対極論

正論・異論・極論…様々な角度から考察する思考実験ブログ

大極論 41号 宅配便は?

2016-12-29 06:21:09 | 時事・思考実験
正論・異論・極論…様々な角度から考察する思考実験

【社会】“佐川ブン投げ”は氷山の一角 梅酒が粉々、冷蔵便なのに常温で届く、弁償は「クレーム代品」で…など宅配便トラブル続出★2(2ちゃん ビジネスニュース+・ライブドアニュース)

佐川急便の配達員による荷物ぶん投げ動画でチラリのぞいた宅配便トラブルがいま、急増している。 宅配便の取扱量は、インターネットを使った通信販売が普及する前の1990年度は11億個だったが、昨2015年度は37億4500万個と3倍以上に伸びた。
トラブルも1557件が報告されている。

【物流】「アマゾン多過ぎ」ヤマトドライバーから悲鳴続出、「利便性」が生んだ過酷な実態★8(2ちゃん 速報ニュース・弁護士ドットコム)

【お題】
便利な宅配便が少しおかしい。
荷物の遅配や破損など利用者にとって困る事象が頻発し、
一方で配達員・ドライバーへの過重労働や労基法違反の超過労働の問題化、
そして配達員の質の低下や駐車違反への替え玉出頭などモラルハザードも顕在化。

宅配便業界に何があったのか?

【極論】

A:
客…送り主も受取人も我儘になってきたから配達業が成立しなく崩壊しかけてるんだよ。
受取人が不在時間なのに送り主がその時間に時間指定をしたり。 一昔前に仮に時間指定なんてサービスがあったら、送り主・受取人双方が事前に指定時間に在宅しているか確認してから宅配便に依頼しただろうし、仮に指定時間に不在にしていたなら受取人は宅配便ドライバーに迷惑をかけたと・申し訳ないと思う気持ちを持っていたものだ。
時間指定を行うと言う事は指定時間に配達するサービスを行う義務と、受取人はその時間に確実に在宅する義務や道義があるべきものじゃないかな?
料金を支払えば・客ならば何でもあり、カネを払えば迷惑も恥知らずの振る舞いも許されるという風潮や他人の迷惑が何なのかを考えない風潮がこうした事態を招いているのでは?

B:
安くて・便利で・速くて・多様な条件やサービスも受け入れてくれる。
本来は「何かを得れば何かを失う」トレード・オフの関係で社会は動いる、速いサービスを使えは料金が高くなり・安い運賃の会社なら配送の質が落ちるとかね…
基本的にはサービス業なら技術革新・システム改革などでのみそのトレード・オフが緩み、サービスの質が向上し速くて・安くて・便利になる。
配送業で例えるなら徒歩の飛脚が船舶になり鉄道・航空機・トラック…という技術革新の進歩やIT技術の進歩による配送管理の効率化とかかな?

もし技術革新の速度よりもサービスのトレード・オフの緩みが早いならば、それは配送会社による配達員への負荷強要が原因である場合の可能性が高い。 賃金切り下げや過重な労働時間やらサービス残業とかね。


C:
ヤマト運輸の場合、おそらくアマゾンの配送を独占する事により、安い単価でも安定した大量の荷物を配送する事による「規模の経済」を志向しようとしたんだろうね。
配達量の多少に関わらず配達員は特定の地区に毎日特定数が配置コストになる、一種の「固定費」状態。 ならばアマゾンと配送契約をし配達量を増やしても会社的には利益が上がるだけで経費はガス代が増えるのと僅かばかりの配達インセンティブがコストになるだけが。
だが実際はアマゾンを頻繁に利用する世帯は昼間不在の単身世帯や忙しい共働き世帯と重なり、二重三重の再配達の手間が増えて実際の配達コストパフォーマンスが悪化している現実と、
その悪化したコストパフォーマンスを現場の配達員に押し付け労働環境の悪化を見てみぬふりを経営側がする事によって帳簿上のヤマトの利益が捻出されている現実。
ヤマト運輸とアマゾンの関係だけじゃなく大概の運輸業が様々な理由で悪化したコストパフォーマンスをドライバー配達員に押し付けているのが現実。
それがトラブル頻発の原因では?

D:
かつて、大英帝国華やかりし頃、インド・英国航路が多数の海運業界が乱立し過当な競争を繰り広げ、その結果船舶の事故や荷物の行方不明が頻発し荷主側が問題視した頃には手遅れで、既に真面目な船舶業者は淘汰され、安かろう・悪かろうの船会社が安売り競争に明け暮れていたという事があった。
その事態を打開する為に「荷主サイド」から運賃の安定の為のカルテル団体を船会社に設立を依頼し、適正な料金で適正な運輸サービスの提供を望んだ。

所謂今現在も残る、独禁法にうるさいアメリカですら認めるカルテル「海運同盟」の設立である。

さて自由主義経済・アダム・スミスな国イギリスが完全競争の弊害を認め、適正な料金と適正なサービスのバランスが壊れると利用者自身に被害がツケとして回ると理解した事象だが、
日本の運送団体と政府はその事をそろそろ理解すべきでは?

E:
ブラック企業でも理不尽な業務でも文句も辞めもせずにドライバーが続けるから悪いんだよ!
消費市場に消費者の選択に自由がありながら、労働市場が市場として需給が不完全で尚且つ労働者に変なプライドや義務感があるから、ブラック企業が増えて健全な企業が淘汰されるんだよ。

労働市場から運輸労働者が辞め撤退すれば、運輸企業は労賃と労働環境を改善するようになり、運輸各社も荷主に値上げ要求をせざる得なくなる。







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