東京での中学校の恩師を偲ぶ会に出た時のことです。参加者の一人の80代初めの男性が「500メートルの水泳を続けているので、運動量は十分と思うのだが、最近、右のお尻が痛くて歩くのがつらくなった」といいます。私が柔道整復師をしているので、尋ねてきたのです。
整形外科医院で、理学療法士の若い女性から、お尻の筋肉を伸ばすストレッチを続けていますが、痛みは治らないといいます。うつ伏せになって、右の殿部のくぼみを軽く押しますと「イテテ」と叫びました。
お尻の深層筋(インナーマッスル)の梨状筋が硬くなって、すぐ下を通る坐骨神経を圧迫しているのではないか、とみました。それで、今度は仰向けになって右の股関節、膝を90度くらいに曲げてから、大腿を内側にゆっくりと倒す梨状筋テストを行いますと、右の臀部に強い痛みを訴えました。
「梨状筋症候群でしょう」と告げ、どうして痛みが発症するのかを説明しました。男性は若いときはサッカーの選手と鳴らしたスポーツマンです。70代になってからは、全身運動の水泳に励み、週3回はプールに通い、1000メートルは泳いでいたといいます。80代になってから500メートルに抑えているそうです。
「運動しているのに筋肉は弱るの」といいますから、「通常の運動は浅層筋を鍛えますが、深層筋を鍛えるわけではありません」と説明しました。理学療法士が行っているお尻の筋肉を伸ばすストレッチは梨状筋を伸ばしていることを伝え、梨状筋が柔らかくなれば、痛みは改善します、と説明しました。
同時に、お尻の筋肉の殿筋が弱っていることが梨状筋の張りと硬さにつながっているので、スクワットをしてください、と言いました。「お尻のストレッチの理由がわかったので、きちんとやります。スクワットも始めます」と男性は力強く答えました。加齢に伴う体の衰えを少しでも防止するために、私が取り組んでいることは次回に。
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