練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『猛スピードで母は』 長嶋有

2007-12-26 | 読書
「サイドカーに犬」と「猛スピードで母は」の2作収録。

「猛スピードで母は」
母がスパイクタイヤを取り付けるシーンから始まる。
男に頼らず、黙々とタイヤを交換する様子からシングルマザーのたくましさが伝わってくる。
そのくせ、転々と職を変えた内のひとつ、保育園での仕事は性に合わず、
息子に向かって「子どもって全部お前見たなのかと思ってたら違った」
と言う、そんな何かが欠落した性格がなんとも言えず不安定さを感じさせる。

「サイドカーに犬」
小説は、先入観なくイメージを自分の中で作りながら読めるのが面白いものだが、
この短編は先に竹内結子が主演で映画化、というのを知ってしまったので、
どうしてもヒロインを彼女に置き換えて読んでしまう。
でも、読めば読むほど竹内結子にぴったりな役柄、と思えてくる。
お母さんが出て行って、その代わりに突然やってきた洋子さん。
あとから考えれば父の愛人だったらしい。
何者にもしばられないで、喧嘩になれば絶対負けなさそうで、なんだかすごい綺麗で、でも根無し草のような雰囲気の洋子さん。
どうも「ランチの女王」のなっちゃんとかぶってしまう。
でも、実生活の彼女はどういう人なのかよくわからないけれど、
あのドラマのあの役が竹内結子ちゃんには一番合っていたように思えるんだ・・・。
小説の感想とは違ってきてしまったけれど。