2016年7月13日(水) 曇り
私は決められた旅がどうも好きではない。完璧にスケジュールイングされた旅だとか既定のパック
旅行が肌に合わないのだ。旅とは本来アバウトなところに魅力がある。ワクワクする気持ちと不安
でたまらない気持ちが千々に乱れてこそ旅の醍醐味である。それを最初から聞く先も決まり、なに
一つ不確定要素がない旅なんて旅と呼べるだろうか。
越後の彌彦神社を訪れたのは、佐渡で百年に亘って旅館業を営む主人と話をしていたときに、越後の
ほんとうのシンボルは彌彦山だと聞いたからである。行く先々の地元の人が一番その地の歴史をよく
知っておられる。味と含蓄がある。旅行案内やメディアに踊らされた情報は表面的なものに過ぎない。
地元の人と出来れば杯を酌み交わし語り合う中から真実が覗いて来る。
異邦の地での異邦の人との語り合い程重要なものはない。未知への旅はそれを具現化してくれる。
おめっさ、なしてここへ来たべ? いぐあてねえのか?
うだら うちさ泊まってけ
本来、旅は不安と人情のおけさ船。