曇天なのがとても口惜しく、また温暖な四国とは言え、4月を目前にして蕾すら見られなかったこの年
本来は、右手の桜が美しく咲きます
枌所(そぎしょ)小学校柏原(かしはら)分校
旧矢橋小学校と並んで、とても心に来る校舎です THE日本の小規模小学校
植栽が整えられているのも、手入れが行き届いている証拠です
でも、ここに公費が投じられている可能性は低いので、裏を返せば地域に愛されている証拠
なお読み方について、かしはら渓谷が付近に存在するので、(かしはら)と読むと思うのですが、後述のyoutubeでは(kaihara)とテロップがあるので、どちらが正しいものか分かりません
向かって左手より
猫の額ほどの運動場から、一段上がったところに校舎が建っています
手前のポストがある部分は教員宿舎と思われます
きれいな竹箒が立てかけられている辺り、やはり手入れがされているんですね
寄って1枚
流し台ですかね
反対に、校舎の右手の部分に寄ります
厠ですね
無数に空いた穴が気になりますが、細かい部分も美しく、いい雰囲気です
手洗いと
男性小用 ですよね?
いよいよ本丸へ
とはいえ、ガードが堅いので、都合よく1枚だけ割れていた窓から手を突っ込んでお邪魔します
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心ゆたかに
??やかに
4つ目は、すこやかでしょう
そんなことより、壁面やガラスを見ても、平屋と言うこともありますが、美しい状態であることが分かります
1948年(昭和23年)から数えてこの時で築69年
最近の鉄筋校舎なんて、下階の廊下の窓枠が、上階の重みで歪んで窓が開かないこともザラなのに…やはり作りが違います
廊下の上部には、拡大版の日本地図
残っているんですね、昭和32年12月購入と読めます
東京教育大学名誉教授氏のもの
厠側からも覗きます
右手には、上述の地図
左手上部には、何やら作品と黒板が見て取れますが、これが限界
それにしても、床、天井ともに波打つこともなく、美しい状態
正面の玄関
こちらも、1枚だけ割れているものの、良好な状態
傘を被った電球すら割れていません
運動場に向かいます
雨の日に転ばないよう、滑り止めの石が埋め込まれている運動場からのアプローチ
落ち葉と苔が物悲しい
昭和の遊具は危険だった! みたいな手のアレで見たような遊具
どうやって遊ぶのかは知りませんが、恐らくぶら下がって回すんでしょうね
3月終わりの香川なのに…桜…
反対側には、板を外されて用途を成さないブランコと鉄棒
奥に見える植栽、やはり美しいです
屋根にも波がなく、やはり美しい
最後に、石垣と1枚
明かりさえ灯れば完璧です あと桜
…そんな柏原分校、2021年に、老朽化による危険を理由に解体されました
見えない部分は70余年の風雨によって傷んでいたんでしょうね
個人的には朽ち果てていくのもまた一興ですが、思い入れのある建物が、美しいまま記憶に残り続ける方が幸せでしょうね
解体を前に、有志の方が動画とインタビューを行った様子がyoutubeにあります
柏原分校 で調べればヒットします
もちろん、晴れた日の桜との対比も見られるほか、内部や、当時の様子、黒板の内容も映され、語られていますのでぜひ
ところで残留物も処分されたのでしょうか、だとしたら残念です
某自治体のように、廃校の残留品を某フリマアプリで売ってくれると、それなりの需要はあると思うのですが
少なくとも、昭和32年の地図が出ていたら買ってましたよ
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1908年(明治41)-枌所尋常小学校柏原分教場 開校(現在地とは異なる)
1931年(昭和06)-一旦閉校
1948年(昭和23)-現在地に再び開校、この校舎を新築
1988年(昭和63)-閉校(閉校時の在籍2)
理由は不明ですが、一旦閉校した後、同じ名前で場所を変えて再興しています
1964年(昭和39)頃の全校児童数は40人弱
校舎の裏手には茶畑があったようです(裏は石垣が迫っていたのでスルーしたのですが、その上が畑だったんですかね)
現在は存在しない複複式(3学年)も行われていたほど、末期の児童数は少なかったようです
Wikipediaをはじめ、ネット上に情報は皆無でしたが、上述の通り、youtubeにこの校舎を特集した動画があり、その中で紹介されていた文言を抜粋しています
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追記
4つ目は、すこやかに でしょうと自信満々に書きました
柏原分校を撮った他の方の写真の中に、左上が剥がれる前の様子が写っていました
あざやかに でした
これは意外でしたが、鮮やかの意味を引くと、「いきいきして美しいさま」と出て来ます
なるほど、そんな成長を願ったのでしょう
2017.03.30/香川県綾歌郡 枌所小学校柏原分校
2022.08.31追記