千葉県柏市で、65歳以上の2044人(男1013人、女1031人、平均年齢73歳)を対象にした東京大高齢社会総合研究機構と柏市の「大規模高齢者フレイル(虚弱)予防研究」(柏スタディー)は2012年から始まりました。2044人を健常、サルコペニア(筋肉減弱症)予備軍、サルコペニアの三つのグループに分け、定期的に健康調査を続けています。
指輪っかテストで、ふくらはぎの一番太いところより指輪っかが大きくて「隙間あり」とされた人たちは、サルコペニアの危険性が「囲めなかった」人たちより6.8倍も高いことがわかりました。2年間のうちにサルコペニアが発症するリスクは3.6倍となり、死亡リスクも3.3倍とされます。
「ちょうど囲める」の人たちは、サルコペニアの危険性が2.4倍、2年間にサルコペニアを発症するリスクは2.0倍でした。
「囲めない」の人たちは当然ですが、サルコペニアの危険性も発症するリスクは「ゼロ」でした。
「隙間あり」の人たちを、体の筋肉量、体脂肪、水分量などを調べるバイオインピーダンス法で検査したところ、骨格筋量の低下が認められました。さらに、食事摂取量の低下、口腔機能の衰え、家族や友人らとの共食の少なさが目立ったといいます。
自分がフレイルであることがわかれば、適度の運動、社会的関わりを強めることで、元の健康状態に戻ることができます。ふくらはぎを太くするには、よく歩くことやつま先立ちが効果的です。