私訳 ラームチャリットマーナス

中世ヒンディー語の宗教詩人、トゥルシーダースの、「ラーマーヤナ」の私訳。

少年の巻 189

2015-07-12 09:04:30 | ラームチャリットマーナス
1891 ある時ダシャラタ王は、自分に息子がいないということで、呵責の念を覚えた。王はすぐに師ヴァシシュタの家に赴き、その足にすがり、多様に嘆願した。

1892 王がみずからの苦楽のすべてを師に語ると、師は様々に慰めた。「心を落ち着けなさい。あなたには四人の息子が生まれるでしょう。彼らは三界に名を上げ、バクタの恐れを除くでしょう」

1893 ヴァシシュタはリシュヤシリンガ・リシを呼び寄せ、王子誕生を祈願する、聖なる犠牲式を執り行わせた。バクティの念とともにリシが供物を護摩に投じると、アグニ神が供物の乳粥を手にして出現した。

1894 アグニ神は王に言った。「ヴァシシュタが心に思案したとおりに、あなたの目的はすべて成就した。王よ、この供物の乳粥をしかるべく分割して、すぐにもそれぞれの妃に分け与えよ」

189do アグニ神はそこに集うすべての人々を納得させてから、直ちに姿を消した。王は最高の喜びに浸った。彼の心には喜びが溢れんばかりだった。

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