終電で帰ります

飲みに行った
キューちゃんに似てるとか
嘘ばっかだけれど
手慣れた人

沢山飲んだし
ちょっと歌ってしまった
多分これは黄金率

振り返る
あなたは振り返る
何度か見えるその
白い顔は
冬の忙しさそのもので

瞬く間に多忙になってゆくその時
まるで他人事みたいに
ヘラヘラあなた笑って
でも絶対に捌き切れると
知り尽くしていた

敵わなかった

私は無駄な抵抗をした
あなたの不機嫌はいつも同じパターン

綺麗だと思った
振り返る時私を見るその顔は
綺麗だと思ったの
絶対に気付くと分かって
とても意地悪に
あなたに向けてだけ笑ってみたけれど

「遅いじゃないの
待ってたんだから」
それだけで台無しになった

粋を知っているなら
もう一度格好をつけましょう
寂しいと言った言葉に嘘は

嘘は

ないんだよバカ野郎

どうして私があなたを嫌うのか
そう思い込む根拠はただ一つだけだから
あなたは過ちを犯したのかな
だから怒らないのかな

私は
都合の良いことだけを信じて生きていければいいのに
最悪な結末は全て幻ならいいのに。

あの白い顔は
働く人の顔
決して
コソコソ落ち合った人の顔ではない

とてもつまらなそうな顔で入って来た
人は
あんな顔では恋などしない
あなたは疲れてため息を。

いちいち何だよって言われても
声掛けないのは冷たいじゃないか
悪態つきながらいつもあなたは
笑ってばかりいるじゃないか。

私は働く
決めた分だけはきっちりと。
悲しくなる位なら
顔すら見ないで帰ろうか

嫌えないよ
大好きだもの
その人がさあ
目の前でセクハラされてるのは
とても悲しいことですよ
どうやったら助けられる？
それとも喜んでいるの？

頭おかしい、って
思われて構わないから
あなたには笑っていて欲しい

余計なことをしまくってでも
穏やかな顔が見たい

何も要らないから
穏やかに暮らしていてよ

私は誰にもバカにされないの
だってバカではないのだから。

あなたは狡い位に大人で
本当はきちんと言葉を選べる
なのに悪態をつくのは
どこかでその奔放な心を許しているから？

分からないね

おやすみ