趣味の小部屋 ( オーディフィル 公式ブログ)

ひのきスピーカー工房「オーディフィル(AudiFill)」の公式ブログ。 (管理人:カノン5D)

ダブルバスレフ箱(FOSTEX FE103En,FW168HR使用)の試聴会 (コイズミ無線にて)

2012年03月18日 08時13分00秒 | オーディオ
先日、コイズミ無線で開かれた試聴会に行ってきました。
講師は、お馴染みの浅生氏。




今回は、ダブルバスレフ箱を試聴する事ができました。

ダブルバスレフというと、長岡先生時代から沢山の作例があり、
図中左のように、第一室と比較して大きな容量をもつ第二室を備えた形になります。

この場合、中低域は第一ダクトが、最低域を第二ダクトが担当します。
第一ダクトの共振周波数は(主に)第一室の体積から求め、第二ダクトの共振周波数は箱内部の総容量を用います。



その一方で、
今回試聴した2機種は、それらとは違った設計となっています。

図中右に示すように、第一室と第二室の大きさがほぼ等しくなっています。
第一ダクトは最低域を担当し、第二ダクトが中低域を担当します。
このとき、第一ダクトの共振周波数は箱内部の総容量から。第二ダクトの共振周波数は第二室のみの体積から算出します。
(詳細はStereo誌 2012年4月,5月号を参照)

私はこの方式は欧米でメジャーだと思っていたのですが、
浅生氏は「元フォスター電機の技術者 N 氏が数年前に提唱した方式」だと言っていました。



まず、一作目は10cmフルレンジ FE103E(n?)を使ったスピーカーです。



これは、浅生氏が自宅でサラウンド用(?)に使っているとのことでした。
奥行は小さく、コンパクトな筐体です。


ダクトの共振周波数は、それぞれfd1=65Hz, fd2=160Hzに設定。


この方式の場合、第一ダクトの断面積は振動板の35%程度、第二ダクトは振動板の85~115%程度が良いとのこと。特に、第二ダクトの面積を非常に大きくすることで、第一ダクトの重低音を減衰させずに放出できると言っていました。

音は、正直ちょっと微妙でした(汗)
確かに50Hz程度の重低音も出ているのですが、「ブオーッ」という不思議な音で、音楽と連動してくれません。また、FE103Enの張り出す中高域に対して200Hz以下の低域音圧がかなり不足しているようです。

その一方で、単純なバスレフとは違うメリットがあるのは明らかだったので、ユニットをTangBandなどに交換することで、適切なバランスが得られるかなぁ~と思いました。



そして、本命。FW168HRとT250Dの組み合わせです。
図面などの詳細はstereo誌 2012年4月,5月号に掲載されるので、そちらをご覧下さい!





中は二分割されていて、ブックシェルフ型ながら凝った作りになっています。
浅生氏 曰く、ダクトの出口をユニットに近づけることで中低域の(干渉による?)ディップを減らすことができるとか。

こちらは、圧倒的な音質。
ユニットの能力もさることながら、他を圧倒する低域のスピード感が得られていました。バチンと引き締まった低音ながら、重低音域まで量感豊かに伸張しています。
FW168HRを聴くのは三回目になりますが、これだけ「量・質・伸び」を表現できるユニットだとは思いませんでした。

この作品の場合、16cmウーハーのダブルバスレフなのに
fd1を48Hz、総容量を27L程度と、あまり欲張った設計にしていないのが成功したのかな?と思いました。

つい「容量を大きくして、fdを下げて、低域を稼いでやろう!」と思ってしまいがちですが、やはり適度にするのが良さそうです。




試聴会後半は、浅生氏のソフトを聴いたりしました。

今回の試聴会は、新作ユニットなどはありませんでしたが、
非常に興味深いエンクロージュアを聴くことができて、大満足のカノン5Dでした。





コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 木材の種類と音質 (その4) | トップ | エンクロージュア形式いろいろ »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
良い趣味をいろいろお持ちですね (tetsumyi)
2012-03-18 10:17:54
AodioBBSに登場される今井さんですよね?
私も昔SPBox作ったことがありますが難しく満足できる音にはなりませんでした。

BBSで書き込むと宣伝すな、と嫌がられるのでこちらを探して見つけました。
かなり予定から遅れてしまいましたが「前方定位ヘッドフォンコンバータ」を有名某オークションでのモニタ販売を始めました。
通常のオーディオで気付かない耳の特性について色々知ることができると思いますので試聴テストと思って聞いてくださるならうれしいです。
モニタ販売価格は2500円ですから後で評価、感想を書き込んでくださると助かります。
使用するステレオイヤフォンは低音が出過ぎるほど出る物が良いです。
返信する
前方定位ヘッドフォンコンバータ (今井 明)
2012-03-18 19:39:52
カノン5Dさん
 この場をお借ります。

tetsumyiさん
お久しぶりです。AodioBBSに投稿した今井です。良く見つけて下さいました。
「前方定位ヘッドフォンコンバータ」が完成したのですね。早速購入してみます。どの様な音がするのか楽しみです。

カノン5Dさん
ダブルバスレフの音をまだ聞いたことがありません。ユニットの関連もあるようですが、締まった低音が出るとのことで、一度聴いてみたいです。

今井 明
返信する
Double Bass Reflex Volume (Levent)
2013-05-27 19:32:19
Hi,

very interesting article about the Fostex fe103en double bass reflex box.
I just read the google translated version of the site and I'm not sure if I understand everything correct.

Was the bass earning not as good as expected? Is the stroke of an fe103en not big enough to be usable in an DBR design?

I see the frequency of the two ports/vents with fd1=65Hz and fd2=160Hz but how big are the two chambers? How much liter do you calculate for them?

Thanks
Levent

返信する
Thank you for your comennt (Kanon5D)
2013-06-02 06:13:25
Hi, Levent.

I am interested in double bass reflex box too.

The Fostex fe103en DBR box has a lot of bass, but the quality is not so good. This is the reason that the two chambers are too big.

I made DBR boxes four times. The chamber capacity is very important. I don't sure how to calculate them, but there are equivalent to (normal) bass reflex boxes.

The stroke of an fe103en is enough to be usable in an DBR design. The maximum volume is as big as fe103en with normal bass reflex box.

Thanks

Kanon5D
返信する
Double Bass Reflex Volume (Levent)
2013-06-04 04:11:48
Hi Kanon5D,

thank you for the message.
I found some calculation examples for DBR designs, I will try to calculate a DBR for my own.
I can send you the result if you want. It only will take some time until I have an presentable design.

Thanks
Levent
返信する

コメントを投稿

オーディオ」カテゴリの最新記事