練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『温室デイズ』 瀬尾まいこ

2007-03-02 | 読書
いつからか「いじめ」っていうことが小説テーマのひとつになってきてしまった。
とても悲しい。

作品の中で中学生たちは「温室」っていう中で守られている、とは書いてあるけれど、守られているのではなくて、とじこめられているんじゃないかな、と私なんかは思ってしまう。

いじめってこどもの世界だけの話じゃない。
大人になってもいじめは存在する。
主婦のいじめなんてホントに陰湿だ。

ある程度大人になっていれば逃げ場はあるし、そもそもイヤな人間関係があっても何かを犠牲にすればそれを避けて過ごすことはできる。
もともと主婦、それも専業主婦だったりすると、一日中だれとも口をきかなかった、きいたとしても会話にならない赤ちゃんだけだった、なんてこともあったりするので、イヤな人と顔もあわせず口もきかなくていいのなら家から一歩も外に出なくてもそのほうがよっぽど精神衛生上よろしかったりする。

でも、こどもたちにとっては学校って生活のすべてなんだと思う。
家でおかあさん、おとうさんがどんなにすばらしい人でも、そもそもそんなことありえなくて反抗期であったりしたら親はなんの頼りにもならない、やっぱり学校の友達関係の上に自分の存在がなりたっている。
そこが地獄のような苦しい場所だったら・・・。

この作品のみちるはとっても強い子だ。
いじめにあっても絶対ひるまない。
学校に行き続ける。
物語ラストでは環境がちょっといい方向に向かうような明るい印象が残るのが救いだ。

でも、実際みちるのような強い子ってそんなにいないと思う。
自分が壊れてしまう前に、強くなくていいから、みんな逃げてもいいから、なんとか苦しさから避けてとにかく生きて欲しい。
最近の悲しいニュースを見るたびにそう思ってしまう。