあれば
友達の友達じゃなくて友達になれる気がしてた。

けれど彼女はそこからいなくなってしまった。
訳あって彼女に連絡をすることもできない。

もうこれで彼女とのつながりはなくなってしまった。
この広い日本で彼女に偶然また会うことを願うのは無茶だ。

せめて彼女が好きだと言った「鍵のかかった部屋」という本を読んで
彼女の微笑みを思い出そう。

彼女のことは何も知らない。
けれどあたしは彼女が好きだった。
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