パパとりの雑記帳

酉年生まれの後期高齢者。健康不安を抱えながら、新聞、TV等からの情報を元に、好奇心に駆られて、近郊の社寺を中心に散策。

興福寺菩提院大御堂-続編-「吒枳尼真天」

2016年05月19日 | 日記
鐘楼の前の水鉢の蓮には、新芽が


菩提院でも寺名、寺紋など色々の瓦が使われています。
  
寺紋「下がり藤」              寺名「菩提院」

 
寺名「興」                 寺名「興福寺」

三条通入口から鐘楼を望む


入口の直ぐ左手奥に朱塗りの祠が祀られてあります
 
傍の石標には「吒枳尼真天」と記されています。
《荼吉尼天、吒枳尼天とも漢字表記し、吒天(だてん)とも呼ばれる。》



柵が組まれ、鋭い棘の「枳殻(からたち)」の生け垣があります。実も付いてます。
祀られている「吒枳尼真天」の「枳」の字に因んでいるのでしょうか。

ところで…「吒枳尼真天」って?

妙法院休憩所の柱に真如堂の
「吒枳尼天」のお札を見つけました

   
剣と宝珠を持つ吒枳尼天(小さい写真をクリックすると拡大)
仏像図彙 1783年 (転写) 


「貴狐天王(きこてんのう)」、「辰狐王菩薩(しんこおうぼさつ)」を本地とする稲荷神との習合です。

インド神話の「カーリー女神」の眷属である
「ダーキニー ―空を歩く者の意―」を由来とする。
肉を喰らい、踊ながら空を舞うといわれる。

日本に渡り「吒枳尼天」となり、
一般に白狐に乗る天女の姿で表され、剣、宝珠、稲束、鎌などを持物としている。

東寺造営の際、伏見稲荷山の材木を使ったことから
真言密教と吒枳尼天の概念を含んだ稲荷信仰が全国に広まったと言われる。

少しそれますが…
稲荷と言えば「伏見稲荷大社」。総社として約3万社あると言われています。
茨城「笠間稲荷神社」、佐賀「祐徳稲荷神社」とで三大稲荷神社という説や、
愛知「豊川稲荷」、岡山「最上稲荷」を三大稲荷とする説などがあり、
また、全てを合わせて五大稲荷と言うこともあるそうです。
ただし、稲荷神社の御祭神は、「宇迦之御魂神」を主神として祀りますが
豊川、最上は神社ではなく寺院です。
豊川稲荷は「豊川閣妙厳寺(曹洞宗)」で
最上稲荷は、「最上稲荷山妙教寺(日蓮宗)」と言う寺院で
「吒枳尼天」を祀っています。              (ウイキぺデイア等参照)


これらのことから、菩提院の境内にある「吒枳尼真天」は、
明治元年の神仏分離令から免れた神様の一つのようです。

おまけ

吒枳尼天は、京都の真正極楽寺(真如堂)の塔頭の法傳寺にも祀られています。    
開基は順徳天皇、本尊の「吒枳尼天」天は弘法大師の作と伝える。日本最初の稲荷大明神とも伝える。
上記のお札の写真の寺院です
 
      法傳寺の石の鳥居           本殿「吒枳尼尊天」の提灯が
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